「大切な」

もっとかまってあげたらよかった
もっと首を撫でてあげたらよかった
もっと名前を呼んであげたらよかった
もっと膝の上にのせて甘えさせてあげたらよかった

もう抱きかかえることも出来ない。せめてと毛布をかけてあげて上から撫でてあげて浅い呼吸の近くにある細い手を包んで、泣くことしかできない。ただ、浅い呼吸が止まってしまうのを待つことしか、
チビがいて、当たり前の生活だったのにね、当たり前に頼り過ぎたよね。なんで大学生になったからってかまってあげなかったんだろうね。ただいまって頭一つ撫でしなかったんだろうね。涙しか出てこないよ。チビも泣いてたね。もう目もあかないけど、口もあかないけど、ゆっくり呼吸して、生きてるんだよね。
車庫で血を吐いてたなんて、よっぽど苦しかったんだね、気づいてあげられなくてごめんね。

今日の早朝、息を引き取りました。空を見て、ありがとうってお別れしました。昨日の一日、頑張って生きてくれたんだなぁと思うとやっぱりありがとう、の言葉になります。今日からチビの眠る場所にただいまって言おうと思います。