10-03

/ポケットには色んなものをつめこむんだ。モンスターとか、ひみつ道具とか、増やしたい飴だとか、森で拾った木の実や虫、あの子にあげたい小さな花とか。いつかのポケモンの歌を借りるとポケットの中はファンタジーで、今見てみると、憧憬とか、家の鍵が入っていたりする。

 

10-05

/天使のパンツはいいパンツ

 

10-18

/夢と現実を両方見られる位置にあるのは、自分しかおりません。他人に現実は見えても、あなたの夢は見えていません。

 

10-20

/空が黄金色です。紅葉。枯れ色はさみしいばかりではありません。

/木に疲れたら、海に行きましょ

 

10-22

/黄色い風吹く地から来たという、一風変わった装束の旅人。お茶をご馳走すれば、星の砂を分けてくれるかもしれません。

/夜に入ると、田んぼの中のスーパーは、ぽっかり浮かぶ未来のように明るく非現実的で大人しい建物となります。

 

/師匠とは、黄色い猫のこと。師匠を稲の中に放り込んだら、見えなくなってしまった。稲刈りが終わっても出てこない。もみがらプールで遊んでいるのだろうか。師匠は、はじめ踊るのが好きなだけのただの猫だった。

 

10-25

/曇り続きの空から日が射した。大きな鳥が昇ったように感じて外を見たら、カラスが後光を背負ってまるくなっている。寒い朝の身繕い。少しずつ姿勢を正していった。十分に神々しい。

 

10-27

/今夜の空は緑色。月を探せ。

 

10-30

/カラスが猫の死骸をついばんでいた。猫は放っておくとあっと言う間に薄汚れる。泥に毛並みは茶色くなるし、今日は雨が冷たかろう。早く腹の中に納まってしまえ。

/夜中はブーンという地鳴りが聞こえる。そのために夜中だと思う。夜が厚くなってきた。夜中は静かでもある。夜のスイッチを切ると、夜さえ見えない、冷蔵庫の裏っ側みたいな世界になる。月の裏っ側だとか。

/雪を映して白い雲。雪が積もると雲が寄ってくる。天地にはさまれて、雪の階段を作ったりして、仮想の足場、空へ。

/郵便バイクのエンジン音が、どこまでも伸びていく。もっと忙しない音だと思っていた。朝になるごとに短く、日が昇ると軽快に、正午のまどろむエンジン音も好きだ。夕方は、どこかから引っ張り出されてまたどこかに戻っていくような。

 

11-04

/飛行機だ、ということはわかる。夜中の光。

/空の二つ星と目が合った。そう思ったけれど、誰かの足だったかもしれない。

 

11-06

/見た夢に置いていかれそうだ

 

11-07

/魔法を使うには、まず魔法生物を手籠めにしまして……

 

11-14

/きみを待つには、極寒の牢獄で

/お風呂場寒いです。服を脱げ、町へ出よう。

/出られません。

 

11-15

/名残惜しい紅葉。田畑には墨を流したように黒々と香る枯れ草たち。墨絵の世界を散歩した。

/何度でも帰りたくなるような。

 

11-20

/窓枠にとんぼ。右端にもう一匹止まっており、この窓は封鎖したとか狛犬っぽさなどがある。とんぼはそろそろ空へ帰る

 

11-25

/言葉の形を理解していないので、意味に辿り着けません。

/同じ景色なのに、文字が微妙に違って読めない異世界。

/ポケットを叩けば元の世界線に戻れます

 

12-04

/そこに空があるのだと、方々から声がしました。雨夜も雪の壁も、幻想にすぎません。空へと繋がるでしょう。空からならば、海も見えるでしょう。地から足を離してやっと、海が作り物のように愛らしく感じます。空に住むまでは、海とともに満ち引きしましょう。

 

12-05

/雨雪が積もり、溶けていきます。あちらこちらで水溜りが出来、田には再び水が入ったようでした。

 

12-06

/落ち葉の裏を見ては放る彼女、何をしているのと聞けば、あなたの抜け殻を拾い集めているの、と。幾つ集まったのだろう。ありがたいことである。

 

12-07

/冬の朝の青色は、格別うまい。曇りと雪に慣れきってしまうので。

 

12-13

/今朝はハーブティーを。最近は白湯ばかり飲んでいたので、淹れる一手間がより楽しい。

 

12-16

/外は朝早くから雪景色、私は寝坊

 

12-20

/夜にけたたましい鳴き声を上げる鳥。たまに奇妙な鳴き声の鳥が飛んでいく。初め鳥だとは思わず、異星人の襲来だと震えた。布団の隙間から外を覗くが幸い緑の光とかグレイなアイツはいなかった。グレイな鳥が世の中にはいるのだ。フクロウの地鳴きだったか。そもそも鳥ではなくモモンガやらムササビか、とにかく生き物

/マオ(他ウマオイなど)と呼ばれる鳥がおり、それは日中鳴くのだが、山間に住む人曰く幻の鳥であると。山深くに誘い込んだり、声はするが姿が見えない。ふとした鳴き声から息衝く物語を聞いてときめいた。彼はアオバトだ。アオバトにまつわる話は不気味であったり寂しげに終わるものが多い様子。

/時鳥があの世とこの世を結んだりする。

/雲間に薄く見えた青空は微笑んでいたようでした。黄色い空です。

 

12-21

/せめて夜更けまでは人として

 

12-24

/夜空を食べて大きくおなり。

/トナカイのお迎えがそろそろやって来ます

 

12-28

/うっすらと月が見える。月が顔を出さなくても、雪明かりで街はよく見えている。高く小さな月、早くお休み。そんなことはなくて月は今が稼ぎ時なのかもしれない。いっぱい稼げ。

 

12-31

/いつか通った道を。