話題:突発的文章・物語・詩
 


【第1詩】


『幻の将軍』

江戸時代の最末期

歴史に名を残す事の出来なかった幻の将軍がいると云う。

江戸幕府第十六代将軍…

徳川もこみち。



大政奉還で正解。



【第2詩】


『昔の名前で出ています』

京都にいる時は…

小林旭

と呼ばれていた。



【第3詩】


『素軽い判決』

主文。

被告に対し…

懲役20秒

(えっ?)

執行猶予1分

(はいっ?)

の判決を下すものとする。

(はぁ…なんか有り難う御座います)

退廷。



【第4詩】


『タヒチの恋』

タヒチで出逢ったあの人は

真っ黒に日焼けした顔の中で真っ白な歯が輝いている…

そんな爽やかな人でした。

たったひと夏の恋。

オレオを見るたび思い出す恋。



【第5詩】


『似て異なるもの』

いや、これは半ズボンではなくて…

裾上げをしすぎただけです。



【第6詩】


『卒業アルバム』

押し入れの奥の古ぼけた段ボール箱。

小学校の卒業アルバムを見つけ、懐かしさに包まれながら、そっとページを捲ってゆく…。


《将来なりたい職業》

「ウィスコンシン州の保安官」


そっとページを閉じ、段ボール箱を押し入れの最も奥深い場所へと戻す…。



【第7詩】


『千変万化』

前から見ると椅子。

後ろから見ると貯金箱。

右から見るとトーテムポール。

左から見るとケサランパサラン。

上から見ると市村正親。

下から見るとアンドロメダ星雲。


そんな物体があったら面白い。

そんな瞳を持てたら面白い。




【第2集・終わり】。