話題:七夕


さて本日は、日本全国津々浦々の笹マニアと短冊フェチが待ちに待った【七夕祭り】でした。

言う迄もなく【七夕】は、織姫と彦星が一年に一度の逢瀬を叶える日。年に一日しか逢えない恋人。【七夕】は願いの叶う日であると共に、切なさの代名詞でもあります。

しかし、どうでしょう?果たして【七夕】は、我々、人類が考えているような切ない日なのでしょうか?

「一年に一度しか逢えない」と聞くと、如何にも切ないようですが、歳を取れば取るほど一年の過ぎるのが早いのもまた大概の事実。思うに織姫と彦星は、二人ともかなりの歳である事は恐らく間違いないでしょう。

つまり、この二人からしたら一年など“あっという間”。故に、毎年七月七日しか逢えないとしても当人たちは“つい昨日逢ったばかりのような感覚”なのでは無かろうか、と推測出来る訳です。

もし、織姫と彦星が蝉だったら、これは切ないです。蝉にとっての一年は、“永遠”という言葉に置き換えても良いでしょう。こうなると、もう観念の世界です。

しかし、もしかしたら不老不死かも知れない織姫と彦星からすれば、一年など刹那に等しいのかも知れません。

そう考えると【七夕】は少しも切なくはない。けれども、そんな事を考えている私は存在として少し切ない。恐らくはそういう事なのでしょう…。


〜おしまい〜。