A.D.20XX年8月…
朝から客入りの少ない何でも屋【senco】の奈都の部屋
奈都は一人、趣味のネットサーフィンを楽しんで居た
奈都はいつも見る2.5ch掲示板にとても興味深い書き込みを見つけた
【某日…トーキョー駅にて大量殺人を決行有志募る】
そう言った内容の書き込みを見て奈都はほほ笑むとどこかに電話をかける
呼び鈴が長い時間なり
さも寝起きと言うような男性がうめくように電話に出る
奈・『緒方さん…今、サイバー犯罪課にいるって聞いたからかけた…。』
奈都が電話ごしに巡査長の緒方に電話をしたのである
緒方・『あぁ〜?赤木妹か…こっちゃ宿直で眠いんだ…手短に…Zzz』
緒方巡査長は宿直で仮眠をとっていたのかさも眠そうだったが奈都はそれを、気にせずに話を続けた…。
奈・『2.5chに興味深い書き込みがあった…極小規模テロリズムに該当しそうな殺人予告…内容…場所はトーキョー駅…日時は某日…。』
それを、聞いた緒方巡査長は結局、インターネットのいたずらでの書き込みだろうと相手にしなかった。
次の日…
奈都は、机のパソコンにて立案書を作っている途中、後ろから巴が奈都にくっついてパソコンを覗き込んだ
巴・『さっきから、何をそうにらめっこしてるのよ?』
不意に現れた巴に驚く奈都は悲鳴ならぬ悲鳴をあげてゆっくり巴を見るとふーんと巴は頷いた
奈・『某日の殺人予告に対しての作戦立案書…。』
ぼやっとつぶやくように奈都は答えると巴は奈都から離れていつもの濃いコーヒーを作り始めると話を切り出した。
巴・『要するに、その日に犯人がトーキョー駅でマシンガンを振り回すとか考えている訳ね〜。』
一呼吸置いて、奈都が頷くのを見ると巴は奈都の考えを笑った、理由も簡単だったからだ。
巴・『そんなの犯人がするわけ無いないわぁ…考えてみなさい…ただ、どよめくのを見たい愉快犯よぅ。』
そう、巴は犯人がネットに書き込み、周りが騒ぐのを見たいという愉快犯だと考えいたからである…。
当然、20XX年の2.5CHでは良く似た書き込みが多発している位で、巴の見解は、それに基づいた答えだった。
自然と誰しもその見解を出すに至るわけで巴の答えはいわゆる、当たり前の答えだった。
しかし、奈都は妙にその当たり前が引っかかっていた…。
奈・『巴さん…協力する気は?』
静かに巴の答えを伺う奈都は口数も少なく何かを目で訴えかける。
巴・『協力?…する気は…さらさら無いねぇ…何分今は収支の決済を出さなきゃだしね〜。』
結局、巴の答えはNOだった…。奈都は、それほど気落ちもせずに出来上がった作戦立案書を巴の机に置いて部屋をあとにした。
それ以来から奈都は帰ってこなかった…。
数日が経ち、書き込みのあった噂の日になった…。
トーキョー駅の人通りは相も変わらずでかなりの人が横行する…。
PM.19時…。
駅内の人通りは帰宅や飲み会等等でピークを迎え様々にごった返す…。
PM.19時30分…。
それは、起こった。
奈都の危惧していた無差別殺人事件が発生したのである…。
人々は、駅構内を悲鳴や怒号が混じりながら出口を目指す…。
犯人達はそれを鴨撃ちとばかりに銃火器を向け一人、また一人と殺傷を繰り返した…。
その事件はニュースにて生中継され、夕飯の支度をしていた巴は驚愕した。
巴・『まさか…本当に!?』
奈都の言葉を信じずに話を聞かなかったことがこんなことになるとは思いもよらず慌てて出立の支度に切り替えた…。
事件発生から約5分
大勢の人々が血で床を濡らして倒れ込む。
その中を一人ひたり、ひたりと歩く少女が居た…。
事務所を出たっきり(家出した)の奈都である…。
犯人達は小さな体の奈都を見るや格好の獲物とばかりに襲いかかった!
犯人達の銃火器が一斉に奈都に向かって吼え、凄まじい弾丸が彼女に飛び込んでくる!
奈・『わたしだって、巴や姉さんみたいに戦えるんだからっ!』
奈都は飛び込んでくる弾丸を縫うように避ける…。
更に、眼前に飛び込んで来た弾丸さえ見えて居るようで紙一重に避けながら一気に犯人達との距離を詰める!
犯人A・『このっ!ガキっ!弾が見えているのかよっ!』
犯人B・『そりゃ、あり得ねえ!あり得ねえよっ!まぐれだって!』
犯人C・『だったら撃ちまくれ!蜂の巣にしちまえ!!』
男達は奈都が弾を避ける姿を見て驚く。
距離も縮まり奈都は先頭に居た犯人Cのライフルを抜刀と同時に2つに切る…。
犯人Cは反動で吹き飛ぶと他の犯人達は驚いて撃つのを止めた。
すると奈都は静かに犯人達に聞いた。
奈・『首謀者は…誰?』
犯人達は黙って居たので更に叫ぶように聞いたが犯人達は口ごもり答えようとせずその沈黙を破ろうと奈都は続けて
奈・『首謀者は黙ってないで出て来て!』
叫ぶように聞いたが犯人達は黙って変わらないとわかった
奈都はため息をつくと作戦目標を変えた…。
デストロイゼムオール!!
(全てをぶっ壊せ!!)
奈都にとって姉に近づける瞬間、隠した奈都の獣を表に出す事が出来る時間である。
奈都にとってそこに居る犯人達はすでに犯人ではなくテロリストとしての認識に変わる…。
奈都は犯人に静かにしかし、強く語る…。
奈・『器物損壊・銃刀法違反・殺人罪・傷害罪・凶器準備集合罪・公務執行妨害よって情状酌量の余地なし…。』
奈都はゆっくりと吹っ飛んだ犯人Cに近づいた途端、犯人Cが起き上がりざまに拳銃で奈都を撃ち。
弾丸が頬をかすめ血が頬ににじみ出ると…。
それに気がついた奈都は、拳銃ごと犯人Cを一気に横凪ぎに両断する。
奈・『マカロフ(拳銃)程度で!』
斬りつける瞬間に、奈都はガンブレードの特徴である引き金を引き、構内は奈都のガンブレードの銃声が響き床や壁をおびただしい量の血で濡らした…。
次の犯人に標的を絞り襲いかかる直前、犯人は奈都が何者なのかを気づいた。
犯人A・『こいつ!法執行機関SENCOの赤木奈都だ!逃げろ!』
犯人B・『かなうわけ無い!』犯人達は、必死に奈都から
逃げようとして彼女に背を向けて全速力で走る…。
?・『逃がすかっ!』
聞き慣れした声がすると犯人達や奈都の周りに盾を構えた機動隊が理路整然と陣形を組み立ちはだかる。
?・『ずいぶんとやってくれたわねぇ…。』
巴が機動隊隊員の集団の間を掻き分けて現れると奈都は驚いてしまった…。
賛同しないと奈都の前で言い切った巴が前に居て騎兵隊よろしく奈都の前に姿を見せたのだ!
奈都は驚きと喜びが混じるが表情をださなかった…。
いわゆる、いつもの奈都である…。
巴は状況を見ただけすぐにそれを整理して話出した。
巴・『犯人に継ぐ!武器を捨ておとなしく投降しろ!!さもなくば殲滅もやむおえん!』
高圧的な言い方をしたが犯人達は銃を一時、構え抵抗しようとしたが奈都がガンブレードに弾を再装填をした音を聞いて犯人達は銃を捨て両手を上げる…。
それを、確認した機動隊員達が一斉に犯人達を確保に入る…。
その波に押し出される様に奈都は大勢の機動隊員達に弾かれバランスを崩し倒れそうになる。
奈・『あっ…!』
倒れ際だった…。
奈都の手を握り、引っ張ろうとする巴の姿がとても悲しく見えた…。
奈都は握る手がかすかに震えているを感じた。
力いっぱいに握っているのでは無い。
巴は、自分が無視した事で起きた事態だと思うあまりに悔しさが手通して奈都に伝わった…。
奈・『大丈夫…巴が悪い訳じゃ無い…確度…私の確度が悪かっただけ…。』
奈都は、非は自分にあると言い不器用に笑みを浮かべるのであった…。