昨日の石blogに続いてこちらも、【鉄腕!DASH!!】の、自然のものから顔料を作るという話題から………
長くなってしまいましたが、読んでいただけると嬉しいです
紫色の顔料で有効なものとして紫貝を用いる方法がある
以前、このblogの
モーブの記事のコメントで、エムブロ友達に、帝王紫のことを教えていただいて少し知っていたから、嬉しくなった♪
その過程を見ることができて良かったし、すごく感心してしまった!
紫貝は、貝殻を潰して白の顔料とする胡粉と違い、アカニシ・イポニシなどの巻き貝の内臓にあるパープル腺の分泌液が顔料となる
この部分は外敵から身を守るための腺であり、弱い毒性もある
内臓からパープル腺を取り出して、すり潰しても紫色ではなく乳白色というか黄色のままだが、パープル腺にある色素が紫外線つまり、太陽に当たると化学変化し、黄色から紫色へと変化するのだ
この色は、帝王紫と言われ、一般に使うことを禁じられていたほど高貴な色であり、何千年経っても変色しないという
日本では、志摩の海女が着る磯衣などに名前を書くとき、墨ならすぐ消えてしまうが、この紫液で書くと消えないという昔の記述があるという
現在でも志摩などで、行事の一貫として貝紫染めが行われるらしい
貝紫や紫色にまつわる話は世界中でたくさんある
帝王紫は、三千年前の地中海東沿岸に住んでいた貝染めが盛んだった海洋民族フェニキア人の都市の名にちなみ、ティリアンパープル、または、ロイヤルパープルとも呼ばれている
クレオパトラがアントニウスの気を引くため、船の帆をこの貝紫で染めたらしい
また、ローマ皇帝であった、悪名高き暴君ネロは、帝王紫を着用・販売した者は死刑に処したともいわれる
日本でも、弥生時代の高位の人とおぼしき墓から、帝王紫の布が発見されている
古代世界では約3600年前から使用されていて、1gの染料を得るのに約2000個の貝が必要であり、クレオパトラが使った紫の顔料を取り出すために、貝の山がいくつもできたという
それだけこの色は、過去、様々な国の頂点に立つ人々より高い地位を象徴するとして、愛されてきたといえる
それほど採取し尽くして、いったいどれだけのものを作り得て、どれほどの満足が得られたのであろうか
紫は、遥か昔から、風格があり艶やかで気品のある美しさを備えた色として尊ばれた
一方で、情緒不安定などのネガティブなイメージがあるが、これはそういうときに癒されたいため紫を選ぶからなのだという
冷静の青と情熱の赤を含み、希少性から高貴をイメージさせる紫は、不思議と引き付けられる雰囲気を醸し出すのかもしれない