精神科医の小屋３

問い）「私は躁鬱病です。躁に入ると病気が治ったと思って服薬をサボってしまいます。治らない病気だとは分かってはいるのですが…。服薬をサボらないように気を付けるには何かいい方法はないですか？今、躁気味で入院中でだいぶ落ち着いてきました。」



躁状態で調子がいいと薬を飲まなくなるのはよくあることです。躁状態で困るのは浪費が激しい、粗暴性がある、多弁でうるさい、どこかに行ってしまう、などの症状が出たときですものね・・　それ以外は問題ありませんし・・　　でも気がついた時には既に遅い・・


周期表をつけるといいようです・・おそらく一年の中で周期的に躁鬱を繰り返していますので躁鬱のパターンを自分で予測しておいて、ボチボチやばいな・・気を付けようかなとか・・　自覚しておくのです


躁鬱病は遺伝というのがはっきりしていますので、服薬は必要です。


躁は、いい方向に向けば素晴らしい仕事をしたりするので、うまくいけば一つの才能にもなります。　　どうぞ自己管理を（・・；

問い）「産んでもらった育ててもらった恩や感謝を忘れるなとか言いますが、分かりますが、勝手に作って産んだのに何だか腑に落ちません。作ったら最後まで責任を持つのは当たり前じゃないのですか？？犬猫と一緒にする訳ではないですが…。産んだのは親だ、勝手に作ったんだろ、などと言われると反論の仕様がありません。」



人生って旅行のようなものです。自分で計画を立ててどのような旅行にするか生まれる前に決めてきたようです。あなたも今の親元に生まれることを決めたのです。勝手に産んでというのは間違いでしょう。きっと何かを学ぶためにあなたは選んだと思います。

殺人を犯し拘置所に入っている息子をもつ母親がいました。ただその母親には精神科の病気があり、全く知らない私に

「息子を助けてほしい」

と、しつこく付きまとわれたことがあります。たまたま私と目が合って、私がニッコリ笑ったから？かもしれません・・

 

それから私を見るたびに

「お願いします、お願いします」

と何度も頭を下げてくるのです。私は事情が分からず病院中を逃げ回っていました。

 

ある時、他の件の精神鑑定で拘置所に行った時、たまたまその母親に鉢合わせしました。するとまた勘違いして、

「先生、息子に会いにきてくれたのですね」

と、必死に私を追いかけてきました。私は走って逃げ電車に飛び乗りました・・

しばらくしてその母親は精神科病院に強制入院となりました。


母親の愛情ってすごいですね・・　お母さんを大切に（・・；