秋が僕を殺しにやってきた

10月1日
金木犀の花が咲き誇り
甘い香りが拡がり始めた。

私はその甘い香りで秋がきたのだと悟った。
人生で経験してきた秋が一瞬にして頭の中に溢れた。

気持ちが悪い。


遠くから眺めて一人はしゃいでいた去年の夏。
秋になって大勢の席で向かい合わせに座り、アドレスを交換した。


彼はまだ良い人に見えた。

こんなことになるなんて、全く予想しなかった自分に呆れた。


思い出す程に息はあがり
嗚咽がした。


死にたくなった。


僕が嫌ってるんじゃない。
秋が僕を嫌いなんだ。