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1111(耽美シャス/仁成)

「はい、成坂さん。」
突然呼ばれて振り返ると、そこにはポッキーをくわえた仁科がいた。
相変わらずの無表情で。
「は…?」
何がはい、なんだ?
訳が分からず首を傾げる。
「知らないんですか、今日はポッキーの日ですよ。」
「いやそれは知ってるが、それをお前がやろうとしている意味が俺には分からないんだが…。」
「BLを極めて新葉さんに勝ちたいなら、こういうイベントは外せないでしょう。わざわざ実践に付き合ってあげようという俺の優しさが分からないんですね成坂さん。」
「う…。」
そういう風に言われてしまうと返す言葉がない。
改めてポッキーをくわえた仁科にしぶしぶ近づいて、反対側をくわえる。
うわ、既に顔が近い!
ばちっと視線が合って途端に恥ずかしくなる。
「成坂さん、食べないんですか?」
なのに仁科は淡々としていて。
「お、お前から始めたらいいだろ…!」
「まあそれでもいいですけど。」
何のためらいも恥じらいもなく、仁科はポッキーをかじり始める。
さくさくさく、ポッキーが短くなっていく音が響く。
「ちょ、待て待て!」
あまりにもスムーズで、あっという間に俺たちの距離は縮まっていた。
ほんの数センチ先で仁科は動きを止める。
「そろそろ成坂さんからもどうぞ。」
「どうぞって…。」
一口でも進めばキスしてしまいそうな距離にいるってのに。
改めて仁科との近さを実感して顔に熱が集まる。
何だこれ!
ポッキーゲームってこんなに恥ずかしくなるゲームだったか?!
「来ないんですか?」
「こっ…!」
反射的に体を引こうとしたが、それを見越したように仁科に肩を掴まれる。
そして俺たちの距離はゼロになった。



1111(千羅)

「ラカン、キスしよう。」
「え…!」
「何言ってるんですか千艸!」
「もうそれポッキー関係ないし!」



短い!

1111(八犬伝/現信?+毛小)

「信乃、この箱やるから一緒にポッキーゲームしてくれ。」
「うん、いいけど。」
「兄貴ヘンタイ発言止めろよ、って…えっ、いいのかよ信乃!」
「やっすいなお前…。」


最後の台詞は毛野です。
そして短いので、この続きで毛小。
会話のみですみません。


「じゃあ俺たちもやるか、小文吾。」
「あっ毛野!オレのポッキー取るなよ!」
「一本くらい別にいいだろうが。ほら、小文吾。」
「えっ…いや、俺はやるなんて言ってねえし!」
「はあ?一人でポッキーくわえてる俺が可哀想だから早くしろよ。」
「いやいや、やらねえっての!だいたいこれやったって俺にいいことないし。」
「いいことなら、あるだろ。」
「は…?」
「間近で俺のキレーな顔が見れるぞ?」
「は…はあ?!」
「ああ、でもこんなゲームしなくてもいつも見てるもんな…近くで、俺の顔。」
「わ、ちょっ、寄ってくるな!顔近づけんな!」
「ははっ、顔真っ赤。」
「…るせっ…。」



1111(ユゼセバ)

「ねえセバスチャン、ポッキーゲームしようよ。」
と、ポッキーの箱を持ったユーゼフ様が現れた。
…この忙しいときに突然何を言ってるんだこの男。
そんな遊びをしている暇もなければそもそもユーゼフ様とポッキーゲームなんかをする義理もないわけで。
どうせこの人は暇つぶしでそんなことを言ってるんだろう、暇でうらやましい限りだ。
「ユーゼフ様、ちょっとその箱貸して下さい。」
「ん?はい。」
笑顔でユーゼフ様に手を差し出せば、特にためらいもなくポッキーの箱が渡された。
俺は片手を握りしめそれに向かって振り下ろす。
それなりに力を込めたので箱の上からでも中身が折れた感触が伝わってきた。
「これでくだらないゲームは出来なくなりましたね、残念です。」
「君は相変わらず性格悪いよねえ。」
へこんだ箱を返すと、ユーゼフ様は楽しそうに笑う。
…この笑顔、嫌な予感しかしない。
「でも残念。ポッキーはいくらでもあるからね?」
ぱっと手をかざすとへこんで変形していたはずの箱が綺麗になっている。
ああ面倒くさいのに捕まった。
「さあ、遊ぼうかセバスチャン。」



殺伐としてしまった感が。
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