「かい…と……?」

 

まるで幽霊のように

まるで幻のように

 

まるで…

生きてるみたいに

 

彼はそこに立っていた

 

 

もう、何年も続く戦争

ボンゴレの仲間も、1人…また1人といなくなった

 

彼がいなくなったのは、この戦争が始まってしばらくたった頃

 

『……まただっ…今度は、フランスのボンゴレ支部が襲われた…』

『綱吉、』

『…次は、ここだって…っ噂も立ってる。同盟も減ってきてる!このままじゃ…っ『綱吉』

『っかいと…』

『次は俺が行く。だから、』

『だめだっ!もし海人まで失ったら、おれ…っ』

 

昨日まで普通に話をしていた仲間が、次の日にはいなくなる

次々と休むことなく続く白蘭との戦争に疲れ果てた俺に、海人は優しく、静かに微笑んだ

 

『だいじょうぶ』

『か、いと……』

『綱吉なら、大丈夫』

 

そう言って、彼は俺たちの前から姿を消した

あまりにもその姿が儚げで、悲痛そうで…俺は伸ばしかけた手を掴むことができなかった

 

あれから、10

 

再び目の前に現れた彼の姿に絶句する

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