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小話


※flatオール(部分)キャラ
※多分いろいろとネタバレ有り
※別に夢ではない(頑張った形跡は残ってる)
※あっくんは私の弟
※案の定ヒロインちゃんの名前は"名字 名前"
※見切り発車、尻切れとんぼ



「名字、平介知らねえ?」

「え、まーたいないの?ごめん、ちょっと分かんないやー」

「んー、そっかあ!ありがとね、名前ちゃん!」

「いーえー。」

ばたばたばた−―

平介、どこいっちゃったんだろーねえー?、アイツもう帰ったんじゃね?、えー、だってさっきクッキー焼いてきたって言ってた!、…意地でも探すぞ。、おー!……後ろから聞こえる我が幼なじみの友人の会話に少し笑みが零れる。

「、なーに笑ってるんですか。」

「ふふ、平介は愛されてるんだなあ、って。」

「……アレは、捕食者の目でしたよ。」

ひょっこりと現れたのは探し人の平介。全く、この幼なじみはいつも嫌な事があるとフラッと私の元にやってくる。
今日だって放課後に本を読んでる私に突然、匿って、だもの。そんな行動に慣れたのはいつからだっけなあ…。

「あのですね、俺のいとこがまーたあの哀愁漂う背中をしてるんですよ…。」

「あっくんが?あれまー、じゃあ、今家に帰りにくいねえ。あ、もしかして、よりちゃんからもなんか言われちゃった?」

あっくんはホントに可愛い子なんだよねえ、だって私のことなまえちゃん、って呼ぶんだもん。末っ子の私にはもう破壊力抜群ですよ。お母さんに本気で頼もうか迷っちゃったもの。

「……俺が、いけないのだろうか。」

「(言われたんだな…)んー、それで平介は、なんか考えたの?」

私からすれば今のままで十分なんとかなってると思うんだけどなあ。たぶん、よりちゃんは分かって言ってそう。それか完全に何も考えてないか、どっちかっぽい。そういう所は平介とそっくり。親子だよね。
まあ、平介にとっては良い機会なんだろうなあ。うん。

「俺は、理想通りには出来ないなァー…」

「(海藤くんにも言われたのか…)なら、いいんじゃない?私、平介が頑張ってるの知ってるよ。」

平介が人間関係で悩む日が来るなんて今まで露にも思わなかったもの。さすがあっくん。

「なまえちゃん…。そっかなァ…でも愛とか情熱とか…足りないのは自分でもわかってるんですよ。」

「…それこそ、今更でしょ。」

「え。そんな気にしてる本人を目の前に。」

「…おバカ。それは、周りからみたらとか、自分本位で考えたら、とかの話。でも、正直、あっくんが羨ましいなー」

「なぜ、また藪から棒に…。」

「だって、平介があっくんとか鈴木くんとか佐藤くんが大切だからいっぱい考えるワケじゃん?…私の時はそんな考えることなかったでしょ。いっつも無反応でさあ。…なんてね…ってちょ、うわっ!へーすけくーん?ここ教室でーすよー?」

時々、平介は私に覆い被さる。…端から見れば後ろから抱きしめてるように見えるけど、平介にはその気なんて微塵も感じてないんだろうな。まあ、かく言う私もそうなんだけど。
っていうか背中に掛かる体重が重い、重い!

「いや〜、今ね、衝動的にね。」

「あはは、平介が衝動的とか言葉似合わな…!なーに、もしかして、励ましてくれてる?…言っとくけど、私だって伊達に平介の幼なじみしてないよ。大丈夫、平介はちゃんと私の事大切にしてくれてるって知ってるから。羨ましいけど、寂しくはないよ。」

「…よくもまァ、そんなに恥ずかしいコトをスラスラと…」

「私が言ったこと違った?」

「いや、違くはないですけども…。」

「あー!平介やっと見つけたあ…!」

てか、なんでなまえちゃんとくっついてんのー!だめー!とか言いながら佐藤くんが私たちを引き剥がす。相変わらず力強いねえ。

平介はどーでもいいこととかは割とはっきり言うくせに、こういった愛情表現はいちいちオブラートに包む。
照れてるのかなあ。たぶん、面倒なだけなんだろうけど。言えば伝わるのに言わないんだもの。もったいない。

「チッ、手間掛けさせやがって。クッキーよこせ。」

「…はは、なまえちゃん、俺、やっぱりこのままでいいや。」


「うん、そうだねえ。じゃあ、久しぶりに平介んち行こーかしら。昨日アップルパイ焼いたのよ。あっくんも来るんでしょ?」

「まじですかー。おまけにあっくんの機嫌も治してくれませんかね。」

「こら、ちょーしに乗らない。平介は平介らしくちゃんとあっくんと向き合いなさい!」

全く、せっかくの良い機会なんだから悩め悩め!
ぶーたれてる平介なんか目に入りません!

「えー、俺もなまえちゃんの作ったアップルパイ食べたい!ね、俺も行きたーい!」

佐藤お前な…、鈴木くんが非難の声を上げる。なんだかんだ、鈴木くんが一番常識人だよなあ…。佐藤くんはお腹が空いてるのかな?

「私は構わないよ、この際だし、時間があれば鈴木くんも一緒にどーですか?まあ、平介よりは味は劣ると思うけど。」

「…ん、じゃあ邪魔するわ。」


「アレ、皆さん、本人の許可は…。」


「「必要ないでしょ(だろ)」」

「…左様ですか。」

「ふふっ!」


すきだなあ、こういう時間。



後書き

ヒロインちゃんの感覚的には
平介:手の掛かる幼なじみ
鈴木:一番の常識人
佐藤:大型わんこ

皆さんからの感覚的には
平介:普通にすき、家族愛に近い
鈴木:平介のお母さんポジション
佐藤:恋愛対象として好き、お嫁に来て下さい!

もう私ばっかり楽しい^▽^
次はあっくん出したいなあ^▽^

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