朝、小十朗の声に二度寝はあきらめ身体を起こして朝餉に向かえば

「これは景綱殿の手づくりなのでござるか?」
「えぇ、うちでお出しするもののたいていは私が作っておりますが…」
「おお!3食全て景綱殿の手料理が食べられるとな!某、今日は一日政宗殿に世話になるでござる!!」
「おやおや、褒めても何も出ませんよ?」

「…勝手に決めんなよ」

事後承諾と言ったところか、政宗の意志に関係もなく…そんなやり取りから、幸村の滞在延長が確定していた。

それからと言うもの、あっちやこっちで子供の振る舞いをする幸村に城中が翻弄され(執務が手につかなくても小十朗が苦笑いで許してくれる程城は荒れた)、気がつけば夜。


風呂から上がった政宗はぐったりした様子で部屋の襖を、開けた。

「お帰りなさい、独眼竜のだ・ん・なv」

「………Bye」
「ちょっ閉めないで!!俺様が悪かったから!!」

―――深夜の来客は
朝の出来事の元凶でした…。


『8月2日  深夜』




「何しに来やがった武田の忍びが!」
「何って…旦那のお迎えとお誕生日のお祝い。ゆーしー?」
「Oh……I see…」

誕生日祝いと言われてしまえば途端に弱くなってしまう。

幸村よりは大人しい登場をした佐助を、政宗は追い返そうとはしなかった。

眼帯をとり着物も寛げもう完全に寝る態勢をとると、布団の上に俯せになって。

「はぁー…」
「何?旦那、誘ってんの?」
「今日の一件はMassageで許してやるって言ってんだよ」

眉間に皺を寄せ手招きすると、そんな政宗をほほえましく思いながら佐助は背中に跨がった。



「つーか…てめぇはよぉ……幸村にっ…何て吹きこんだんだ…?hey、もうちょい右だ」
「この辺?」
「っは…GOOD」

少し指示を出せば的確にそこを押さえてくれる。
忍びというのはそれほど好きではないが、マッサージが上手いそれなら近くに置いても良いかと少し思った。

むしろ佐助が欲しいとか
思ったり思わなかったり。

「いやぁ、俺様はただ、早く行ってあげると喜ぶんじゃないかな〜って教えてあげただけ。
…政宗友達少ないから」
「誰が無印だと一人ぼっちかぁ!!」
「あはははっまぁ良いじゃないの!今は友達にも恵まれてるんだし!」


「……まぁ、な(照)」
あ、やっぱり嬉しいんだ(by佐助)


疲れて眠いのか、友達を実感して安心したのか、マッサージを15分も続けると部屋は大分静かになってきた。

ゆっくりマッサージの手を止めたところで反応がないところを見ると、本当に寝てしまったのかもしれない。
他人の前でこんなに無防備な姿を曝すなんて奥州の竜らしくなかったが、自分の仕向けた悪戯が原因かと思うと若干の罪悪感に見舞われて。

意識はないけどもうしばらく、
佐助はマッサージを続ける事にした。


「そういえばさぁ政宗、贈り物見てくれた?」
「…ま…」
「ん?まだ?」
「ま…

……マヨネーズ…」
「うん、寝てるんだね政宗」

もう完全に異世界へ旅だってしまった政宗の頭を撫でてやると、佐助は"さてと"と立ち上がった。

「…あ……」
ふと、忍びの勘が伝える事実。
どうやら日付が変わって、
真実政宗の誕生日になったらしい。

「…おめでとう、政宗」

この先もみんなで馬鹿みたいに騒いで、楽しい毎日を過ごそうね?


眠る竜の頬に触れる程度の口付けをすると、(悪戯をした子供のように)忍びは闇の中へと消えていった。




―――――
※後書き対談風につき注意!!



はい!無理矢理なかんじだけど終わったぞ!!
知らないうちに佐政になりましたが…良いよね!!

「しっかしさぁ…政宗が"マヨネーズ"っていうと、片目隠して派手な着物着たくなるのはなんでだろうね?」

…(´∀`)b