※ユゼBとかいいながらBくんはBくんじゃないです。
※舞台は現代日本
※流行りの?転生もの読んで書きたくなっただけなのでとてもふわっとしてます。








皆さんこんにちは。
俺は危機回避能力が高いことが取り柄の日本人、モブです。
うん、モブだよな?
今まで取り立てて波風を立てることなく目立つこともなく平凡に生きてきたんだ。
…ついほんの5秒前までな!

「会いたかった、B君。」
金髪のものすごい外国人イケメンが、ものすごい満面の笑顔で出勤ラッシュな駅ナカで突然俺に抱きついてきました…。
なんだこれ?!
どういう状況だよ?!
「あの…人違いでは…。」
大勢に見られて混乱している俺は、か細い声でそう返すのが精一杯で。
というか、今まで鍛え上げた危機回避能力どこ行ったんだ!
いつもはぞわっとしたものを感じたらすぐに逃げて、問題も起こさず壁にもぶち当たらず、無難に生きてこれたのに。

ぞわってもんじゃなかった。
もっと大きくて恐ろしい何かを感じたのに、逃げる隙さえ与えられなかった。
…結果が、これ。

「B君。」
「あの…俺そんな名前じゃないですし、離れてほしいんですけど…って、日本語通じます?」
「通じてるよ、でも離さない。やっと君を見つけたんだから。」
ああよかった、言葉は通じるのか。
でもなおさら俺を抱きしめる腕に力がこもってしまっては、言葉が通じたところで意志疎通ができる気がしない。
あーこのイケメンの髪の毛きらきらして綺麗だなあ、ついでにいい匂いもするなあ、なんて軽く現実逃避すら始めてしまう俺。

「B君。」
ぞわぞわ。
イケメンがその人の名を呼ぶたびに逃げなければと本能が告げている。
なのに、その声がとても優しくて心地よくて、なぜか懐かしくて…。
振り払って逃げることが正解だって頭では分かっているはずなのに、俺は。
どうしたらいいのか立ち尽くすことしかできない。

こんなに想われてるB君とやらに、嫉妬してしまいそうなほど、ほんの数分でこの人に心動かされてる自分がいることに驚いてしまった。




…ユーゼフ様は転生してないよ!
Bくんだけが転生、というか前世の記憶なく生まれ変わった感じです。