華蝶楓楼

「オレ貴女のコト、好きでした」
『え、過去形なの？』
「過去形です。今は恋人が居ますから」
『そっかー、そうだったね』
「実は六年くらい片想いでした」
『えー意外と長いねー』
「そーですね。でも貴女、ずっと彼氏いたし」
「彼氏持ちに告白するなんて趣味、オレには無いんで」
『そっかー、残念だなぁ』
「そうですか」
『うん。実は私も貴方が好きだったんだー』
「へー、意外ですね」
「で、どれくらい？」
『六年くらいかな！』
「オレと期間が同じじゃないッスか」
『ねー。勿体無かったね』
「そうですね。ホント、残念です」

「告白したら、付き合えたかも知れないって」
『あはは、ホントだよねー』
『じゃあ失恋者同士、仲良くする？』
「良いですよー。でもオレ彼女に疑われたくないんで、」
「めっちゃ彼女にメール送りますけどね」
『良いよー。私も彼氏に疑われたくないしー、』
『彼氏にメールとか送りまくるけど』
「え、別れたんじゃないんですか？」
『ふふふー、実はねー、』
『何と昨日からお付き合いが始まりましたー♪』
「アンタまた彼氏出来たのかよ」