セプテンバーは音もなく、サラリと10月を連れてきたと思えばこれまたサラリと消え去ってしまいました。時に別れも同じこと。こんなにも注いだ優しさと憎しみでさえ、秋の前では砂のように流れ去ってしまうのです。小野寺です。





なんの筋も通されなかった私の親切に、どう答えを見出せば良いのでしょうか。もはやなんの言葉も出やしない。これはもう全てを置き去って私は過去と決別するべきなのではないのでしょうか。



今こそ私は!と言わんばかりにサラサラと、流れていきます。今がひとりなのはきっと何かしらの理由や意味がある。自分のしあわせのみを追求しては自惚れる輩とは違う。私はそれを遠目で眺めては短いため息を吐くくらいが丁度いい。




こんな風に思ってしまうほど大切な存在でした。しかし、こんなエンディングは望んではいなかった。くっきりと引かれた白線の内側で私は電車が走り出すより早く、涙を飲み込んだのです。慣れている、とかかっこいい言葉でも吐いておきましょうか?




誰でもひとり。
それでも尚、時は進むのです。




お生憎様、昨日のことは全く忘れてしまう。
だからあなたなんて知りません、どちら様?