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そんなこと、製菓メーカーの策略だってことくらい分かってますよ。

2月14日。
勝ち組と負け組を分ける運命の祭典、バレンタインデー。


「つか、基本的にあたしの周り、リア充多すぎだよね。」


レイラは指を折りながらそう言った。

レイラとしては別にお菓子をばらまくこと自体は何も問題ない。
しかし、その渡した相手に本命がいよもものなら、その本命の女の子にも申し訳ない気がする上に、大して男子にも喜んでももらえないだろう。


そんな彼女の考えの結論は

『1つももらえない哀れな仔羊の救済』だ。


「知り合いは男の方が多いくらいなんだけどなー。」

そういいながら、彼女は“哀れな仔羊”の下へと向かうのだった。


「お、レイラじゃねーか。」

「あ、恋愛フラグの全く立たないクロウだ。」

「悪かったな。」

エントリーナンバー1
鉄砲玉のクロウ・ホーガン

「チョコレートバラまいてんのか?だったらオレにも分けてくれよ。」

なんてなー、とか気恥ずかしそうな様子で言うクロウだが。

「まさか。クロウの分なんてないよ。」

バッサリとレイラは切り捨てる。

「どーせ、お兄ちゃんありがとー、って子供達からもらってるんでしょ?だからあたしのなんていらないでしょー。」

「まぁ、確かにガキ共からもらってるけど…。」

「レイラちゃんは哀れな仔羊の前にしか光臨しない救いの女神だから。お菓子はまた別の機会にね。」

「…そうか。じゃあ仕方ねーよな。」


その今度に期待しとくぜ、そう言ったクロウとレイラは目的地へと向かう。
が、しかしまた別の知り合いが。


「ん、レイラか。」

「誰かと思えば全国の乙女に大人気のジャック・アトラスじゃないか。」


エントリーナンバー2
孤高の元キング、ジャック・アトラス


「貴様もバレンタインデーにかこつけてチョコレートを配っているわけか。」

受け取ってやる、と言うジャックにクロウよりも冷たい態度で切り捨てる。


「なんで追っかけキングでもないあたしがジャックに。つーか、3個は余裕で確定のお前にあたしの義理チョコなんて必要ない。」

「………。」

確かにその通りなのだが、あまりの予定にしていなかった態度に驚いて声の出ないジャックを置いてレイラは進むのだった。



「あー、なんでいないかなー。」

「誰を探してるんだ?」


エントリーナンバー3
言うまでもないリア充、不動遊星


「…一番必要ないのキタ。」

「?!」

あまりのレイラの暴言に固まる遊星。


「ま、あたしのことなんていいからさ、
早くアキちゃんとこ行きなさい。つか行かなかったらコロス。」

「れ、レイラ?」

「あたしにかまうなって言ってるでしょーが。」


半分ムシするように立ち去ろうとして、途中て振り返る。

「天然過ぎて気付いてないとマズいから教えとく。今日は恋人達の祭典バレンタインデーだからね!」

「な、べ、別に、オレ達はそんなっ!」

「はよいけ、この人間タラシ。」


そんな捨て台詞を残して向かう。
今年もおそらくチョコレートなどとは無縁の幼なじみの下へ。



「きょーすけやーい。やっと見つけたよ。」

「お、レイラか。今年も期待してたかいありそうだな!」

毎年、レイラから鬼柳への義理チョコ(お情けの方が正しいかもしれない)は恒例行事なのだが…。

「ちょっと待て。お前が今持ってるそれはなんだ。」

「これか? いやな、こないだまでいた街の子供達がー」


簡単に要約すればクロウと同じ、子供からのありがとうチョコだそうだ。


「……あっそ。」

「え? ちょ、それオレのじゃねーのかよ?!」

「…………………、かに。」

「今なんて?」

「お前なんかに、リア充なんかにやるチョコレートなんて持ってないって言ってんのっ!京介のクセに、京介のバカーっ!」


本日一番の暴言を残し、レイラは泣きながら走りさった。





「ーとまぁ、そんな事件が起こったわけだ。」

「なんだかんだ言ってもやさしいやつだからな、あいつ。」

そんな報告会をしているのは鬼柳とクロウ。

レイラの異常な態度を心配した元デュエルギャング、チームサティスファクションのメンバーは連絡し合ったわけでもないのに全員集合していた。

「貴様がそんなものを持っていたのが悪いのだろう。」

「ゆーせー、さり気なくジャックがオレのこといじめてくるんだけど。」

「ジャック、問題はそこじゃない。」

「そういう問題でもねーけどな。つーか、オレの話聞けって。」


いつものどこか緊張感のない状態になってきたのでクロウがしめ直す。


「問題なのはレイラが誰の分どんだけ作って待ってたか、ってとこだ。」

「クロウの話じゃ全くもらえてないやつにだけ渡す予定だったってことか?」

「それにしてはずいぶんと大きな荷物だったが…。」

「お前やクロウが玉砕する可能性も考えてたんじゃねーか?…ま、例年大抵オレはレイラの救済のみだけどな。」

ジャック抜きで行われる論議。
だが、興味なし、というよりはどうしていいかわからないといった風だ。


「ともかく、ここで考えて手も仕方ない。レイラに連絡入れて、会いにいこうぜ。」

「だが、電話に出るだろうか。」

「そこだよな、一番の問題。」

頭を抱えるクロウと遊星。
そこにまさかの爆弾が落ちる。

「だったら家直接行った方が早くないか?」

「「「!!?」」」

「…え?何、その反応?」

なんかおかしなこと言ったか?と聞き返す鬼柳。

「いや、なんでお前がレイラの家知ってんだよっ!」

「んー、なんかのとき夜遅いから、って家の前まで送ったことあったからだけど。」

「とにかく会いに行ってみよう。鬼柳の言うことが本当ならば今頃泣いているんだろう?」

「だな。」

そこでやっと今まで黙っていたジャックが口を開いた。

「ただ会いに、というわけにもいくまい。だがー」


レイラの機嫌を直すためにも、と提案された作戦はスムーズにレイラに会うためにも必要だろう。

こうして男子メンバーによって作戦は実行された。





「そう、だよね。あれから何年経ってるんだよ、って話だよ。」

レイラは鬼柳の想像通りに泣いていた。
そしてそれが結論だった。


チームが解散して4年あまり。
今までほとんど会わなかったということもある。人間関係が変わっていない方がおかしい、と。


「最終的に、今年も作りすぎちゃったわけだ。」

レイラだって昔は知り合いみんなに渡していたのだが、本命とのあまりの態度の差に空しい思いをしたこともある。
ここしばらくそんなことしていなかったのに張り切ったのはかつての仲間達に再会できたからだ。

そんなとき
ふとなった玄関ベル。

ドアの向こうから聞こえたのはその仲間達の声だった。
渋ってもよかったが、会いにきた、というのだからと仕方なく応対することにした。


「やっぱりな。レイラ、目真っ赤。」

「うるさい。構わないでよ。」

「なんでそんなに機嫌悪いんだよ。」

「ほっといて。」


鬼柳とクロウの問いに短く返し追い返そうとする。


「まぁ、そんなこと言わないで機嫌直してくれって、な?」

これやるから、と取り出したのはチョコレート。

「いわゆる逆チョコってやつ?甘いもの好きだろ?」

静かにコクンと頷くレイラ。

「今年はよこさねーとか、そういうのはなし。これでも毎年楽しみにしてるんだぜ?」

くしゃくしゃっとレイラの頭を撫でる。
普段なら嫌がるのだが、今日は怒らなかった。

甘い匂いのせいか、チョコレートのおかげか。



そして、そこで謎が1つ。
気になって仕方ないと切り込んだクロウ。

「で、レイラ。何、この甘い匂い。」

「…やけっぱちガトーショコラですが何か?。」

「余ってるのにさらに作ってんのかよ。」

「んじゃ、せっかくだしもらってこうぜ。」

「なんで男子4人も家あげないと、なの?!」


侵入禁止っ!と入口をふさぐレイラだが、鬼柳のに力ずくで抱き抱えられて退かされてしまう。


「勝手に入るのはさすがにマズくね?」

「別にいいよな?」

「…片付けてないからね。」



その後は昔のように盛り上がったのだとか。

たまには、チョコレート会社に踊らされてみるのも悪くない。





追記
あとがき
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未来の王者(キング) ジャック・アトラス先生のデュエル講座


サテライトのとある廃ビル。
ここは彼女達、デュエルギャングのアジトであった。

「あーもー、あいつ次は絶対泣かす!」

そう叫んだ彼女の名前はレイラ・マリナス。
このチームのおてんばすぎる紅一点である。

泣かせたい相手、それはこのチームのリーダーで彼女の幼馴染の鬼柳京介。
まぁ、確かに彼の実力は一級品なのだから勝てないのは仕方ないと言えば仕方ない。

だがしかし、それで終わらないのが彼女、レイラである。
次は絶対勝つために、チームメイトのジャック・アトラスのもとに戦略のなんたるかを教わりに行くのだった。


「と、言うわけなんだけど。」

「まぁいいだろう。」

実は自分のところに一番にやってきたため実力を認められてるような気がしてご満悦なジャックなのだが、それは秘密である。

「別に京介メタってわけじゃなくて、単純に実力上げたいんだ。デッキが悪いのかな?」

「一口にデッキと言ってもいろいろあるからな。どんなものにしたいかはお前次第だ。」

「例えば?」

「立ち回り方で言うならば、ビート、バーン、ロックなど。エースの召喚方法の違いなどでシンクロ、儀式、融合、…カオスもそのうちか。」

「はーい、ジャック先生質問でーす!」

まるで学校の生徒のように手を挙げて質問するレイラ。
まぁ、そんなこと学校に通ったことないから全く知らずにやっているのだろうが。


「(先生って。) …何だ。」

レイラの乗りについていけず、若干困ったようにするジャックだったが、いつものことだと深く考えずにスルーすることにしたようだ。


「カオスって何?」

「墓地の光と闇属性のモンスターを除外することで召喚できるカオスモンスターを主軸としたデッキだ。」

「なるほど、ソーサラーとか使うやつね。」

「あぁ、だが他のカオスモンスターはほとんど禁止カード、ソーサラーですら準制限だ。カオスだけでやっていける実力はないな。」


ジャックすっごーい、とレイラからの感嘆の声。
キングを目指す彼としては当然のことだが、褒められて悪い気はしない。


「話勝手に戻すけど、あたしはブリュさまメインのデッキがいいな。」

「除去しながらのシンクロビートと言ったところか。だがそれだけというわけには行かん。」

「サポートっていうか、2番手とかでしょ?めんどくさいから適当にアドバンス召喚するよ。」

「だからお前は勝てんのだ。適当などでデッキがまわると思うな。」

「じゃあどうすればいいのさ?」


悪かったねバカでー、とレイラはむくれる。


「そこまでオレが考えてはもはやそれはお前のデッキではない。墓地を利用するもよし、ロックするでも構わん。」

「ロックはなんか合わないんだよなぁ…。いっそのこと儀式デッキとか使ってみたいなー、マジシャンオブブラックカオスとかゼラとかっ!」

「鬼柳といい、本当にお前たちは分かりやすい性格をしているな。」

「えっ、なんで?なんで京介と一緒なの?!」


その表情は心外だ、と言わんばかり。


「小細工なしのハイビートだろう。」

「属性違うもん。京介は闇一色だけど、あたし光と水の2色だもん。」

「大して変わらん。光属性を使うなら半上級のサイバードラゴンでも1枚入れて見たらどうだ。」

「なるほど、確かにそれはありか。隣にスーパースターいたらブリュさまの打点普通に超えるし、京介メタれるし。」

「作るのはメタデッキではないと言ったのは誰だ。」

「でもクロウにもささるし…、できたらいいなくらいにしとくか。」


なんとなくの方針を定めながらデッキとにらめっこを始める。


「後は好みの問題だろう。…どう考えてもお前のデッキが天使と魔法使いというのが納得いかんがな。」

「なんで?かわいいよ天使族。強いよ魔法使い。」

「そうか、採用理由は見た目の天使族か。」

「うん、別にいいでしょ?」

「だったらなぜさっきの儀式の話の時にゼラが出てきた。あれは悪魔族だ。」

「それくらい知ってるけど、ロマンじゃんっ!」

と言って目を輝かせる。
やはり本人は否定したが、鬼柳とは似た者同士だろう。


「…、見た目で選び天使なら、破滅の女神ルインでも入れたらどうだ。モンスターを戦闘破壊に成功したらもう一度攻撃できるぞ。」

「候補に入れとくね。 てか前々から思ってたんだけど、ジャックのデッキってレダメ様入れたらすごいことなりそうだよね!」

ドラゴンいっぱい!と楽しそうに言うが、レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンのカードなど見たこともないはずだ。

「そんなに簡単に手に入るカードではないだろう。ここをどこだと思っている。」

「そのうちあたし達の手によって制圧される予定の地、サテライトだよ。」

ニヤっと不適に笑うレイラ。
その顔はどう見てもうそぶいている顔ではない。やってみせる、そういったところだろう。

それにつられてか、笑うジャック。
このサテライトでどでかいことを成し遂げる。
それがこのチームの目標だ。

「確かにそうだな。…ならばお前がどれほどのデュエリストか、このオレが見てやろう。」

「わー、ジャック先生の特別課外授業だー。あんまり見えないからちょっとテンポ悪いけど、許してね。」

「本番はそんな悠長なことは言ってられんぞ。お前の実力、全てぶつけてこいっ!」





そんな2人をひっそりと覗く影。



「…なんかあいつら楽しそうだな。オレ達も混ぜろよな。」

なんだかつまらなそうにつぶやいたのはレイラの超えたい目標である、鬼柳。
少しアジトを離れている間に2人がデュエルしていたのがうらやましいようだ。

「それより、あの2人ってあんなに仲よかったか?」

ふとクロウがそういった。
確かにジャックは少しレイラが苦手なのだ。

「ジャック…楽しそうだな。」

「え、遊星、…。」

ジャックを見ている遊星の目がなんだか…、クロウには説明しがたいものだった。
幼馴染の幸せを願うこと、それは自体は別段おかしな話でもないのだが。


(ちょ、お前ら、それはねーだろ。wwww)

1人そのやり取りを見て笑いをこらえている鬼柳。
どうやらツボに入ってしまったようだ。

「??」

もちろん鬼柳が笑ってる理由が分からない遊星なのであった。
 


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レイラちゃんの復讐劇、決着編


昔の仲間たち、

こんな言い方をしたらそのうちの一人不動遊星あたりは今でも仲間だ、と言ってくれそうなものだがそれはこの際置いておく。

彼らの協力を得て新しくデッキを組みなおすことにしたレイラは仲間の一人だった(誤解を生まないために先に言っておくが別に憎みあってたりするわけではない)クロウ・ホーガンへのリベンジを誓うのだった。


「えと…、とりあえずテーマ1色だとサーチ先に乏しいし、2色でいくか。」

「属性統一と言うだけでもだいぶまともになるだろうな。」

「悪かったね、今までカードの寄せ集めで。」


とあるカードショップ。
ジャックのコネ…というよりは人気で発売前のパックをフライングゲットしたレイラ。
悩みながらカード配分を考えている。
ちなみにリベンジ相手のクロウはただいま仕事中でここにはいない。


「とりあえずエースは3積み。リクルーターも3積みだな。」

「うん。チューナーこんだけで平気かな?」

「それはシンクロ主軸か、そうでないかによって変わるな。」

「うーん…、とりあえず入れとくか。」

「そうやってカードを詰め込むからデッキが崩壊するということがまだわからんのか。」

「もー、ジャックうるさーい!」


鬼柳、遊星、ジャックのアドバイスをもらいつつ組んでいく。
なかなか楽しい時間だ。
今あるカード達から無限の戦略を組み上げる、これぞデュエリストの真髄だろう。


「レベルをランクにすることはできても、ランクをレベルに戻せないんだよな。」

「あぁ、ある意味では邪魔になったグングニールの処理には困らないがな。」

「グングたんを邪魔とか不憫とかいうなー!」

「誰も不憫とは言ってないだろ。」

すかさずつっこむ鬼柳。
ランク7のエクシーズなんてよく使えるよ、とその後に続けた。


「しかし、これは厄介なデッキになりそうだ。」

「だよな、疑似グラビティバインドだしな。しかも効果無効効果付き、カタストル涙目だな。」

「自分のモンスターのレベルを下げて潜り抜ける方法か…。」

「やめてよ!対策考えるの早すぎだよ遊星!!」


早くもメタられそうな勢いに悲鳴を上げるレイラ。


「まぁ、対策はレイラのいないとこで練ることにして。とりあえずモンスターはそんなもんでいいんじゃないか?」

「後はバックカードか。こんな感じの予定かな。」


よいせ、と並べていく。
それを見てのみんなの反応。


「召喚カウンターが入っていないが。」
と遊星。

「サイクロンは必須だろう。」
とジャック。

「サルベージか貪欲は入れとけよ。」
と鬼柳。


「サイクロンは入れる!…あれどこやったっけ? その前にとりあえず激流葬っと。て言うかあたし貪欲もサルベも持ってないから!」

「持ってないのかよ。」

譲ってやるからちょっと待っとけ、そう言って鬼柳はカードを探し始める。
そこになぜ持ってる、とレイラのツッコミが入る。


「とりあえずサルベージ2枚はあったから入れとけよ。後は若干のパワー不足だけどその辺は装備カードサーチすればどうにかなるな。」

「一番いいのはクロウが完全に展開しきる前にこちらのペースにしてしまうことだな。レイラ、試しに回してみるか?相手になる。」

「遊星相手か…、お手柔らかにね。」




その日の夕方、帰ってきたクロウにレイラは開口一番こう告げた。


「おい、デュエルしろよ。」

「お前ってさ、オレにネタに走るな言っておきながら自分はよくやるよな。」

そんな鬼柳のツッコミはレイラに届いていないのは言うまでもなく。
ずいぶんと突拍子のない申し出に一瞬驚いたクロウだったが快諾した。


「いいぜ、今度は少しくらいは手加減してやるよ。」

「今までのレイラちゃんだと思うなよ!クロウが仕事言ってた間、友情と努力のターンは済ませたんだからな!」

「どこの3原則だよ。というかオレにツッコミやらせんな。」


またもや軽くスルーされたところで今回はクロウの先攻でデュエル開始。


「じゃあ、オレはこれでターンエンドな。」

「リバースカード2枚に裏守備モンスターか。」

なんとなく見えていなくても何が伏せられているのか分かる遊星、こればかりは付き合いの長さで知るものだろう。


「あたしのターン、ドロー! まずはブラックホール発動!面倒なモンスターを墓地送り!」

「ま、仕方ねぇか。」

「げ、ヴァーユだよ、本当に面倒だなぁ。」

裏守備モンスターはいなくなりリバースカードのみになったところで反撃開始。


「手札の海皇の竜騎隊と水精鱗‐アビスディーネを墓地に送って、水精鱗‐メガロアビスを特殊召喚!」

「ちょっと待てよ!水精鱗‐アビスディーネなんてカード聞いたことねーぞ!」

「うん、一週間ほどフラゲった。ジャックのおかげで。」


そりゃねーよ、そんなクロウの呟きはレイラにまたしても届かない。



「龍騎隊効果、デッキから深海のディーヴァちゃんを手札に加えて、召喚!ディーヴァちゃん効果で海皇の狙撃兵を特殊召喚!メガロアビス効果、ディーヴァちゃんをリリースしてこのターン2回バトルを行うよ。」

「なんか、やな予感しかしねーんだけど。」

ギリギリ残るよな、と場のモンスターの攻撃力の計算を始めるクロウ。
だがそうはいかないのがこの海皇水精鱗デッキだ。

「バトルフェイズに移行するよっ。メガロアビスで2回、狙撃兵でダイレクトアタック!!」

「くっ、やるじゃねーかレイラ。けどまだオレのライフは残ってるぜ。」

「まだなのはこっちだよ。狙撃兵効果、相手ライフに戦闘ダメージを与えたときデッキからレベル4以下の海皇と名のつくモンスターを特殊召喚するよ。2枚目の海皇の龍騎隊召喚、そしてダイレクトアタック!!」

2800×2+1400+1800=8000
これで終わりだ。
レイラの手によって後攻ワンキル返しというまたなんともすごいことをしたのであった。


「オイオイマジかよ…。全然違うデッキで分からないって言ってもこれはキツイな。」

「どうだ、もうレイラちゃんをバカにすんなよっ!」

「もともとしてねーよ。…けど、強くなったな!オレのデッキもまだまだ改良の余地がありそうだぜっ。」


こうして、レイラの復讐劇は終わった。
大体的な彼女のデッキの改良の末に。


「じゃ今度はオレとやろうぜ、満足させてくれよなっ。」

「お前も好きだなー。まぁ、新しいデッキは回数回して自分のものにするっきゃないからちょうどいいけどね!」



追記
あとがき
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レイラちゃんの復讐劇、準備編

 


前回、クロウにコテンパンどころかぐうの音も出ないほどにやられてしまったレイラ。
彼女はその場では泣いていた程度のものだったが、デュエリストとしてのプライドと言うものくらいは持ち合わせている。

「…。そうだよなぁ、あたしのデッキ随分前から改良してないもんな。つか、お金ないや。」



特に定職についているわけでもなくふらふらと日銭を稼ぐ程度のことしかしてない彼女に大量出費はきつかった。



「…、しょうがない。最終手段だな。」

そう言って彼女はとある場所に走りだした。

彼女のついた先、それはかつての仲間たちのところだった。



(どーせかまってちゃんの京介も待ってれば来るだろ。)



軽く幼馴染に心の中でひどいセリフを投げつける。
そしてその予想は見事的中した。



「キョースケーっ、やーい!」

「ん?どうしたレイラ。」

「ちょっとその場でハネてみて。」

「え?意味がわ「いいから跳べよ。」



一昔前のチンピラかよ…、そう言いながらもレイラの幼馴染である鬼柳京介はそれに従った。




チャリーン




「まったく、直にポケットに小銭とか。ちゃんとお財布に入れなよねー。」

そう言いながらそのコインを自分の懐に入れるレイラ。
もちろん許されるわけはなく。

「おい、何さりげなく自分のものにしようとしてんだ!人のもの盗ったら泥棒だろ?!」

「いやー! いいじゃん、ちょっとだけー!!」



「そういう問題じゃねーだろ!」



力ずく、そうなったときにレイラはうぅ、と言いながらうずくまった。
その目にはうっすらと涙が浮かんでいるようだ。



「分かったよ、ちゃんと返すよ…。でも、収入ないあたしは新しいカードなんて買えないからこのままずっと弱小デュエリストのままなんだよね。みんなと同じチームいたけどさ、あの頃からずっと思ってたんだ、自分が足手まといのお荷物だってことくらい、分かってたよ。ただあたしは京介の幼馴染だから人数合わせとしていただけだってことくらい知ってたもん。」



「いや、別にお前のこと足手まといなんてオレは思ったことねーし、あいつらもだってそんな風には考えてないだろ。ただ幼馴染だからチームに入れたわけでもない。…分かったらその下手な芝居をさっさとやめるんだな。」



「……、いつウソ泣きだって分かったのさ。」



案外ケロリとした様子で顔を上げたレイラ。



「お前がオレの前で泣くわけないだろ。付き合い長いからそれくらい分かる。」



「ちぇー、おこづかいせびろうと思ったのになー。」



むー、とむくれたレイラはどうしようかな…、とか呟いているところを見ると金銭の工面を考えているのだろう。
それを見ていた鬼柳はしょうがねーやつ、と返した。



「まぁそういうことなら少しくらいは投資してやってもいいけどな。」



「…、ホント!?」



「本当。けど投資だからな、条件2つ。」



「何?」



少し不安そうな顔をするレイラ。
何を要求されるかが全く見当がつかないのだろう。



「1つ目、ちゃんとデッキ強化のために使えよ。」



「さすがにそこまでタチの悪いレイラちゃんじゃないよ。」



あたしってそこまで日頃の行い悪いかな、と軽くへこむ。
その様子を見ながらさらに続ける。



「2つ目、どんなマグレでもいいから、二度とこんな都合よくデッキまわらないって状況でも構わない。」



そこで少し含みを持たせ、レイラと視線を合わせた鬼柳。
突然のことにレイラは小首をかしげる。



「…、絶対クロウから一勝とれ。お前、それが悔しくて仕方なかったんだろ?」



それがオレの出す条件な、としめる。




「……京介…。」



「お、だいぶ涙腺キテんなっ。」



「うっさい黙れ!一瞬でもお前をいいやつだと思ったあたしがバカだった!!」



感動のワンシーン…、かと思いきやのいつもの展開。




「で、どうするんだ?」



「一回、いや、何回でもクロウのやつ泣かしてやる!」



相変わらずいい性格してるな、そんな苦笑いを浮かべながらレイラに軍資金を手渡した。



「サンキュー…。 この代金はそのうち返すわ…、体で。」

「いや、そこは労働で、って言えよ。ちなみになに買うんだ?」



強謙とか?という鬼柳にレイラは即効でネタに走ってんじゃねーよ、とツッコミを入れる。



「うーん…、これとは決まってないんだけど大規模改造しようと思っててさ。」



「じゃあ1から組み直しでもすればいいんじゃないか? 最近女子の人口増やそうとしてるのかかわいいカード多いし。あ、そうだ。お前もテーマデッキ組もうぜ、その方が絶対強いって。」



「インフェルみたいのは勘弁だけど、1つ気になってるのはあるんだよね。」



こないだ出たあれ、と言うレイラ。



「なるほどな。レイラらしくていいと思うぜ。しかもあのデッキ、組み方によってはBFなんて目じゃないくらい強くなるだろ。」



ちょっと面白そうだな、なんて子供のように笑う鬼柳。
やはり彼は生粋のデュエリストなのだろう。



「…よし、やっぱりあれで組もう!」



「がんばれよ。…そう言えばお前のシンクロ先ってパワー不足感あるからウォーターワールドでも探してやろうか?」



「別にいいよ、いろいろ効果使ったりできるし、エクシーズして満足するから。それじゃ!」



そこでニヤっ、と笑うレイラ。
いわゆるドヤ顔だ。



「…………そうかよ。」



何でそこでオレの口癖マネるんだよ、そんなつぶやきは走り去って行ったレイラの耳には届いていないだろう。


 


その後、すぐにレイラは戦略を教わるために別の人物を尋ねた。



「ねぇジャック、今ヒマならお願いがあるんだけど。」



前キング、ジャック・アトラス。
レイラの知る中では一番戦略で勝ち抜いているデュエリストだろう。



「貴様にしてはらしくない頼み方だな。いいだろう、何の用だ。」



「ジャックはキングだったんだから強かったんだよね?」



「なぜ過去形にする?!今でも貴様より強いに決まっているだろう!」



「じゃあさ、クロウに勝つにはどうしたらいいと思う?っていうかちょっと今のデッキ見てよ。」



「デッキはデュエリストの魂、そう簡単に人に見せてよいものではない。…だがしかし、あの敗北の後だ、少しは協力してやろう。」



そう言ってレイラの差し出したデッキを見ていくジャック。
その表情は徐々に険しくなっていった。



「レイラ、貴様本当にデュエリストか、オレ達と共にサテライトを制圧したチームメンバーか。」



「とりあえずは、あんまり貢献はしてないけどね。」



そこでジャックは軽くため息をつきその後を続ける。



「この際だ、ハッキリ言ってやろう。………………これはデッキではない、ただのカードの寄せ集めだ!」


「え、……そんなにヤバい?」



さすがにそこまで言われることは予測していなかったようだ。
レイラはポカーンとした表情を浮かべている。



「どんなによい効果をもったカードでもそれを生かせなければ意味はない。1から作り直すんだな。」



「まぁ、そのつもりだったけど。参考までにどんなところがこのデッキまずいの?」



聞いとかないとまた同じ間違いかも、とレイラはつぶやいた。



「まずはカードの枚数だ、基本的には40枚にしておけ。そのうちモンスター20、魔法10、罠10の比率が一番バランスがいいだろう。後は種族や属性で統一してみるのも悪くない。」



「なるほど、だからジャックのデッキは下級悪魔族と上級ドラゴン族なのか。ありがとう元キング!!」



「誰が“元”キングだっ!!」




最後にあからさまに毒気のある言葉を残してレイラは消えていった。
もう1人、最後の協力者の下へとレイラはガレージに向かった。



「ねぇねぇ遊星、今ヒマだったりする?」



「あぁ、丁度一段落したところだ。」



最後の協力者、不動遊星。
レイラの仲間の中で一番腕のいい、現デュエルキングだ。
とはいえど、彼が昔のジャックのようにキングらしいことをしているのは見たことがないが。



「実は今ね、強いデッキを作るのに足りないものを探してるんだ。」



「……。よかったら余っているカードを譲ろうか?」



「えっ!いいの、ありがとう!!」



それくらいしかできないが、と控え目に続ける遊星に大喜びのレイラ。
あくまで足りない知識などを聞きに来たつもりだったので思わぬ収穫だ。



「じゃあ、ついてきてくれないか?」



ガレージを離れ母屋に向かう、行先は彼の部屋。




「と、言うわけで、遊星のお部屋初公開っ!」



「レイラ、いったい誰に話しているんだ?」



「全国の液晶画面の向こうの乙女達に。」



(液晶画面の向こう側…、パソコンの画面の奥は配線しかないが…。)



さすがメカニック、設計図の話ではないのだがそうなってしまうのが彼の性だろう。




「とにもかくにも、おじゃましまーす。」



「どんなデッキにするかは考えているのか?」



「うん、出たばっかりのなんだけど使いたいテーマがあるんだ。」



氷結界も水属性だしね、と続けるレイラ。



「そうか、悪くないと思う。それならこのあたりのカードが有用だろう。」



「ありがとう、本当にありがと!…、後ついでにちょっとやりたいことあるんだけどいい?」



お願いっ!と手を合わせ懇願する。



「? 構わないが。」



やったね!そう叫びながらレイラがとった行動。
ぼふっ、と飛び込んだ先は。



「遊星のベッドー。えへへー。」



「レイラ眠いのか?疲れているならきちんと休んだ方がいい。無茶はよくない。」

「違うって、別に眠くないし疲れてもないから。無茶はむしろ遊星の方がしてるくらいだよ。」



天然だなー、そんなことを言いながら勝手に人のベッドで転がるレイラ、半分ほどは変質者である。
そこに来客が1人。



「オレの前には鬼柳、後には遊星とは、貴様も忙しいやつだな。」



「どしたのジャック?もう十分王者のデュエル講座は聞いたよ。」



「貴様に手を貸してやろうと思い鬼柳から詳しい話を聞き来てやったんだ。」



「あれ?ジャックがかなり協力的。」



「ふん、あそこまでの大敗だ。情けをかける以外どうしろと言うんだ。」



「ぶっちゃけクロウがチートなんじゃないかと思い始めたよ。」



「新規テーマで組むんだろう?今度出るパックでさらに強化されると聞いている。」



待つのか?そう聞いてきた遊星にレイラは悩む。
そしてそれを一蹴するジャック。



「オレの手にかかれば発売前のパックを手に入れることなどたやすいがな。」



「すっごーい!さすが子供と全国の乙女達に大人気だった元キング、ジャック・アトラス!!」



「だから元キングと呼ぶなと言ってるだろうっ!」



「…今のは純粋に褒めたんだけどなー。」



日頃の行いが悪いのか、としょげる。
その後に何かに気づいた遊星が続ける。



「で、ジャックの持っているそれは?」



「あぁ、このあたりのカードならあのテーマとも相性がいいだろうと思ってな。貴様にくれてやる。」



「ちょっと上から目線なのがあれだけど、ありがとー! …何これ、効果もいいけどかわいいぞ。」



「今のデッキを見る限り、モンスターの見た目にもこだわっているようだからな。」



「さすがジャックだな。」



「それはどういう意味だ遊星。」



少し怪訝そうな顔をするジャックに遊星はこう言った。



「真のキングは相手の数手先を読むんだろう?」



「遊星………。」



「…おジャマ虫はここで退散しまーす。末永くお幸せにー。」



「?」 「なぜそうなる?!」



レイラのセリフの真意の分からない遊星と誤解に憤るジャック。



レイラのクロウへの逆襲はここから始まるのだった。


 


 


追記
あとがき
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サティスにはガチ勢が2人ほどいると思うんだ


「もうクロウなんて大っきらい!顔も見たくない!!」

「え、おい、ちょ…待てよ!」


それはレイラが久々に元チームメンバーと出会った日に起こった事件の話。


「さすがにやりすぎだ。」

「貴様は限度というものを知らんのか。」

「けどよ、全力でやらないと相手に失礼だろ。」

「ん?どうしたお前ら。」

「キョースケ〜〜!!!」



レイラは遅れてやってきた幼馴染に抱きつ…いや、泣きついた。



「何があったんだよ、強気の塊のレイラ泣かすなんて。」

自分の腕の中で泣いているレイラにどうしたんだ?と聞くが、何かわめいてるだけで何もわからない。



「実はクロウとレイラでデュエルしていたんだが…。」

「あぁ、ワンキルでも決めたのか。」

「その通りだ。」

「そんな事だろうと思ったけどな。」

やれやれ、とあきれ気味の鬼柳は詳しく聞かせてくれ、と2人に言った。



「レイラはモンスターとセット、リバースカードを3枚でターンエンドした。」

「そしてクロウは旋風発動、シロッコ効果通常召喚、旋風効果ブラストサーチ、効果ブラスト特殊召喚、効果ゲイル特殊召喚。ここで手札からアンチリバース発動。」

「あぁ、全部伏せカードやられたか。手札からトラップとかインチキも大概にしろよな。」

「インチキじゃねぇ!!」

反論するクロウ。
遊星は淡々と説明を続ける。



「愚かな埋葬発動ゼピュロスを墓地へ、ゼピュロス効果ブラストバウンスでゼピュロス特殊召喚、再び効果ブラスト召喚、シロッコ効果でブラストに攻撃力集約。」

「バトルフェイズにカルート効果でさらに攻撃力をあげ、伏せてあった守備力0のモンスターに貫通8000ダメージだ。」

遊星の解説を途中でジャックが引き継ぎ、ようやく全貌が見えた。 




「そりゃヒドイな、…お前の手札が。」

「京介のバカー!」

「召喚カウンター入れてないのかよ。」

「入ってるもん、でも初手は攻撃カウンターしか来なかったんだもん。」


うー、とうなる(?)レイラに鬼柳はこんな提案をした。

「じゃあオレがお前の仇とってやるよ。でもただ俺が勝ってもお前の気が晴れないだろうからブリューナクとトリシューラ貸してくれよ。」

「うん、分かった。いいよ。」


すっと、レイラは自分のデッキのエースを渡す。


「それじゃあ今度はオレとデュエルだクロウ。満足させてくれよな。」

「いいぜ、相手になってやるよ!」


泣きやんだレイラはカフェオレ飲みたい、と呟きどこかへ行った。
きっと台所へ行ったのだろう。



「どうなってる?」

「あぁ、今のところはどちらが優勢とも言えない。」

「ブリューナクがいる分、鬼柳の方が有利かもしれんな。」


まだそれほど勝負は動いていないようだ。
ここでクロウはターンを終了した。


「オレのターン、ドロー。インフェルニティ・ミラージュ召喚。ミラージュ効果ネクロマンサー2体蘇生、ネクロマンサー効果リベンジャー蘇生、ネクロマンサー効果デーモン蘇生、効果インフェルニティ・ブレイクをサーチしてリバースカードセット。」

ここで一呼吸置くのはもちろん意味がある。

「漆黒の帳下りし時、冥府の瞳は開かれる。舞い降りろ闇よ!シンクロ召喚!出でよ、ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン!」 

(なんでみんな前口上読むかな…。)

「ワンハンドラゴン効果ミラージュ除外でネクロマンサー2体蘇生、ネクロマンサー効果デーモン蘇生、デーモン効果ビートルサーチ。インフェルニティ・ネクロマンサー2体でオーバーレイ、エクシーズ召喚、虚空海竜リヴァイエール!リヴァイエール効果発動、ミラージュ帰還、ブリューナク効果ビートルコストでリヴァイエールをデッキに戻すぜ。ネクロマンサー効果でビートル蘇生。」

「なんか魔法の呪文みたいでよくわかんなくなってきた。」

「仕方ない、インフェルニティはそういうデッキだ。」

もはやレイラはよく理解できていないようだ。

「インフェルニティ・ネクロマンサー、デーモンにビートルをチューニング、破壊神より放たれし聖なる槍よ、今こそ魔の都を貫け!シンクロ召喚!氷結界の龍・トリシューラ!」

「ホントに人のエースカードの前口上考えてたのかこいつ。」

若干あきれるレイラ、だが内心、自分のエースでクロウをやっつけてほしいとも思っている。

「まずはトリシューラの効果処理からだな、墓地のヴァーユ、フィールドのアーマード、それから手札1枚除外させてもらうぜ。」

「トリシューラの嫌なところってそれだよな…。」

「悪いがまだ続くぜ、ミラージュ効果ネクロマンサー2体蘇生、ネクロマンサー効果デーモン蘇生、デーモン効果サーチ、ブリューナク効果手札捨てトリシューラバウンス 。」

「え、トリシュ様戻しちゃうの?!」

「ネクロマンサー効果リベンジャー蘇生。」
 


「もう一回シンクロ、あ、2回目だから前口上省くな。ワンハンドラゴン。ワンハンドラゴン効果ミラージュ除外、ネクロマンサーとデーモン蘇生、デーモンでバリアサーチでリバースカードセット。ネクロマンサー効果デーモン蘇生、…適当にサーチでいいよな。」

「おい、投げやりになってんなよ。」


やってる本人もだいぶ大雑把になってきた。
 


「インフェルニティ・デーモン2体でエクシーズ召喚、ダイガスタ・エメラル。エメラル効果ワンハンドラゴン3枚戻して1ドロー。ネクロマンサー2体でエクシーズ召喚、もう一回リヴァイエール、効果ミラージュ帰還。さっき適当ににサーチしたカードとエメラル効果のドローカード切ってリヴァイエールとエメラル戻すな。」

「これで鬼柳の場にはブリューナクとインフェルニティ・ミラージュの2体か。」

「そういえばジャック、この状態、このターンの始めもそうじゃなかったか?」

「!!!」


遊星の冷静な指摘に驚くジャックと嫌な予感しかしないクロウ。


「なんだ、気づくの速かったな。さすが遊星ってとこか。ってわけだレイラ、このままトリシューラループさせてクロウの場除外しまくってやるよ。」

「やれやれー!!クロたんやっつけろー!」

「…勝てる気がしねぇ。」

「おいおいどうしたクロウ、オレはまだ満足してないぜ?」

「そんな凶悪なループコンボ、相手にできるわけねーだろ!」



こうして今回の事件は幕を閉じた。





追記よりあとがき
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