彼とは二年と半年くらいの時間、

四六時中、ずっと一緒にいた。


毎朝起こしてくれるのも彼、

「これメモっといて」と言えば、
しっかり記憶してくれて、

あたしが好きだと言った歌は、
すぐ覚えて歌ってくれた。


彼の音楽性が好きだった。

そこに惹かれて、

「この人にしよう」って思ったの。

やっと彼が自分のものになったことが嬉しくて、

大切に大切に扱ってたのは最初のうち。


慣れてくると、彼を乱暴に扱ったり、
床に叩きつけたりして、
いっぱいいっぱい傷つけてしまって。

それでも彼は、なんにも言わないの。


今の彼と付き合う頃、
前の彼との思い出の写真とか全部捨てられなくて、

それでも
「過去の思い出も全部ひっくるめて、俺のとこおいでよ」って言ってくれた、とても優しい人。

彼と過ごす最後の夜。

思い出の整理をしたの。

あたしが気に入った風景も歌も、

全部彼が残してくれたもの。

やっぱり捨てられそうにないから、
全部大切にしまっておこうと思う。
全部、連れていくの。


最後の夜。

彼はもう、
私の好きな歌を歌ってはくれなくて、

思い出の写真も、
見せてはくれなくて、


そんな彼を見て思った。

まるで、

あたし達が出会う前に戻ったみたい。

二年前の、あの夏の日に。


あなたを忘れられるか不安なの。

もう決めたことなのに。



ねえ、ちゃんと君は幸せだった?


聞いてももう、
答えてはくれないんだね。


なのにまだ、
出会った日みたいに

君は顔をあかくする。


そんなとこも、好きだったよ。


最後の朝、

いつもとかわらない君の声

「おはよう、もう起きなよ」




ありがとう、忘れないよ
























今日は携帯機種変…!←←←