春がいったら

わたくし、平がチノパン以外を履いてるの
見たことありませんの。

そんな彼に、チノパンに似合うように、
カーキのアウターとチェックのシャツを
プレゼントしたのは
去年の平の誕生日のこと。

平のお誕生日は10月下旬ですの。

それ以降、チェックのシャツは
「お主、またそれを身に纏っておるのか‥」
と心の中で突っ込みいれちゃうぐらい
愛用してくれております。わーい。


あれは、とある日の午後。

シャツを片手に立ち尽くす平。

『なしたの？』

「ボタンはじきとんじゃった。
　しかも２つも‥」

珍しくひどく落ち込んでおりましたの。


でも、わたしの頭の中は、
(//;Δ;//)？？？？？？？？
クエスチョンマークがいっぱいでしたの。

どうやったら、ボタンってはじけ飛ぶの？
どんな脱ぎ方したらそうなるの？
しかも２つ？！
１人北斗の拳ごっこ？！

と聞きたいこと、突っ込みたいことは
山ほどありましたが、
なんだか不憫でしたので、
縫い付けてあげましたの。

『じゃーん』と見せると
平の顔に広がる満面の笑み。

‥かわゆす。

「これ今日着て行く！」
とるんるんで着替えておりました。

‥かわゆい奴よのう。

それに引き換え、アウターは1回だけしか
着てる姿を見たことがなくって、
気に入ってもらえなかったのかと、
こっそり落ち込んでいましたの。

(//;Δ;//)ｼｸｼｸ

ところがどっこい。
土曜日にお迎えに来てくれたとき
そのアウターを着てきてくれたのです。

(//;Δ;//)ｳﾚｼｽ

『我ながら、いいセンスじゃ〜。
　やっぱそのアウターかわいい』

「これさ、けっこうチノパンに
　合ってるっしょ？
　(`Δ´)ﾄﾞﾔ」

ド　ヤ　顔　さ　れ　た　。


なぜかちょっとだけカチーン。

『いやいやいやいや、
チノパンに合うように見立てたんですー
一緒にプレゼントした
チェックのシャツだって、
アウターともチノパンとも合うように
店員さんと一生懸命選んだんですー』


(`Δ´)ﾄﾞﾔﾄﾞﾔ

どーだ。参ったかー。


しばし訪れる沈黙。

沈黙を破った彼の一言。

「‥なんだか、愛を感じる。」

(`Δ´)はひ？
どこにですか？

平の胸キュンポイントは
未だに理解不能です。


大好き


そのあと、「んー」って
腕広げられたから
全力で飛び込んでみましたの。

そしたら、力いっぱい
抱きしめてくれたよ。
ドキっとして、幸せで、
大好きがいっぱいになりましたの。

心地がよかったので、そのまま
おとなしく腕の中にいたら、

「さっきのドヤ顔ちょっとだけ、
　イラっとした。
　かわいさ余って憎さ100倍！」

ヒゲジョリジョリの刑に課せられました。


(//;Δ;//)痛ひ。
ほっぺがヒリヒリするよう。


わたくし、そろそろ、
全力で、彼に勝ちたいです。



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