料理のレシピ思い出したり
してると、
同時に調理中とか
食事風景とかも
思い出す。
たいてい母親の
料理を参考にしてるから
当然っちゃ
当然だけど。
あれ、おいしかったな-、
どうやって作ったっけ
って思い出すのが
通常なんだけど。
納豆見る度に蘇る
悪夢みたいな
思い出とかあったり。
小学生くらいだけど
もう強烈で。
辛いと言えば
うちの躾は、
「作った人と食事に感謝して、出されたものは残さず食べる」
っつ-、
たぶん普通な感じ。
で、小さい頃って
嫌いなものも多くて。
キャベツ大嫌いなのに
千切りがおかずに
添えられてるの見て、
いつもげんなりした。
もともとそんなに
たべる方じゃないから
ただでさえお腹いっぱい
なのに、
残るは
ドレッシングでもマヨでも
おいしくいただけない
大量のキャベツ。
いかに言い訳して
残すかいつも考えてたけど
やっぱ悪夢。
まぁそんで納豆の話。
納豆はご飯にかけずに
おかず感覚で食べる派。
ご飯に乗せると
ご飯全部ネバネバするし、
味足りなくなるしで
好きじゃないから。
でも
卵+酢+葱が入ったら
かける。
自分ではしないけど、
たまにパパの希望で
日曜の朝がそんな
納得ご飯の日がある。
家族4人分+おかわり分の
丼に入った大量の納豆。
まぁ旨いよね。
ある日曜、
「ん?」ってなる。
なんか明らかに酢の臭いが
ヤバいんですけど。
ガキさんが味見してなくても
嫌な予感の食卓。
「…お酢、…勢いよく入っちゃって…」
申し訳なさそうにする母親。
「大丈夫、さぁ食べるぞ」
愛する嫁をフォローする父。
問答無用でかけられる納豆。
「あ、今日納豆いらない」
とか言ったかもしれない。
失敗作だろうと
愛しい嫁の手料理が
食べれない訳がない。
結婚25年こえた今でも
いちゃらぶしてるパパママ。
当然、当時もそんな感じ。
もの凄いお酢の臭いが
充満する居間で、
思いきり納豆ご飯を
かきこんだ父。
「うぶっっ!!……ぉ、ふぉッ!……………ん、旨いぞ、お前らも食え!」
いや、父さま。
今思いっきり、
すげぇ勢いで吹いたよね?
「う……うん」
父が怖く逆らえない娘達。
「…うぐっ!」
食えたもんじゃねぇ!
たぶん通常の3〜5倍は
余裕で入ってる。
10倍も余裕かも。
とにかくドバドバ入ってんのが
わかった。
「た、食べれない…泣」
「何言ってんだ、出されたものは文句言わずに食べなさい」
いや、普段はそうするよ。
わかるよ、それは。
しかし、父よ。
咳込む程の酢はさすがに
食えねぇよ。
文句とか、さすがにこれは
言えるレベルじゃね?
いや、文句言いたいんじゃ
なくて、
これはちょっと勘弁。
とか言えるはずもなく。
子供たち、しばらく食べて
号泣。
母親もこれはないな、
って思ってたっぽくて
「もういいよ」
って言ってくれるけど
父親、
嫁が失敗なんて認めたくない。
嫁が作ったらなんでも
旨いんだ!姿勢。
当の嫁さんは
さすがにこれは無理だと
言ってくれ、
いっそ食えないと
言ってくれ頼む
みたいないたたまれない
苦笑い。
「ぉふっ…!」
咳込んで涙目の父親。
失敗だと言って欲しい母親。
号泣する娘達。
充満する納豆と酢の 臭い。
地獄絵図だった。
トラウマになって
10年くらい酢入りの納豆
食えなくなった。
結構好きだったのに。
まぁいい思い出っつ-事で。
あれから明らかに
酢入り納豆の出番へった。
もう見ないくらいの勢いで。
調味料って
思わずドバって入ること
稀にあるけど、
お酢だけは強烈すぎて
薄めることも
ごまかすことも不可能だよね。
あれだけは、
強烈すぎて忘れられん。
タブー化して
誰も触れないけど。
時には失敗を認める強さを
持たなくては、なんてね。