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【雑記】お知らせ?

夜来でございます。
この度は更新が休止か、あまり更新できないかのお知らせです。

日々がまぁまぁ忙しいのもありますが

携帯がどうにも壊れてます(ToT)
充電がたまにしかうまくいきません。
機種変か修理に出すかになりそうですがいろいろと今は余裕がありませんで…

今はあまり携帯が使えないです。
の報告でした、申し訳ありません…


夜来 拝

【キスひとつ】

【キスひとつ】



「……………あー……」

ダルい、しんどい、やる気が出ない。
…ただ…何もしたくない。


(ガチャ)

「…ふぁ…ぁ、…帰ってたのか?おはよう、って野分…寝てんのか?なら布団で寝た方が…」

「……寝てません。」

「おい、大丈夫か?しんどいのか?」

「…はい。ちょっと…」

ああやっぱり…俺がソファーにぐったりうつ伏せながら呟いたらヒロさんは顔面蒼白になりながらワタワタし始めた。

「え、えっと。津森か?呼んだ方が良いか?病院行こう?野分、な?」

ガクガク揺さぶる訳でもなく俺が寝るソファーの横にしゃがみ込み、泣きそうな顔をしながら頭を優しく撫でてくれる。
あー…申し訳ない。騙してる訳じゃないが、このダルさはただの疲労だ。
深夜の四時あたりに帰宅し、今日は休みだから寝ようと思って寝たはいいが、ついつい仕事の癖で早朝に目が覚めたから…ヒロさんの朝ご飯を作った。
そしたら完璧に目が覚めてしまい、ヒロさんが起きるまでソファーに居たがやっぱり疲労が抜けきらずだるいだけなのに。

「…いえ…大丈夫ですよ。…朝ご飯出来てますからどうぞ。」

ゴロンと凝り固まったままの体に少し力を込め寝返りを打つ。
クッションに首を預け仰向けになれば目の前に心配そうに潤むヒロさんのきれいな瞳があった。

「あ、朝ご飯は有り難いけど……お前は無理し過ぎなんだよ、バカ…ほら、病院で診察して貰おう?な?」

優しく優しく撫でるヒロさんの暖かい手にほんわかするのは良いが、ヒロさん…俺が大きな病気だと勘違いしてるかも…。

「大丈夫ですって。本当に…寝不足で…でも気が張ったままなのか寝付けなくて…ちょっとだるいだけです。」

「本当に?…でもしんどいのはしんどいんだろ…」

ユラユラ…ゆらゆら…綺麗な瞳が俺を見つめてくれるだけで…
俺は単純だ。こんなにもドロドロした気分が晴れてゆくのだから。

「ヒロさん。…大好き…」

「………」

その瞳に自分を映して貰えてるだけで幸せ。
そっと握ったヒロさんのシャツ。
優しく撫でてくれる暖かで綺麗な指。
じわじわと染み渡ってゆく幸せに、俺がゆっくり目を瞑ればヒロさんに小さな声で“今日は休みだよな?”と問われ目を合わせる。

「はい。呼び出しもないですね…相当でない限り、人も居ますし。」

「…そうか。わかった、ちょっと待ってろ。」

「えっ?」

俺の答えにウンと一つ頷いたヒロさんがゆっくりと立ち上がり電話へ向かう。
その背中に俺は上半身を起こし眺めるしかないのだが、どこかに電話を掛け始めたヒロさん。その彼の口から出た言葉にギョッとした。

「…あ、おはようございます教授。…あの、えぇ…はい…はい……その、今日ちょっと同居人の具合がよくないようなので…世話をしたいので…はい…はい…」

「ひっ、ヒロさん!?」

もしかして、が的中したか。
やはり宮城教授に電話をしだしたヒロさんの口からは“休みます”の言葉にだるさも吹き飛び慌てて電話をする彼に走り出した。
すると片手で俺の口を塞ぎ“しー”と口を窄められ戸惑う。

「はい、今日は先週やったテキストの復習予定でしたので、プリントはもう刷ってデスクにあるんで……はい。お願い出来ますか?本当にすみません…はい、えぇ……じゃあ、お願いします。すみません…えぇ…はい、では失礼します。」

(…かちゃ…)

電話…終わってしまった…。

「あ、あの俺そんなに具合悪い訳じゃっ」

「…うるさいな。…こい。」

「えっ、ちょ…ヒロさん?」

俺の口から離れたヒロさんの手。その手に腕を掴まれ有無を言わさず引っ張られ寝室に運ばれる。

「あの…あのヒロさん…」

「…ほら、こっちこい。…はーやーくー…」

「は、はいっ」

「よしよし…」

自室についた途端そのままベットに強制連行され…ぐいぐい押されて寝かされてしまった。
自分がダラダラしてたせいでヒロさんに心配を掛け、仕事を休ませてしまった…

「…ヒロさん…ごめんなさいっ」

「…うるせぇな……自分が疲れてんのくらい判るだろ?それに、お前にはいつも世話かけてるんだし…たまには、な。」

布団に潜り込み、かけられた掛け布団の上からリズムよくポンポンと叩かれた。
そして優しいヒロさんの少し低めな声音で諭されて――
ほわほわする気持ちのまま彼を見つめていれば少し考えたヒロさんが徐に布団の中に入ってきて…

「しょうがねえな…一緒、寝てやるから休め。朝飯…また起きたら食うし」

「ヒロさ…………キスして…欲しいです…」

「…ったく!……んッ………おやすみ!」

ヒロさんは優しくて強くて格好良くて…可愛い。
俺のちょっとした甘えにも、真っ赤になりながら応えて…

疲れも何も、忘れるように……ギュッと抱き合って眠った。
そんな日常――







End.

【愛の言霊】3

【愛の言霊】



夜の帳も降りた頃。
静かな部屋で二人して床にしゃがみ込み片付け中。
本来は俺がぐちゃぐちゃにしたんだし、俺一人で片付けるべきなのに優しいヒロさんは『俺にも責任はある』と言って手伝ってくれた。

「…おい…野分、手で破片触るなよ、危ない」

「ぁ…はい……」

「…なぁ。来週休みってとれそうか?」

「え?来週は…このままなら日曜日の午後から時間はありますけど…?」

改めて見た景色は凄くて…ベランダを開け空気の入れ替えをし、まずは割れた食器類を片付ける。

「…そっか。」

「何か、ありましたか?」

「ん?いや……………無理は絶対要らないし、約束もしない。…けど、もしお互い暇だったら…買い物、行かねえかなって…」

集めた破片を二重にしたゴミ袋に入れながらヒロさんが話した言葉に耳を傾ける。
ちらりと向けた視線の先のヒロさんは、耳まで真っ赤にしてて、俺を買い物に誘うことに酷く照れてるのが解る。

「はい…、行きたいです!」

「ん…。そん時…その…き、記念日でも何でも祝えば良いだろ。それと…パンダのコップも買おうぜ。」

「ヒロさん…、はい!行きましょう!」

そんな赤い顔して。
恥ずかしくてたまらないのに。こうして俺に対して気遣いも忘れずに居てくれるヒロさんに、溢れる想いと感謝の気持ちを抑えきれずに思わず抱きついてしまった。

「わっ、ばか…油ついた………もう早く床、雑巾がけしやがれ!!」

「はい!直ぐに!それと…それとコレ片付けたら一緒にお風呂入りましょうね!」

ヒロさんが好きだ――

「っの、ちょ…調子のんなよ馬鹿やろう!」

「ヒロさん、ヒロさん…好きです…」

溢れる想いは彼に届いたのだろうか――

「…〜ッ……知ってる……背中…流せよ…」

「はい!」

どんな時もヒロさんは俺を支えてくれる。
それに…大きな大きな愛で俺を包んでくれる。

「………野分…」

「はい?…ッ!?」

「ッ…………変な事で悩むより…もっと…俺を頼れ…」

振り向いた先には柔らかな口唇に口唇を塞がれていた。
そしてその後の言葉に俺はまたヒロさんに惚れてしまった。

俺の愛も…届いたかな……?







End.……?



【おまけ】

ちゃぷちゃぷ…
湯船に浮かぶアヒルの人形をブニブニと押して遊んでるヒロさんを後ろから抱きしめる。

「……野分…尻に当たってる…」

「はい。」

「…はいじゃねぇよ。…うりゃっ」

「わぷっ!目…目に入ったじゃないですかっ」

俺…良いのかな。
あんな事やった後なのにこんな幸せで。
ブニブニとアヒルを押して水を飛ばしてくるヒロさんと戯れる幸せ。
水を避け抱き締めればヒロさんも照れたようにすり寄りながら抱きついてくれて鼓動が重なる。

「バカやろう。風呂で変な事すっからだろ…」

「じゃあお風呂から出たら、もっと凄いことしてもイイですか…?」

「……ぅ……か…勝手にしろ…」

俺は幸せ者だ。
こんなにも愛してくれる人と出会えて。

これからも今晩も、ヒロさんに俺の愛を知って貰えるように精一杯伝えよう――







本当にEnd.

【愛の言霊】2

【愛の言霊】



それからどれくらいたったのかな…
激しく体を揺さぶられ目が覚めたが、俺は更に毛布を引き寄せうずくまる。

「っ…この馬鹿!何考えてんだよ!?部屋滅茶苦茶にしやがって、出てこいっつってんだよクソガキが!!」

耳元で『ふざけんな』と怒鳴る声が怖い…
ヒロさんに嫌われたんだ…もう好きじゃ無いんだ…俺は要らないんだ…

―――気付けば…俺は泣いていた―――

声もなく…ただ…体だけが震える。
本当にガキだ…イラついて癇癪起こして滅茶苦茶にして…最後には泣いて。
こんな年になって何してんだろ…

「…はぁ……野分…とりあえず話したいから、出てこい…」

溜息の後、穏やかなヒロさんの声が頭上から降り、ポンポンと頭の部分を撫でられた。
その手の優しさに…またポロリと涙がこぼれた…

「……ご…ごめ…なさ…」

頑張って振り絞り出した声は…なんとも情けない泣き声で…布団の中で必死に鼻を啜るしか出来なくて。
その俺の声音に一瞬『…野分?』とビックリしたらしいヒロさんの声が頭上から降ってきた。

「…なぁ野分?…俺はお前の事全部解っちゃいない。…だから、話して欲しい、野分の気持ちを…さ…」

ゆっくり…ゆっくりと優しい声で囁き…毛布ごと俺を抱き締めてくれた。
でも顔が見れない、だって…きっとヒロさんは俺を軽蔑してるから。
宇佐見さんに嫉妬したり…以前から何度かガキくさい嫉妬をして怒らせてしまったし…今回は食器まで割ったりしてしまった…嫌われた……
俺は止めどなく溢れる涙に情けなくて…更に涙が溢れてしまった。

「っう…ぅ……ふ、ぅッ……ヒロさ…ゴメン、ナサイ…嫌わないで…くださ…ッ…」

「……はぁ…ばぁか……あーもー…ッ!」

グズグズ泣いていれば思い切り布団を剥がれてしまい慌てて寝返りを打とうとしたら―――

「っ!?んっ、ふ、…んっ…ん……はぁ…」

「んっ…ん、は………チュッ……野分……」

――キスされた…。
その真実が信じられず、俺はぼんやりと口付けを受け入れる。
ギュッと瞑った目尻から流れる涙に恥ずかしさが込み上げて、何とか顔をそらそうとすれば今度は両頬を掴まれ顔を上げさせられた。

「ん…はぁ……ヒロ、さん……」

「…野分?嫌な事はイヤって言え。…その…ガキくさいとか、口わりぃけどよ……あ〜…と、…あの…今日は本当に悪かった。」

ツッと唇を濡らす銀糸を親指の腹で拭いながら、目を逸らさず、僅かに眉を寄せながら真剣に話してくれる。
涙で滲む視界の中…そっと俺から手を離し、なんと彼は床に手をつき頭まで下げ始めた。

「あっ、わ…ヒロさん顔上げて下さい!…お願い…ヒロさんお願い…」

「…でも、約束を破った。だから…その、野分に嫌な思いをさせてあんな事しちまったんだろう…?」

「だ…だけど…今回は俺がやりすぎ…ましたし……ごめん…なさい…」

今更ながらに自分のしでかした事柄に膝が震える。
あまりにもぐちゃぐちゃにしてしまったリビングやキッチンを思い出せば情けなさにまたジワリと目頭が熱くなった。

「…食器もコップも、あんなもんは買いなおせる。でも傷付いた気持ちは金じゃ解決しないんだよ……だから、互いに隠さず話そうっていったじゃねーか。」

「ヒロさん…でも……お揃いの…コップを俺…」

「お揃いなんざまた買えばいい。それより…せっかく料理作ってくれたのに悪かった。お前ももっと俺に文句でも言えばいいんだ。」

情けない…こんな年になって本当に…本当にヒロさんに迷惑をかけ過ぎた。
それなのに、ずっとヒロさんは俺の頭を撫でながら涙の滲む瞼にキスをし続けてくれて…普通こんな図体の男がボロボロ泣いててもバカっぽいのにな。

「…っ…はぁ……ヒロさん、ごめ…ごめん…なさい…」

「別に良い。お前が…その、楽しみにしてたのはわかってたし。それを忘れて飲みになんか行ったのは自分だ。」

「…でも…俺……」

「……正直。ちょっとびっくりしたけどな。でもお前も人の子なんだよ、怒ったりイライラしたり、泣いたり笑ったりしたって良い。俺になら、どんな姿でも見せてくれて良いんだよ…」

そう言ってまた、俺より細いのに、大きく感じる胸に抱き込まれた。
ヒロさんの胸から響く、優しくて暖かい鼓動にもう一筋涙をこぼしながら俺はしがみつくしか出来なかった――







Next.

【愛の言霊】

嫌われたくない…ただそれだけ。

どうか…どうか…
俺の愛よ……伝われ―――



【愛の言霊】


今日、俺は偶然にも非番で朝から部屋を片付けたり普段手抜きな家事をこなしていた。
夜には部屋で【付き合って8年目記念パーティー】をしようと約束…俺が無理矢理言ったが…まぁ約束していたのでヒロさんに頼まれていた料理の食材を買いに行ったりもした。
ヒロさんと一緒に食事が出来る事が嬉しくて、ヒロさんに食べさせたいが為にちょっと奮発してしまった。

「…よし、チキンの照り焼きもサラダも完成だな。」

我ながら頑張った料理を皿に盛り付けながら見上げた時計は午後8時。
ヒロさんから残業の連絡もないし、そろそろ帰ってくるかな、とウキウキしながらお風呂掃除をし始めた。
あわよくば、食事の後に一緒にお風呂に入ってくれるかも…なんて可愛い期待をして。





…チクタク…チクタク…チクタク…

時は進む…時刻は夜9時…何か有ったのかな、一応30分前にメールはしてみたが返事がなくて。
俺はもう一度携帯を手にする、そして迷う事なくヒロさんへ電話をしたら…

…しばらく呼び出し音がなり、そして通話中に代わった瞬間に『ヒロさん!』と呼んだ…なのに…

『…誰?……ん、クサマ…ノ…ノワケ?…先生〜電話〜…』

ヒロさんではない人の声…
―――何故―――?

「…え?あの…どなたで…」

『あ?すんませーん、先生のお知り合いの方ですかぁ?先生いま……ちょ、せんせーって!電話!クサマって人からぁーっ!!』

ざわつく電話…どこかの飲み屋?
…そんなの…聞いてない。
ガタガタ震える足を誤魔化すようにソファに崩れ落ちた。

「…ヒロさ……上條さんに代わって下さい、早く。」

低く…大人気ないとは解っているが我慢ならない、ヒロさんの電話に触れて良いのはヒロさんだけなのだから。
沸々と嫉妬心が湧き上がる…

『あ…あーはい…ちょセンセ……(…ガタガタガタッ)わっ!』

『…っわ!いて!…っつー……すま…のわ…ってて……ちょっと待て…(ザザッ)…ちょ、馬鹿!離せって、はな…ちょ……わああぁー(ガタガタガタッ)』

随分賑やかな背後にまたもイライラとしてしまった。
何も言えず…じっと、携帯がミシミシと悲鳴を上げるほど握り締めていた。

「……ヒロさん…」

『…うっ…いっつー……済まん済まん、馬鹿が酔っ払いやがって……で、何か用か?』

……何か…用か…?

「…ヒロさん?今何してるんです、今日8時には帰るって言ってたじゃないですか。」

『は?何ってゼミの飲み会だよ、俺言わなかったっ………ぁ…ああ…あー!!』

だらだらとヒロさんには珍しくした口調で話すのを聞けば、それなりにヒロさんが飲んでいるのが解った。
途中で俺との約束を思い出したのか声を荒げてひたすら『済まん!済まん!』と謝る彼に涙が出そうになった。

『ごめん野分っ!今すぐ帰るからちょっとまっ―――』

「―――楽しんで下さいね。」

(ぷつ…ツ―――…)

慌てる彼の声に苛立ち、俺は早口にそう言い電話を切る。
そのまま電源を切り、怒りをぶつけるかの様に携帯をソファに投げつけ…ダイニングテーブルに向かう。
そして迷う事なく料理を…片っ端からゴミ箱に投げつける。
手にソースがついても気にしない、時間をかけて焼いたチキンも、何もかもをゴミにした。

「………好きに…したら良い…」

気付けば…俺はキッチンで暴れていた。
皿も割って、グラスも割った、…ヒロさんが気に入っていたパンダのお揃いのマグも…今は床で粉々だ。

「……服…汚れた…お風呂入ろう…」

ぼんやりする…何もかも拒絶したい気分…俺はキッチンをそのままに風呂に行く。
シャワーを浴び、身を清めてリビングへ…室内には食べ物の匂いが充満していて気持ち悪い。
…何であんなもん作ったんだろ…無駄金を使ってしまったなぁ…

“気持ち悪い”

触りたくない…結局、俺は片付けもせず、殻に閉じこもった。
何も聞きたくない…何も見たくない…
そそくさと自室に引きこもり、繭のように、毛布にくるまって耳を塞いだ。







Next.

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