その人は、病室の空虚な程に真っ白な空間に溶けてしまいそうな程、儚げな人だった。

ベッドの傍らには、彼女を慈しむように、柔らかく微笑む土方の姿

俺の知らない男がそこに存在していた




俺は、彼女から頼まれていた煎餅を看護婦に渡し、その場を後にした。

二人が醸し出す調和と言う空気の中に、入りこめるわけがなかった


俺を好きだと言ったその唇で、お前は彼女に愛を囁くの?


感情と言う形のないものに痛覚があるのだとしたら、胸の奥が、ジクジクと痛みを訴えているような気がした。
















ミツバ編でもがもがする銀時を書きたいかもしれない←かもしれない運転(笑)