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風邪(耽美シャス/にしなる)

心臓がばくばく鳴って。
顔が熱くなって、ついでに体中火照ってくるのが分かる。
最近あいつ…仁科を見ると俺はおかしくなる。
同性相手にこんな…BLでよくある恋の症状みたいじゃないかこれ…。
大丈夫か俺!
「成坂さん。何だか顔赤くないですか?」
仁科に顔を覗かれてどきっと心臓が跳ね上がる。
恋なんて、恋なんて…!
「いや断じて違うぞ!」
「風邪でもひいてるんじゃないですか…って、何そんな子供みたいにむきになってるんです?」
「え…?」
風邪?
風邪ひいてるのか?
だから体も顔も熱くて、脈拍も早かったんだな。
そうかそうか!
「俺は風邪か!」
今までのおかしな症状は全部風邪のせいであって、俺の思考は正常なんだな、よかった!



風邪(八犬伝/現小)

「ほら。」
布団に横になっていた俺は体を起こして、兄貴から器を受け取った。
「兄貴、これ…。」
これは何だ、と突っ込んでやりたかったがぐっと心に留める。
熱を出して寝込んでる俺にわざわざくれるものは、粥だということくらい分かってるんだ。
「やはりお前のように上手くはいかなかったな。」
何か言いたげな俺に気づいて申し訳なさそうな表情になる。
…いや、確かに煮すぎたのかねっとりしまくっていてお世辞にも美味そうとは思えないけれど。
でも嬉しくて顔がにやけてきてしまう。
兄貴がわざわざ仕事を抜け出して、きっと慣れない手つきで料理をしてくれた、なんて。
そっと粥をすくって口に入れる。
「女将から聞いた通りに作ったはずなんだが…。」
口に入れた粥は妙に塩辛かったけど、美味いと言って俺はもう一口れんげですくう。
「…小文吾。」
「何…っ…!」
名前を呼ばれて顔を上げたら兄貴の顔が目の前に迫っていて。
そのままキスをされた。
しかも舌まで入れられた。
いきなりの深いキスに俺は抵抗も忘れてされるがまま口腔をなぞられ舌を絡められる。
「ん、ちょっ…兄貴っ!」
いきなり何だ!
というか風邪うつるだろ!
というか…ああもう何でそんな変な顔すんだよ!
「…お前は優しいな。」
「は?」
「美味くないじゃないか。」
ぽつりと呟かれた言葉にやっと気づく。
……この粥のことか!
え、何つまり今の味見しただけ?
完成前に味見くらいしておけよ!
「…もう…何なんだよ。風邪うつっても知らないからな…。」
というかこれで熱が上がったら絶対兄貴のせいだからな!



レシピを信じて味見をしないのは私です。

風邪(ユゼ+デビ)

「風邪、大丈夫かいデビー君。」
「デイビッド!…ゴホッ。」
「ああそんな声を張り上げなくても。」
「だったらこういうときくらいちゃんと名前を呼んでほしいんだが。」
「というか君でも風邪引いたりするんだねえ。」
「まあ俺はお向かいサンと違って人の子だからなー。」
「僕だって一応人の子だったよ。」
「一応とかだったとか、説得力ないぞお向かいサン…。」


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