*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋1』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の第1章⇒
story.24:『尾行』
夜の11時が廻った。
家族に夜の挨拶をした後、美王は自室に入り、またしても屋根裏部屋へと向かった。
黒の服装に身を包むと、美王は屋根裏部屋の窓をゆっくりと開いて顔を出す。
美王:「…行くか。」
そう言って屋根裏部屋の窓から外へ出た美王は、ふと視線を下に逸らす。
美王の目に映ったのは、一台の見知らぬ車だった。
中はよく見えなかったが、美王には分かっていた。
美王:「………。」
今日が最後の犯行になる。
"美王の役目"は、もうすぐで終わるのだ。
終われば、失う代償が大きいことは分かっていた。
美王:(それでも…)
美王は窓を閉めて、屋根の上に立つ。
すると、車の中で何かが動いたことに気が付いた。
きっと向こうもこちらが出て来たことに気付いたのだろう。
美王はそれを承知で、隣の家の屋根に飛び乗って行動を開始した。
今回のターゲットは、自宅から西の方向にある豪邸。
美王はターゲットの自宅がある方向を目指して、どんどん進んで行った。
音を目立たせず。まるで闇夜で暗躍する忍者のように…。
どんどん屋根を飛び乗って先を進む美王を目を丸くして見送っていた刑事2人は、すぐに無線機で石塚に連絡をした。
刑事:「一条美王らしき人物が小窓から出て来て、屋根を飛び越えて西の方向へ進行しました。」
『分かった。お前たちは予定通り頼んだぞ』
--------------------------…
水嶋:「…動いたか。」
すぐに無線機から情報を聞いて、水嶋たち3人が乗った車は美王が向かった方向を目指して走らせていた。
姫井が運転をして、助手席に高柳、後部座席に水嶋が乗り屋根を飛び越えて進行しているという人物を探す。
すると、運転をしていた姫井が声を上げた。
姫井:「もしかして、あれ!?」
水嶋:「見付けたか!」
それを聞いて、水嶋と高柳も前から確認。
確かに、屋根の上を飛び越えている人物がいた。
黒の服装に、その軽やかな身体能力----------情報通りの犯人の姿だった。
高柳:「…本当に忍者ですね」
姫井:「なに関心してんのっ」
水嶋:「いいから、そのまま追え!ぜってぇ、見逃すなよ!!」
水嶋はそう言って、無線で石塚に報告をする。
水嶋:「一条美王らしき人物を見付けた。住宅地に向かってる」
『分かった。そのまま尾行を続けてくれ』
石塚から指示をされ、水嶋たちが乗った車は美王を追い掛けた。
美王はまだ進行を続ける。
高柳:「よく分からない…ですが、すごい運動力。
ジャンプを連続で休まず続けているのに、息切れをしている様子がない…」
姫井:「しかもこんな暑い時期なのに、いくら夜だからって…。
現場には犯人の汗は一滴も落ちていなかったはずなのに…」
水嶋:「…………。」
疑問は募る一方だ。
いくら指紋を隠すためとはいえ、夏休みのこの熱帯の時期に厚着をしていて、一滴も汗を落としていないだなんて。
水嶋:(毛髪はわざわざ抜いて落としていったくせによ…)
やはり何かが引っ掛かる。
美王は迷わず犯行現場へ向かっているし、まだ到着する気配がないところを見ると事前に調べたのか。それとも----------。
水嶋がそう考えていたその時、美王は急に動きを止めた。
とある豪邸の屋根の上に----------…。
------------To be Continued...