*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋1』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の第1章⇒
story.27:『"あの日"』
あの義兄の言葉から数日経ったある日、俺は信じられないものを見てしまった。
「………っ…!?」
義母にお使いに出された俺と義兄が自宅に戻ると、義母が腹から血を流し倒れていた。
「お義母さん!?
どうしたの、何があったの!?」
俺はそうやって義母に声を掛けながら近寄った。
何が何だか分からず、身体に触ると義母は冷たくなっていて息もしていない。
(どうして…?)
俺はそう思いながら、とにかく父に電話しようと思い立った。
ふと義兄に視線をやると、彼の手には"遺書"と書かれた封筒を持っていた。
「………。」
義兄:「"お父さんへ"って、書いてある」
義兄は手紙の表紙を俺に向けてみせてくれる。
確かに。父親の名前が書いてあった。
俺たちは勝手に中身を見た----------でも、分からない漢字ばかりで読めなかった。
「…どうしよう」
俺はそう口にして困惑していると、義兄は変わり果てた義母の姿を見ている。
義兄のまったく動じない様子を見て、俺は不思議に思った。
悲しくて、悲しすぎて、俺と同じように困惑してるんだ。
俺がそう思っていると、義兄は急にボソッとこう言った。
義兄:「…あの人を選んだから、お母さんは死んだんだよ…」
「…え」
義兄の言ってることがよく分からなかった。
自分の母親が自殺したのに、まるで他人事のよう…。
「…何で?」
俺は思わずそう口にすると、義兄はなぜかフッと笑ってみせた。
義兄:「"自殺して逃げた人"に、情なんてないよ」
「!」
どうしてそんなこと言うの?
俺はそう動揺していたが、義兄はだんだん表情を歪ませた。
泣きそうな顔になりながら、俺の前で俯いて言った。
義兄:「…お母さんのバカ!」
真幸はそう言った後、唇を噛み締めて悔しげに身を震わせた。
涙は流さなかった。
だが、あんな義兄を見たのは多分あれが最初で最後だ。
義兄はやっぱりこの現実に堪えているようだった。
義兄の言った言葉は今でも頭に焼き付いて残っていた。
それからしばらくして、俺は仕事に出掛けている実父に電話をしたんだ----------。
--------------------------…
3時間後----------帰宅した実父が死んだ義母の遺体を見た、その時だった。
義兄:「…っ………!!」
義兄が壁に叩き付けられた瞬間、実父は声を上げた。
実父:「お前がもっと早く帰ってきてればっ」
「お父さん、止めて!」
義兄の顔を何度も殴り続けている実父を、俺は後ろから抱き着いて止めに入った。
今はそんなことをしてる場合じゃないのに。
実父は俺の方を振り返ると、両肩に手を置いて心配するような表情で言ってきた。
実父:「…ごめんな。
あんなものを見て…ショックだったよな。
お前は何も悪くないんだから、そんな顔をしなくていいんだよ」
実父はそう言って優しい顔で俺を見てくる。
義母が自殺してしまい、また義兄が責められて…。
俺は義兄と一緒にいたのに。
実父はまるで俺だけが可哀相な子のように見ている言い方をしていた。
でも俺はすぐに我に返り、実父に言った。
「警察に電話しようよ」
実父:「!警察…」
病院と迷ったが、もう既に死んでいるのに違うと思ったから俺はそう言った。
だが、俺が"警察"という言葉を出した途端、父は表情が変わって突然声を荒げた。
実父:「警察なんかに連絡する必要はない!」
「…でも」
実父がそう言うから、俺は戸惑いながら義母の方を見たんだ。
このままにしたら、義母が可哀相だと思ったからそう言っただけなのに。
でも実父も義母を見てなんだか焦ってるようだった。
実父もこのままじゃ駄目だって分かっているはずなのに。
床にぐしゃぐしゃになって落ちている義母が残した手紙を読んで死の真相を理解している実父は、遺体を見た時よりも焦った顔で何か考え込んだ表情をしていた。
義兄:「ワァーーーッ!!!!」
「「!!」」
急に叫び声を上げた義兄に気が付いて、俺と実父が見たもの。
それは、包丁を両手でしっかりと握り構えていた義兄の姿だったのだ。
------------To be Continued...