話題:童話
「これが、その“落としもの”なのですが…」
そう云いながらラマン巡査はキャンディの缶箱の蓋を開け、問題の【キラキラ】を取り出してアランに見せました。
「…えっ?」
アランの瞳は瞬きを止め、代わりに口が小さく開きます。
その反応は、この【不思議な落としもの】を初めて目にした時のラマンやマルグリット夫妻と同様の物でした。
「これは…いったい何なのですか?」
当然の質問です。ですが、その疑問に答える事はラマン巡査にもマルグリット夫妻にも出来ません。
「それが…実は、私たちにもよく判らないのです」
ラマンは正直に答え、少々バツが悪そうにマルグリット夫妻の顔を見ました。
ベネディクト菓子店の甘い香りが漂う店内に僅かな沈黙の時間が流れます。
「で…これが、うちの店の前に落ちていたと」
「ええ…拾われたのが、こちらのマルグリット夫妻という訳でして…」
ラマンの言葉に、マルグリット夫妻がほぼ同時に頷きます。
「それで…もしかしたら何かご存知なのではないかと考え、こうして伺ってみたのです」
アラン・ベネディクトは軽く腕を組み、少し考え込んでいましたが、やがて小さく首を振りながら答えました。
「…やっぱり、何も思い当たりませんねぇ」
「そうですか…」
ラマン巡査とて、此処に来れば直ぐに事件が解決すると思っていた訳ではありません。それでも、この不思議な事件を解く鍵は何となく“ベネディクト菓子店に在る”ような気がしていたので、アランの呆気ない反応に落胆の色は隠せません。
アランの視線は先程から、ラマン巡査の手のひらの上でキラキラと輝き続ける【不思議な落としもの】に注がれたままです。
「これは果たして“物”なのでしょうか?」
そんなデジャヴめいたアランの質問に答えたのは、マルグリット氏でした。
《続きは追記からどうぞ》♪
「私たちにもサッパリ判らんのです。でも、触ってみると判るのだけれど、これには輪郭のような物がある」
「輪郭…ですか?」
「そう、丸いのです。それに“温もり”のような温かさもある。正体は見当もつきませんが、“不思議なもの”である事だけは間違いない。そう思うのです」
マルグリット氏の言葉に耳を傾けていたアランが、視線を【キラキラした落としもの】からラマン巡査へと移しながら云いました。
「あの。その【不思議な落としもの】、ちょっと手に取ってみても良いですか?」
恐らく、マルグリット氏の話を聞いて感触を確かめてみたくなったのでしょう。
「ええ、勿論勿論。どうぞ」
許しを得たアラン・ベネディクトが恐る恐るラマン巡査の手のひらの上でキラキラと輝く【不思議な落としもの】に手を伸ばします…
「あっ、本当だ、温かい!」
「でしょう?」
マルグリット氏が満足気に頷きます。
「それにしても…この“懐かしい感じ”は何なのだろう。…僕は間違いなく“コレ”をよく知っている…そんな気がして仕方ない」
その言葉の後半は、半ば独り言のような呟きでした。
ラマン巡査やマルグリット夫妻にとってアランの言葉は予想通りでもあり、予想外でもありました。三人は(やっぱり)という思いと(まさか君までもが)という思い、そんな相反する二つの思いを同時に抱えていたからです。
その時です。
アラン・ベネディクトの手の中の【キラキラした落としもの】が、一瞬、明らかに今までよりも強く輝いたのです。
四人共に“その小さな異変”に気付きましたが、何せ一瞬の事、単なる目の錯覚かも知れないと思い、誰もその事には触れなかったのでした…。
☆★☆★☆
はい。
皆さんの予想通り…
案の定、完結しませんでした〜♪〜θ(^0^ )
ですが、明日…と云うか次で完結する確率は相当高いと思われます♪
勿論それは…
「リトマス試験紙が何枚、赤から青に変わるか」次第である事は云うまでもありません!(b^ー°)
そう言って頂けると気が楽になります
では、完結は…【99】ぐらいで
なんか私も書きながらちょっと くすぐったくなってます
ハウス ゼリエースは、個人的には大正解
そう云えば昔、砂浜に大量のクラゲ(恐らく数十万匹)が打ち上げられた事があって…それはもう物凄い光景でした
ふふふ
楽しみは先に伸びたほうがいいから
このお話読んでると、心がなんかくすぐったくなります
懐かしくて、優しくて
しかも生暖かいキラキラバージョン
しかしそれでは発見時は打ち上げられたクラゲ状態