スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

私の体のファーストレディ

テステス....
テステステス.....

.........

大丈夫?繋がってる?

ここだけまだ、まだまだ未だ
依然として平成なんてことない?







っっぶねーーー
ほんと、ちょっと目を離した隙に令和。


「トイレいってくるー」
なんて軽く席離したら元号変わってるから。
ランチタイムからディナータイムへ、くらいの華麗なる変身。バタフライからの背泳ぎからの平泳ぎ。国を挙げてのメドレー。
こちとら27年間個人競技だっていうのに。


でもね、正直新たな元号とかコロナとか全然消化が追いつかないわけです。
最近やっとぴえんって言葉を覚えたばっかなわけよ。
ぴえん超えてぱおんとかね。差が分からない。
己の髪が伸びたのかどうかがかろうじて分かるぐらいなのに。脳が忙しい。


そんなこんなで令和がレッツスターティンしてから、
内視鏡検査的なものを受ける機会があってね。事前検査もあるんで数日かかるから、週末使ってやりましょうと。

これまで人様に見せたことのない食道からの体内を、ついに披露する時がきたわけですよ。

少し見方を変えれば、初夜です。
27歳女子。独身。満を持しての内視鏡。




んでまあ、施術にあたり点滴を要したんだけど、


あたし、血管があまり見当たらないらしくて、
看護師さんがまじまじと見るんだけどさ、
探せど探せど辿り着けなくて。

三千里訪ねてくれても、一向にない。
ないっていうか、見えない。
もうね、ウォーリーかよって。

ちなみに、腕の折れ曲がるところにならあるっぽかったんだけどさ、

そこに打つイコール
常に腕をぴーんとしてなきゃいけないのよね。
平時でさえちょっとは折れてんのに。
それはさ、しんどいよねってことでそこを避けてのルート探し、血管尋ねて三千里になったわけなんだけど、


ほんともう、腕を伸ばしたり叩いたり光当てたりあの手この手で見つけようとするも、皆無。

疎開した?ってくらい綺麗にね、気配がない。
多分血管もソーシャルディスタンス保ってたんだと思う。
小池さんに密を避けろと言われてたもんだから、自粛自粛ー!っつって。


最初に担当した看護師さんが自分じゃダメだー
って代わりの人を呼んできて、
その人もダメだーっ
て代わりの人を呼んで、
その人もダメだーっ

ってのを5回くらい繰り返して、
最終的に最初の人に戻っちゃって。

皆さん「あちゃー!」みたいに退散していくけど、担当さんからしたら全然笑えなかったと思う。
それなのに終始優しさで溢れてて、
きっと前世はマザーテレサ。きっとテレサ。
マリオに出てこない方のテレサ。

あたしだったら
え?お前まだ針入ってねーの?
何してんの?肌が鎖国なの?
って絶対思う。7回くらい思う。

ていうかさすがに3人目くらいから多分あだ名ついてたと思う。
逃走中、とか。
あいつの血管まじ追えない。まじ逃げる。って。
番組だったら賞金王ですよほんと。


そんで、
どーにもこーにもお手上げだからってんで、
しかも週末で休みで人も少ないっていう状況も相まって、

先生を呼ぼうってなったわけなのね。
内科医の方を。

「滅多なことじゃないと呼べないんですけど呼びますね。ほんと滅多なことじゃないと怖くてあれなんですけど。」

って、


ええええ

いいの?
先生を召喚する理由が逃走中のあたしの血管でいいの?
ほんとただの恥ずかしがり屋の血管なだけなんだけど、

吐血とかした方がよかったりする?
別な理由も添えた方がいい?
だって社長がテレアポするみたいなもんじゃない??

なんてちょっとそわそわしつつも、
まぁまぁパパッとぶっ刺してもらおうとね、大人しく来てくれた先生に身も心も預けてたんです。
軽くトイレ行きたいなーなんて思いながら。


で、滅多なことじゃ呼べない先生がきてくれたわけなんですけど、






もーーーね、
待てど暮らせど針と血管が巡り合わないの。
もしかして未来で待ってない?くらい落ち合えない。
時かけてない?
まことー。って。

先生も4回目辺りから「なんでだろう?」って疑問持ち始めちゃったしで、負けられない戦いムード全開。

もう誰か第三者を悪者にしたくて

「ほんっとこの血管の野郎がねー
悪いですよねー苦笑」って

2人の間の雰囲気を和ませようと必死で血管をdisってみたけど、
主あたしじゃんよー。
笑えねー。


それでも何回か惜しい時があって、
血管には刺さるんだけど血が返ってこないとか、
刺さったし返ってもくるけど痛いとか、
思わせぶりが半端ない。
夜の蝶かな?って振る舞いを、医療の現場で出してきやがる。


かれこれ40分くらい経った辺りかな。
先生も疲れてきてるけど、あたしの両腕も上腕から手首にかけていい感じなくたびれ方になってきて
全国公演最終日のドラマーみたいな焦燥感、よく出てたと思う。


したら先生がちょっと待っててくださいねってどっか行ったのね。
まあこんだけミスれば道具も減るわなーって思って待ってたんだけど、

帰ってくる先生の足音にプラスして聞こえるのよね、ガーラガーラって。


そんなゴツい音する器具台ございましたっけ?



お待たせしましたー

って帰ってきた先生の横に、まさかのエコー。
あの腹部とか見る時のエコー。


え?あたし点滴の針刺してもらってるんだよね?って2秒くらい真剣に考えた。
もしかして知らぬ間に違う処置になってない?って。

いやね、エコー自体は健康診断の時とか何度もお世話になってるから見慣れてはいるんだけども、それは婦人科とか腹部の検査の場合であって、注射打つ場面で出くわしたことはないのよ。
気軽にうどん食べたいって言ったら製麺から始めてくれたくらいの展開。気合が違う。


そんでいつも通り(?)エコーにジェル塗って、腕を見てもらってね。
あたしも一緒に画面見ながら、
「あ、ここにいますねー。元気なのがいます。」
「ほんとですか?真ん中のですか?」って。


なんだろう、
会話的には完全に胎児を確認する医者と妊婦。

大丈夫?それ使い方合ってる?




かれこれ針を刺し始めてから1時間弱。

もうそろ、もうそろキメないといけない。
みたいな雰囲気が2人の間に漂い始めてる。
なんならエコー出してきた手前、先生も後がない。
あたしの腕も腕で刺せる箇所が残り本当にない。

最初看護師さんが冗談で
「足も見る限りあんまないので、最悪首からですかね(苦笑)」

って発言が現実になってしまう。





さすがに、さすがに首は嫌だ。


首に刺されることが嫌というよりも、
そこまでしなきゃいけない手のかかる体ということが嫌だ。

まあもう、大分手はかかってるんだけどさ。
わがままボディかよって。



メンタル的にも物理的にもスリーアウト満塁。ケンシロウから言わせればお前はもう死んでいる状態。



先生がエコー当てながら

「いきます」

ってアムロみたいに言った。
キメようとしてきてる。



あたしもその気合にお応えしなきゃいけないと思ってね。

血管頼むぞーっ。って。
逃げんなよー空気読めよーまじで。
そろそろトイレ行かせろー。
もう膀胱ばっか空気読んでるからーって。

はたらく細胞があたしの体で実写化されたら間違いなくパワハラだと訴えるくらいには、圧かけた。


最後の勝負に選んだのは、左腕。
エコー見ながら先生が凄く褒めてた血管。
なんならそこしか褒められる血管がなかったと言っても過言ではないけど。

まさに、祈りながらって表現がぴったりだったと思う。
気のせいかな、先生、少し呼吸がラマーズ法っぽくなってた。

どんだけ刺されても慣れない、
チクッとした痛みのあと、

先生がこれまで見たこともないようなテンションで
 

先「っっ..きた!!!!!」


?!

キターーー!!
キタっぽいーーー!

先「これは逃せない!力抜いてください。
これは大丈夫だ!痛くないですか?
これはいける!」


って、歓喜と冷静な確認をテンポよく繰り返す先生に、大縄に入るみたいにタイミング図りつつ、

「はい!大丈夫です!はい!」

って元気よく応えた。
思い返すと、7割ぐらいトイレ行けるって嬉しさ混じってたと思う。




開始から1時間弱



お互い
「お疲れ様でした。本当に。」


と、倒置法を織り交ぜながら挨拶し、
先生は本来の居場所に戻っていった。
あの疲れきった背中は向こう3年くらい忘れないと思う。




終わった。

長い戦いが終わった。

体は正直っていうくせに、全然正直じゃない。
ひん曲がってる。知恵の輪くらいひん曲がってる。








そんなこんなでようやっとトイレにも行けてめでたしめでたしー
って思ってたんだけど、
その後看護師さんやお医者さんの間で

「エコー出してまでとった血管だから絶対ルート殺すな」
ってお達しが出てたみたいで、





「もう、できれば動かさず、大事に。
できれば伸ばして、」




「あとほんと、できれば、
点滴が終わるまでご無事に。。」




って、左腕をドラクエのいのちだいじにって作戦くらい丁寧に扱ってくれたので、
今度から一番だいじなものは?って質問には
左腕って答えようと思います。
前の記事へ 次の記事へ