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[塵に為る灰]




背後から回る片腕に
繋がれる指の温かさ

その吐息も寝顔も今だけは私のもので、

穿たれる楔も流れ滴る雫も
そのあとに来る痛みも何もかも
言葉にならない心の渇きを満たして
そうして私はまた息をする

(昇華される熱 生きることの痕跡)

千切れた雨雲




生温い湿度の最中
憂いばかりが降り積もるの

「如何して?」

与えられる声も
与えられる熱も
涸渇するほど微量な訳じゃない

「それでも私は、」

貧弱な渇望
貪欲な切望
目隠ししたまま渡る崖淵
ハンドルをきるのは稚拙な嫉妬

愛してる、と何故伝えられないの。

(期限の切れた片道切符)




愛の胎児の鎮魂歌



ただ蕩揺うだけなら
きっとこんなに沈まない

誰も彼も掬えないのなら
きっとこの両手は空のまま

掠れていく泡沫に溺れるままに

肺呼吸の空
泳げない砂に埋没
このまま夜に眠れるなら
傍に居れなくてもかまわないの


嘆息の色彩




聞き厭きた言葉に堕落の咎
見慣れた憂鬱に嫌悪と億劫な忘却


『  』


履き違えた常識と掛け違えた定石
手を伸ばす事すら躊躇うほどの溜め息に
見棄てる事で別れを告げる博愛が笑った


******


自分が思ってるより世界は私に無関心で
絶望を嘆く程度に現実は私が好きらしい
(まわるまわる)

罪忌遊戯





埋葬された傷
腐り堕ちる空と憂鬱(或いは断絶)
首を傾ぐ胎児
膿は人の顔を模した浮き石




這いつくばり這いつくばる這い這い這い這這這、這い、…肺?




欲情を垂らす穴
赤黒い其を喰む双子(僕の大事な××)
喘ぐ涙吐き出す罵倒に唇を歪める夜鷹
朽ちる白濁る闇哭く子は何処方最果てに
酸素の無い無菌室
繋がれた性器に項垂れるMaria


「 夢、そう夢だ。如何に罰を与えても 」





(愛して…た。うん。)
(愛してた。)




呟く蝶は永遠よりも遠く傍に在り続け
形を失くした脳は湧き満ちる蛆


誰を、じゃない君じゃない君だけは違う
どうか解るか君に解ってくれ
解らない解るだろう?
君は僕じゃない君ですらない
ただの僕だ。




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