※こちらは当サイト777Hitを記念しまして、フリーリクエストを受け付けた際、【白露】さまよりリクエスト頂いた品です!
内容は純情と純愛の二人が出会ってしまった場合…というパラレルです。
※作者・夜来烏哭
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【純情と純愛の間に】4
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あまり怒らない俺だけど、ヒロさんを馬鹿に‥とは違うかも知れないけど‥貶す言葉は許せない。
しかも俺と似た姿の男になんて‥…心配になりヒロさんを見ればほら、心なしか傷付いたように眉が寄っている。
俺はゆっくり立ち上がり俺2号(勝手に命名)の前に立ちはだかった。
「…ヒロさんを愚弄するのは許しませんよ。『うちの』ヒロさんのドコが可愛くないんですか!そっちのヒロさん2号さん(また命名)の方がナヨナヨしてて…絶対うちのヒロさんの方が可愛くて素敵です!!ね、ヒロさ…(ドガッ!)っうぐ!!」
俺は一気にまくし立てるように俺2号に言葉をはいた。…『うちのヒロさん』って二回も言えたからちょっと…いや、かなり清々しい気分だ。
…ヒロさんの見事な鳩尾パンチさえなければ…一瞬胃の中が逆流しかけましたよ…。
「あっ、あぁ‥あ、アホかてめぇはぁー!!!」
やや押さえ気味な声音で叫ばれるが、そんな首筋や耳まで真っ赤にしてたら可愛いだけですよ‥ああ可愛い。
ほわほわした気分でヒロさんを眺めて居れば俺2号とヒロさん2号さんから溜息が聞こえて来たので視線をむければ、なんとも複雑そうな表情。
「‥そこまで本気で殴る人の何が可愛いんですか‥」
「…お、俺はそんな酷い暴力はしない…そっちの野分…えずいてるじゃねーか…」
ああ二人共解ってないなぁ…これがヒロさんらしさで良いのに。
因みに俺はMじゃないですよ、どちらかと言えばSです。特にベッドの上で―――(バキィ!!)…あぁ‥口に出してました?ちょっと蹴られたアバラが痛いです。
ヒロさんらしく、素晴らしいハイキックです。
「てめぇは俺をバカにしてんのかああぁー!!お前のせいで暴力亭主みたいになってんだろうが!!」
そんなにムキにならなくても俺は頑丈だから大丈夫なのに‥
でもヒロさんはっ―――!!
「ヒロさんは亭主じゃなくて『妻』です!『奥さん』です!!」
「つか、ツッコミどころはそこかチクショー!!」
ふふ。夫婦仲も最高です。間髪入れない素晴らしいやり取りです。
なのに俺達似の二人は青い顔で見てきます、ヤッパリ俺とヒロさんの仲の良さに『負けた』と思ったのかな…ヒロさんは本当に可愛いって思い知ったかな、俺2号‥。
「‥…ヤッパリ可愛くありません。『うちの』弘樹さんの方が絶対可愛いですよ。もちろんベッドの上じゃ可愛いし綺麗だしやらし―――いだだだっ!踵は痛いです弘樹さんっ」
俺2号がノロケだしたらヒロさん2号さんが踵で彼の足の甲を踏みつけた、うわ、端から見たら結構痛そうだな…。
「お前も何触発されて変な事言ってんだよ!!バカ!」
耳まで真っ赤になって怒ってるけど…うれしそうだな。ヤッパリ恋人に自慢(?)されると嬉しいのかな…‥
ヒロさんは嬉しいかな‥…(チラ見)‥…顔怖いから同じ事言ったら一週間は口きいてくれなさそうだ。
「…てめぇの考えなんざお見通しなんだよ、下ンねー事言ったら置いて帰って締め出すからな。アホ共と競うな、バカたれ。」
あ、この顔本気だ。それはイヤだな…。
「…なに。アンタだってまんざらじゃないんだろ?嬉しいって顔に書いてんじゃねぇか…」
あ、今度はヒロさん2号さんがヒロさんに突っかかってきた…うわぁ…ヒロさん同士の喧嘩…血を見そうだ。
慌てて彼を羽交い締めにし『まぁまぁ』と宥めれば、ソコは互いに同じ考えか俺2号もヒロさん2号さんを羽交い締めにしていた。
「まぁまぁ…もちろん俺が好きなのはヒロさんですから。」
「まぁ落ち着いて下さい、俺は弘樹さんだけを愛してますから。」
俺達の似通った発言にヒロさんとヒロさん2号さんにお互い睨まれてしまった。
…どうしたものかな…‥
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