*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋2』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の第2章です⇒
story.17:『容疑者候補』
高柳:「…昨日は、ご迷惑をお掛けしました」
高柳はそう言って、石塚の隣で水嶋たちに向かって謝罪をした。
前日の槐事件で、斉藤を守るためとはいえ一人で逃がそうとした結果、死亡させてしまった高柳。
そんな高柳を見ながら、他の刑事は少し考えていると、水嶋が口を開いた。
水嶋:「復帰が早すぎる気ィすっけど……まぁ、いいか」
水嶋がそう言ってから、姫井や他の刑事は苦笑の顔を浮かべながらようやく空気が和らいだ。
高柳は少しホッとした。
だが、完全にホッとできない。
"水嶋のこと"。
先程、姫井から聞いた話しだが、どうやら水嶋が中森の事件時点で直感していた犯人は、あのショッピングセンターで偶然出会ったという"武長"という青年だった。
だが、あの斉藤の事件で武長には完全なアリバイができた。
だから、武長は犯人ではなく別の人物が"槐"ということになる。
姫井:「今回の槐は明らかに相手への復讐を果たすために犯行を行っていることは皆さんももう分かってると思うんですが…。」
姫井はそう言いながら、過去の事件ファイル資料を皆に見せた。
それを見た水嶋、そして石塚たち他の刑事が目を見張る。
水嶋:「…………。」
姫井:「中森聖二、原田敦浩、斉藤健司の3人が共通している事件は3件あったけど、水嶋が担当であの二条武長って子が関係していた事件は一件しかない。」
石塚:「姫井…お前……」
姫井がファイルを開いて見ると、高柳だけが姫井の隣からファイルを覗き込んだ。
高柳:「武長って子は、被害者の弟さん…なんですね?」
姫井:「ええ。」
高柳と姫井の会話に、水嶋が座っていた椅子から立ち上がり言ってきた。
水嶋:「気にすんな。
確かに、最初に中森が殺された現場に悪魔のカードが発見され、二度目になかは……原田が殺害された時、俺は二条家を…武長くんを疑った。だが、結果は--------------」
姫井:「でも一度は疑ったのよね?武長くんは違った……でも、親への疑いは晴れてないわ」
姫井がそう言うと、高柳も大きく頷いた。水嶋はそんな2人を見ながら目を見開く。
水嶋は少し俯きながら、ある事を迷っていた。昨日の槐事件の際に感じた"違和感"。
そんな水嶋の前で、ファイルを見ながら高柳は読み上げた。
高柳:「…この事件は、アパートの一室で二条さんの娘さんが首を締められて死んでいたのを兄である武長さんとお母様が発見。
現場の様子から最初は"自殺"と判断されたが、その後の司法解剖で"他殺"の線が浮上…。
娘さんの家族が"殺されたんだ"と言って裁判沙汰になったんですね。その時の加害者の名前に、今回の槐事件で殺害されている2人と悪魔のカードが置かれていた中森がいたんですね…」
高柳がそう読み上げると、姫井がじっと資料記録を指でたどりながら読む。
姫井:「えっと、加害者は5人か。事件当日の夜、残業帰りの女性が目撃…。あ、酔っぱらいの近隣男性が加害者の一人とぶつかったのねぇ」
姫井は難しい顔をしながら読み上げた時、ずっと沈黙をしていた石塚が口を開いた。
石塚:「そうか…。姫井はこの時、別の強盗事件を任せていたからきちんと知らなかったな…」
石塚はそう言いながら、水嶋を見る。
水嶋は俯いたまま、ようやく語り出す。
水嶋:「…自信はあったし、娘を失った家族が救われるなら俺は徹底的に調べた。だが、奴らを最後まで追い詰めることはできなかった…」
高柳と姫井が真剣な眼差しを水嶋に向けていた。
水嶋:「だから中森が殺された時、悪魔のカードを見付けて嫌な予感を察した…。
"槐とは、復讐する者"って前回教わったからな…」
だから第2の槐は"武長"だと思った、と水嶋は言ってから高柳は昨日のことを改めて思い出した。
"武長は槐ではなかった"。
だが、武長以外の過去の事件に関係した人間が槐である可能性は消えていない。
それにもっとも近いのは武長の両親、主に"母親"だと水嶋は話した。
当時、母親は恨み、憎みを剥き出しにしていたほど娘を失い苦しんでいたからというのが理由らしい----------だが、次に水嶋が口にした言葉に周囲は思いの外大きく反応する。
水嶋:「でも、昨日…武長が槐に襲われそうになって駆け付けた時、"妙な違和感がしたんだ"。」
石塚:「水嶋、お前…まさか!」
水嶋がそう話した時、石塚も何かを察してそう問い掛ける。
水嶋は頷きながらこう言った。
水嶋:「…ああ。槐には仲間がいた。きっとあの仮面の女以外にもいるはずだ。
間違いなければ、槐が狙う残りのターゲットはあと"1人"だ」
高柳:「え、でも、この事件に関係していた人物は全員で5人…だから、あと"2人"では?」
水嶋:「まぁ、な。
…でも、"アイツ"は……もしかしたら----------」
水嶋はそう言った後、高柳たちに向かって"ある事"を発言するのであった。
------------To be Continued...