太陽を映す場所

僕は……

僕という存在を

愛し過ぎるあまり



僕が

僕であり続けることを

やめてしまいたくなる



太陽は笑う







グランドの中心に先生がいる。

僕らは1列になって、思い思いの位置に立ち、鬱陶しいほどはしゃいでる。



先生が言う。



「隣とぶつからないように、ゆっくりまわって」



両手を左右に広げ、僕らはクルクル回転を始める。



先生が言う。



「まわりながら、先生の周りに大きなマルを描くようにまわって。ほら、ゆっくりまわらないと目が眩るぞ」



僕らはまわりながらまわる。

軸のブレた独楽のように、興奮を弾かせ甲高い声を張り上げ、遠心力に飛ばされたふりをしながらグランドの途方もないところまで走ったり、回転に酔った演技で地面に倒れこんだり、ベイブレード気取りで次々体当たりを食らわしたり……目一杯の自己主張に耽る。

弾む息、土埃、波のように揺れる笑い声。

遥か上空に浮かぶ太陽。




先生は言う。



「私たちから見ると、太陽は私たちの住む地球の周りをまわり続けてるように思うけれど、そうじゃない。


地球はグルグル回転しながら、グルッと太陽の周りをまわってる。

そんなふうに太陽を中心にグルグルまわってる、9つある星の中の1つの小さな星だ」






ねえ…先生

太陽は、僕を中心にまわってる。

そんなふうに感じるのは、どうしようもないのかな?








僕は両手を広げ

ゆっくりまわり始める