*はじめに*
登場人物紹介などは、『オリジナル小説『純血の殺し屋10』紹介』と表記されている日記をクリックした次のページに書いてみました。
小説は、小説と言うより脚本のように誰が何を喋っているのかが分かるようになっています。
単に、作者自身が混乱しないようにというために。←
誤字や内容の綴りにおかしな点がありましたら、すみません。
最後に言うのも変ですが、興味があったら読んでみてください。
あ。
この作品は、ミステリーサスペンスです。
あと、キャラクターの設定が少年漫画風になっています。
あと『♪』……お許しください人( ̄ω ̄;)
次から、『純血の殺し屋』の第10章です⇒
story.12:『朝の7時』
長い長い時間が過ぎ、朝の7時------------車の中で高層マンションを張っていた水嶋と姫井。
水嶋:「ふあぁ…」
あくびが一つ。
姫井:「ふあぁ…」
あくびが二つ。
朝になるまで、交代で仮眠を取りながら十条香苗の息子・隆志を待っていたが、なかなか帰って来る気配がなかった。
3時間置きにインターホンも鳴らしに行ったが、やはり帰って来てる気配はなかった。
水嶋:「何で明け方になっても帰って来ないんだ…?」
まさか夜勤の仕事をしているのだとしても、今の時間になっても帰って来ないのもおかしい気がするし。
姫井:「ねぇ、今の時間なら香苗さん出るかもしれないから連絡してみない?」
姫井の提案に、水嶋は頷く。
水嶋:「そうだな。連絡するか」
水嶋の決定に、姫井は自分のメモ帳を開き、メモ帳に記しておいた香苗の自宅の番号を見て、香苗に連絡を取った。
だが、なかなか出る気配がない。
姫井:「香苗さん……知らない番号だから、警戒してるのかしら」
水嶋:「出ないか?」
姫井:「えぇ」
姫井は諦めて、ケータイの端末を閉じた。
すると、一人の男性が足取り遅く高層マンションの中に入って行こうとする。
水嶋は反射的に車から飛び出してゆく。
姫井:「え!?ちょっと待って!」
姫井も後から水嶋を追って、高層マンションのフロアーに入ってゆくと、既に水嶋が男性を捕まえて事情を聞いている最中だった。
どうやら男性は、十条隆志と同じ階の住人だったらしい。
男性は髪を掻き上げながら、水嶋の話を頷いて聞いてくれる。
水嶋:「同じ階に住む、十条隆志さんのことをご存知ですか?
彼に会いに来たんですが、なかなか帰って来ないんですよ」
水嶋の問い掛けに、男性は考えながら言った。
男性:「十条さん……仕事柄、そんなに顔を合わせることはないですけど…」
姫井:「十条さんの職業、ご存知なんですか?」
姫井がそう聞くと、男性は思い出しながら言った。
男性:「いや、はっきりとは言えませんが……。あの若さで、このマンションに住んでるからホストでもやってるのかなーって…。
前に廊下で挨拶した時に、服装とか持っている小物が高そうだったし…」
男性は人差し指で頬をポリポリと掻きながら、そう話した。
姫井:(やっぱり……)
最初にこの高層マンションの前に立った時、絶対に普通の職業ではないと思ったのだ。
姫井が改めてマンションのフロアーを見渡していると、男性は思い出したように言った。
男性:「まぁ、ここ1ヶ月ほど見てないですけどね」
水嶋:「そうですか…。
お話を聞いて頂き、ありがとうございます」
男性:「いえ、どう致しまして」
男性はそう言うと、マンションの自動ドアの向こうへ行った。
男性を見送ってから、水嶋と姫井は再び車の方へ向かう。
水嶋:「姫井。もう一度、香苗さんに連絡してみてくれ」
姫井:「そうね。まだ職場にいる可能性もなくないから聞いてみないとね」
姫井はそう言うと、車内に入るなりケータイでもう一度、香苗に連絡してみる。
辛抱強く着信を鳴らしていると、ようやく香苗が応対する。
『……もしもし?』
姫井:「もしもし。昨日お伺いした姫井と言います。今、宜しいでしょうか?」
姫井がそう言うと、香苗は「はい」と返事をした。
姫井:「昨日聞き忘れていたんですが、隆志さんって職業は何されてるんですか?」
『……息子と会ってないんですか?』
姫井:「は、はい。マンションの前で待たせてもらっているんですが、なかなか……。
帰って来ないので、ひょっとしたらまだ職場にいらっしゃるかと思いまして……」
『なるほど……』
姫井がそう言うと、香苗は納得して少し間を置いてから言った。
『繁華街で、ホストをしています。……でも何て言うお店かは知りませんが』
姫井:「そうですか……」
姫井が落胆したように言うと、香苗はこう言ってきた。
『昨日も言ったかもしれませんが……』
香苗はそう言うと、こう続けた。
『今日、息子がこっちに帰って来るんです。
刑事さんさえ、よろしければまた来ませんか?』
姫井:「いいんですか!」
『はい。対したことは出来ませんけど…』
姫井:「いえ!ぜひ、お伺いさせて頂きます!では、失礼します」
姫井はケータイの着信を切る。
水嶋:「そういえば、香苗さんの自宅に隆志さんが帰って来るって昨日言ってたな…」
姫井:「うん。とりあえず、私たちは一旦警視庁へ戻ってきちんと仮眠を取りましょう。
ほら、運転するからシートベルトをして!」
水嶋:「おう」
水嶋と姫井はシートベルトをしっかりと絞めてから、姫井の運転でマンションを後にした。
------------To be Continued...