なんで｡


なんで､信じてくれないんだろう？
なんで､私を選んでくれないんだろう？


なんで､なんで…


――そんなのカンタン｡



私が信じてないから｡選んでないから｡
心を預けてないから｡



人の好意を求めるくせに､
自分からは人を愛さないし､
いざ好意を向けられても怖くて拒絶する｡



それでも､と｡
こんな私を理解してくれる稀有な人だけが残る｡


その人たちには全力で甘える｡迷惑をかける｡



それは一種､試しているのかもしれない｡



どこまで許してくれるかな？
どこまで受け止めてくれるかな？
どこまで｡
私のこと､好きでいてくれるかな――？



今までだって散々迷惑かけてるのに､まだかけるの｡
その上試すようなことをして｡


最低最悪傲慢我儘利己的｡


わかってても､やめられない｡



愛されてることを実感したいから｡
私を愛してくれるってことは､私を必要としてくれてるってこと｡

自分が必要とされていると実感して､ようやく自分の価値を見いだせる｡
そんな人間だから｡


自分が生きている意味を､感じてたいの｡

だから､
愛して欲しい｡
受け入れ欲しい｡


でも､怖い｡
いつか嫌われるんじゃないかと｡
不必要宣告を受けるのが､この上もなく怖い｡


｢お前なんかいらない｣

そんなことを言われたら悲しくて､苦しくて､つらくて｡


きっと受け止められない｡
そんな現実来てほしくないから｡

絶対に嫌わない人｡
を求めるんだろうな｡

それで試して篩にかけてるのだけど｡


それはむしろ､自ら人を遠ざけている｡
気づいてたけど､認めたくなくて見て見ぬふりをした｡


そしたら余計に人を遠ざけて｡
独りを拒むのに､近づいていく｡


求めるのに､遠ざけて｡
拒むのに､近づけて｡


悪循環｡
嫌な矛盾｡


いっそ完璧なegoistになりたかったよ｡
中途半端だから､より一層苦しい｡