ギアナくんが死んでしまった。
約6年間一緒だった。
実は心の支えでした。
辛いときも楽しいことがあったときもよく眺めてました。
今、何かが抜け落ちたような
心にぽっかり穴があいたような
そんな気がします……
死因はサーモスタットの故障(?)。
サーモスタットというのは自動温度調節装置で、
これがないと熱を制御できず熱くなりすぎてもヒーターがストップしないので、水温がとんでもない高温になってしまいます。
朝起きたらもう片付けられて水槽はからっぽで、ガラスの表面が熱かったです。
6年前と同じだ……
6年前、ギアナくんを飼う前にも同じ熱帯魚を3年飼ってたんですけど(オスカーくんといいます)、
新しく買ったヒーターがサーモスタット付きじゃなかったので同じように水温が上がって死にました。
逆さまになって、沈んで白っぽくなっていました。
未だに目に焼き付いて忘れられない光景です。
今回は見てませんが普通に浮いてたんだとか。
普通は死んだら浮きますからね…
前回のほうがよっぽど熱かったようです。
あのときは私はまだ小学生でした。
母と弟と一緒に淀川沿いの桜並木の根元に埋葬しに行きました。
ボロ泣きしながら掘って埋めたなぁ…
それから自分で作った数珠で祈った。数珠といっても糸にプラバンにオスカーくんの絵を描いたものとビーズを通したものなんですけど。
今日の朝母親がそれを引き出しから出してくるまでその存在すら忘れてました…どうしてこんな大事なものを忘れていたんだろう。
そして今日は一人で埋葬してきました。
家には弟しかいなかったのですが奴ときたらゲームしながら「行かない」と言ったもので。
いい年こいて6年前と同じようにボロ泣きしながら掘って埋めました。
犬や猫ならまだしも魚ごときが死んだぐらいで泣くなんて…と思うかもですが、私にとってはそれぐらい大事な存在だった。
前回埋めたとこの近くの桜の木の根元に埋めました。一人だったから掘るのが大変だった。なんせギアナくんは全長30センチもあるので…
泣きながら掘って、くるんである新聞を開いて、死んだあとのギアナくんを始めて見ました。触ったらごつごつしてすごく痩せてた。ずっと病気がちだったからだと思うんですけど。餌はちゃんと食べてたので。
ずっと前からエロモナス症という様々な他の病気を引き起こす不治と言われる病気にかかってしまい、最近はいくつもの病気にかかっていて、頻繁に掃除して薬を入れても悪化するばかりでした。まだ末期ではないので食欲もあるし元気でしたが、最近は寝てばかりで体の色も色あせて、どちらにせよ先は長くなかったと思います。
思えばオスカーが死んだときもそうでした。
外見に変化はありませんでしたが、餌を食べなくなっていました。もう先は長くないだろう、というときにサーモスタットがなかったせいで突然死んでしまった。
ギアナくんの場合は、つい昨日父親が水槽の掃除をするまでサーモスタットは正常に作動していたので、原因は故障だと思うんですが…どうして突然故障したのか。
でも、今後病気が悪化して、今は元気でもそのうち苦しみながら死んでいくのだから、それよりは一晩で終わってしまえてよかったのではないか。2回も病気がちのこのタイミングにサーモスタットが原因で死んだのは、何かがそうさせたのかもしれない。
と母が言っていました。
私をなだめるために言ったのかもしれませんが、私もそんな気がしました。
でも今回泣いたのには、オスカーのときのようにただ悲しみで泣いたのではなくもう一つ理由があります。
それは 後悔 。
REPENT, that's what I'm talking about
後悔、それが俺の話していることさ
マンソンのアンチクライスト・スーパースターの歌詞を思い出した。
病気にかかった原因は、間違いなく水槽の環境の悪化。
みんなが面倒くさくなって水槽の掃除を怠ったからです。
もともとは私が幼稚園か小学生かそれぐらいのときに、父が小さい30センチぐらいの水槽を買ってきて金魚を飼いだし自分で掃除していて、金魚は病気に弱いのですぐに死んでは新しいのを飼い、と繰り返していたんですが、数年後のある日急に50センチぐらいの水槽とオスカーくんを買ってきて金魚から熱帯魚に移行したのが始まりでした。
最初オスカーは全長15センチぐらいしかなかったのですが、どんどん大きくなるので水槽を60センチ、90センチと大きいものに変えて大きなろ過装置やヒーターに変えたので掃除がだんだん大変になってしまい、父親が面倒くさがって掃除をたまにしかやらなくなりました。それで水槽が汚れてしまいオスカーは病気にかかったのだと思われます。
そしてギアナくんを飼ってからもそんな状態が続き案の定病気にかかってしまったので、週に一度私と弟とで掃除することにしたのですが、私はそのとき高校受験があったのでほとんど弟がやってくれました。暇もあったからだとは思いますが、それでもずいぶん真面目にやってくれたと思います。
で、受験が終わったんですが、にもかかわらず私は掃除をサボりました。父親なんて私と弟がするようになってからますますやらなくなりました。弟も中学に入り時間がなくなり、しまいには家事で時間がないだろうに母が掃除するようになりました。
昔はちょっと掃除すれば病気はましになっていたのに最近はどんなにこまめに掃除しても薬を入れても悪化するばかりでした。
ギアナが何年生きているのかはわからないので何とも言えませんが、おそらくもう年をとっていたのでなかなか回復しかったというのもあったと思いますが、そもそもちゃんと掃除をしてれば病気にかからなかった。
忙しかったといえば忙しかったですが、週に一度の掃除ぐらい土日を使えばできたはずです。
3年になってからは大学受験なのでなかなか時間が取れませんでしたが、1、2年の間はどう考えても弟より私のほうが暇でした。
餌やりだけはずっと私がやってきたんですが、最近はそれも母がやるようになってほとんどやってませんでした。最後に私が餌をやったのはいつだっただろうか。
最後にちゃんと世話をしてやれなかった自分が悔しくてたまりません。後悔ばかりです。
思えばいろいろありました。
飼ってから10日目に失明し餌を自分で食べることができなくなり、箸で餌を摘んであげるようになったのですが、箸ごと餌にかぶりつかれるともうその力が強くて箸を落としそうになったり。
ギアナくんの目が黄色っぽいのはそのためです。もともとは黒色でした。
この写真は飼い始めたばかりのころ。
上にあるさっきの最近の写真と見比べてもらえるとよくわかると思います。
それにこのころのほうが丸々太って元気でした。
怖がりのオスカーと比べて活発な子だった。
じゃりを水槽の底が見えるまで掘り返したり。
流れてくる水を浴びたり。
ヒーターを動かすと攻撃してきたり。
水槽の天井を叩いて夜中に母さんを起こしたり。
失明したから小魚を食すことはできないだろう、と思ってじゃりの掃除用に入れた小魚を丸呑みにしたり。
餌をねだる様子が本当に可愛かった。
泣きながら
ごめんね
ありがとう
って言いながら埋めた。
それからまたあの数珠でお祈りした。
今までありがとう。
安らかに眠ってください。