神の悪夢

DarkEros And GrotesqueMoral
赤より赤い血と
黒より黒い罪の狂想曲


逆さの目玉に舌舐めずり
宙吊りの首にディープキス
だらしなく溢れた未熟児
石榴味の脈打つ心臓
死体をレイプ



最初だけで最後の見えない
永遠に近いプラトニック
自傷癖の博愛主義者





涎を垂らし貪るように
ひたすら喰むのは犯した性器


愛した貴女の遺骸と融ける
僕は死体愛好家。

涙は嗄れ
喉は潰れたの





綺麗事だけじゃ生きられない
ピンク色の裏通り
脚を開けば明日は繋げるわ



君とｱﾀｼは違うの
ぬくぬくと親元で怠惰に生きてる
死んでるも同然の君とは
ただｱﾀｼは生きる事に必死なのよ






愛がないと生きられない？
嘘ばっかり。




「それじゃ何故ｱﾀｼは生きてるの？」

『お前の為に』
『アナタの為に』
『君の為に』
『貴方の為に』



そろそろ聞き厭きてきた言葉達に
終わりなき断罪の終止符を

誰かの為に、とさえ言えば
罪が亡くなるとでも思っている
その低俗な脳に別れのキスを、






「くたばれ」






灰褐色の罪は飛散した
血飛沫を撒いて狂い咲く薔薇
罪の数だけ蕀の凶器
誰かの為だと嘯いた唇に
有刺鉄線を巻き付けた
(喋ル事ヲ禁ズル罰ヲ)



積み上がった110体の死骸に
111個の罪状と390枚の免罪符
キリストに縋り付いたユダ
神の鉄槌は彼の丘に






「*****」






最初から自分の為に生きていれば
最期の痛みも薄れただろう、と
淫売女の幼い娘が血を流し
足元の腐肉に贖罪の薔薇が咲いた。

貧血 かな
吐き気目眩頭痛
あぁ、頭痛は偏頭痛の方か…


少しだけ 謳わせて
とても気分が悪いから、




******




大嫌いなアナタ
死ねば良いなんて思わない
そんな気力もない
窒息しそうなリアリズム




紅が恋しい夕暮れ時
死は遠く尊くて














いつだってこの世界は
少量の破滅を内包している




残骸だらけのゴミ溜めに
あの胎児はアナタ？
いつか打ち捨てられる
いつかのモグルへ








やはりパセティック








モノクロ モノリス
明日アナタから連絡が来ても
きっと返事は出来ないから




融けてしまった手を眺め
アナタを想い欲し
気が違わない様に大事に大事に
アナタを手放そう神に誓って













キリストさえも
アナタを見限るから








だから塵も遺さず
言葉だけを遺して逝って。


(かごめかごめ)

蕀の蔦で縛り付けた幻想
闇の褥で眠り続ける思想



流す涙はMariaと同じ紅
透明にはならない
穢れた夢


痛みと共に尊い死へとひた走る。