突然ですがウチの兄はBL好きです。
別に私は男性がBL好きなのを否定したい訳でもありません。
好きなものは好き。
それでいいと思います。
しかしちょっと聞いていただきたいのです。
あれは、数年前。
私がまだ純粋な頃…BLを本気でベーコンレタスの省略としか考える頭の無かった中学時代の話です。
私の部屋と兄の部屋は隣です。薄い壁一枚しかありません。
元々ひとつの部屋を二つに分けたのだから、お互いの部屋が狭く近いのは仕方がないことです。
そこそこ(というか兄がシスコンなので一方的ではありますが)仲の良い兄妹の私たちは、本の貸し借りをよくします。
私は兄に貸すのが(カバーが折れて返ってきたりページに食べかすがつくので)大嫌いですが、兄は私によく貸してくれます。
当時私はWJのD.Gray‐manに熱を上げていました。勿論今も大好きですが、今とは違ってREBORNにも銀魂にも興味が無かったので本当に一筋だったんです。
そんなDｸﾞﾚ大好きな私に、兄はDｸﾞﾚの本を進めてきました。私は、Dｸﾞﾚが好きな私がDｸﾞﾚの本持ってないわけないだろうと言いましたが、兄は原作者じゃない人が描いているやつだから見てみろと言います。
正直その時は意味が解りませんでした。
おつむの弱い私がアンソロジーを知る訳がなかったのです。そして、原作者以外の人がDｸﾞﾚ描いて本を出したら犯罪になるのではないかとすら思っていました。
ちらりと表紙を見るとアレンと神田、ラビにリナリーとメインキャラの姿があるものの、原作の絵とは明らかに違います。
当たり前です。違う人が描いているのですから絵柄が同じはずがありません。
しかしそれに何故か気分を悪くした私は「違う人が描いてるのは見ない」と断りました。
これで私が人の話を全く聞かない子だったことが良くわかりますね。
それから何ヵ月かたったある日。
友人が家に遊びに来ました。
その友人はかなり染まっている子で、何でもばっち来いな感じでした。その子は家に来るなり家宅捜索を始め、たまたま兄が出していたらしき例の本を見付けるなり「BL本だ!」とはしゃぎ始めたのです。
…つまり私は、その日からBLの意味と同時に兄がBL好きだということを知った訳ですが。
当時中学生だった私にとって少々…いえ、かなりキツイものがありました。
もしかしなくても兄は男が好きなのか、と思ってしまったのも仕方がないと思います。
そして疑問でした。
何故私にそれを進めようとしていたのか。
BL本を普通妹に進めようとは思わないような気がするんですが…そう思うのは私だけなんでしょうか。
そして更に最近、兄が隠していたと思われるそれらの本が何故か母の部屋で見つかりました。
見付けたのは勿論母です。その時たまたま側に居た私は兄のものだとすぐにわかったので、それを伝えました。するとただの漫画だと思っている母は兄の部屋の前にその本(数冊)を重ねて置きました。ベッド下の聖書を本棚に並べられる的なパターンです。
私に進めるくらいなのだから母にバレてもいいのだろうと遠慮はしなかった私。
しかし、数分後。
兄が母の部屋にドタドタとやって来ました。
兄「母さん母さん母さん!」
母「なに？」
兄「部屋の前の本、どうしたの」
母「ああ、掃除してたら見付けたの。りぃ(私)が兄ちゃんのだって言うから」
兄「あのさこれ友達に借りてて無くしたと思ってたヤツなんだよ。あ、もうソイツ居ないから意味無いんだけど(以下略)」
と、やけに饒舌な兄は何故か聞いてもいない友達の話をし始めました。
私は知っています。嘘です。
ちなみに兄が古本屋で今回見付けた種類の本を買っていたのも知っています。
私は言いたかった。
隠したいのか暴露したいのかどちらかにしろと。
まあ今となっては別にいいんですけど。
私もBL好きですし。
…だけど妹系の漫画や小説を進めてくるのだけは止めていただきたい。
例えば少女漫画の妹に恋をする的なやつとか大人気ラノベの妹が可愛いはずがないというタイトルのものとか…。
…何故それをチョイスした？
数ある漫画やラノベの中で何故それを選んだ？
少女漫画なんて私も兄も読まないというのに。
何故それだけはタイトル知っているんだろうか。
そして何故妹ばっかりなんだ。
何故それを実の妹に進めるんだ。
お前は妹に何を求めているんだ。
そんなの解りたくも理解したくもないけど、ただひとつ。
フラグだけは死んでもお断りしたい。
そんな前兆が見え始めたら私は「二次元に行く」と遺書を残してから死にます。
そういうことにならないためにも。
ほんと…そういうのは二次元でだけにしてくれ。
…昔から兄は度々良くわからない行動に走ることがある、そのひとつがこれです。
「進められる漫画が普通じゃない」
…兄が一度死んで姉にでも生まれ変わって来てくれないかなーと最近本気で思い始めている私がいます。
誰か、お姉さんを私にください。
