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私的推敲

ひとつのことが終わった……さようなら未来。
気持ちがもやもやしていたときに職場の人と立ち話をしていたらあれよあれよと不安を白状してしまった。おそろしい。人はこうして口を割ってしまうのか。でもこの人やっぱり頭良いんだなって思った。ちゃんと言葉の端々まで聞いてるもの。やられたり。

もやもやをどうにかしたくて、なんと小説まで書いてしまった。学生かよ。
紙一枚の物語を書きました。自分としては過去の記憶(中学生ごろのこと)をぼかして書いたつもりだったけど、読んでみるといま、現時点、つまり今日そのとき、の気持ちがありありと反映されていてびっくりした。
なにかが終わる過程に立つ人の話だった。終わるのが怖いんだろうなーと他人事のように感じとりました。
無意識のうちに心理がうつしだされている。だから読むだけではなくときにはものを書くことも大切にしたいな。思えば、書いた小説にはいつも、そのときの私があらわれている。読んでいるとこれ書いたときこんなことあったなーって思い出す。


終わるのも怖いけれど、
踏みとどまるのも疲れる。

竹下文子『電車にのって』

古いけどすてきな本だなあと思ってすすめたら、その人も「とってもよかった」と言ってくれて嬉しかった。とってもよいのよ。ピアノの話がすき。古くなっても風味をましてくる骨董品のような童話。


吉本くん『ファーストデートはおしのびで』

香川のひとなんですって。
ジャケ写よりもずっと降り幅のゆたかな音楽たちが詰めこまれていて、いい意味で期待を裏切られた。聴いてておどろきました。
かわいい歌もあれば、ハンサムな歌もあるし、ポップなのにどうしてか、そこはかとなくシリアスな香りがするし。
知らずにリピートしてしまう。「18歳以上立入禁止」がすきです。
いろんな人に聴かせられる一枚だと思うんだけどなー。

toricot『爆裂トリコさん』

「爆裂パニエさん」の台詞部分をそらで言えるように車のなかで練習しています(急に)。
〈それは君だけの感覚〉という歌のところもすきです。

呼ばれる/別れのしるし

本に呼ばれたことってありますか?

私はつい昨日呼ばれました。

県外から友人が来てくれて、一緒に小豆島に行っていたときのことです。ちょうど同じ日に小さな本屋さんがオープンしたらしく、そこでこんな本を見かけました。

高階杞一『早く家へ帰りたい』

そして、友人が帰った後、ひとりで立ち寄った喫茶店で偶然手に取った本の、偶然開いたページにまったく同じ本の名前が載っていました。ぞっとしました。



〈ぼくは/早く家へ帰りたい/時間の川をさかのぼって/あの日よりももっと前までさかのぼって/もう一度/扉をあけるところから/やりなおしたい〉

島で『早く家へ帰りたい』を見たときははたらくのが嫌という本なのだろうかと思って何も気にせず、手にも取りませんでした。

ただ喫茶店にあった『ku:nel 2013 詩とサンドイッチ』の号にこの詩がまるまる一篇掲載のかたちで取り上げられていて、自分が抱いていたイメージとの違いにショックを受けました。

この詩は、語り手の〈ぼく〉の子どもが死んだ、というところから始まります。

〈ぼく〉が家に帰ってきたとき、すでに子どもは亡くなった後で、だから〈ぼく〉は、帰りたいと思っているのです。

〈早く家へ帰りたい〉

〈時間の川をさかのぼって〉

〈もう一度/扉をあけるところから/やりなおしたい〉

かなしいんだけど、かなしいというより、忘れられない。
一度読むと心にずっと残ってしまう詩。
詩でしかあらわせないものをあらわしている。

本のことを何も知らずに勝手に誤解していた私は、今日ここで、それぞれの本に呼ばれてしまったんだと思いました。教えてくれてありがとう。


ECD『ホームシック 生活(2〜3人分)』


石田さんもいなくなってしまいました。
おわりのほうに、奥さんである一子さんが、機嫌を損ねていたときのエピソードが石田さんの視点から書かれています。こんなふうに書いてくてるのなら、それで充分じゃないと思ってしまう。機嫌が悪い自分のことを、こういうふうに書いてくれる人はなかなかいないよ。



友人と別れるとき、そのうちまた会えると思いながら、でもしばらく会えないかもなあと思ってハグをしました。別れは唐突なものではなく、いつもとなりにたたずんでいる。

そのあと喫茶店に行ったのは、すこしひとりで考えたかったから。このごろさまざまな人とかかわる機会があって、ずいぶんとにぎやかだった。

ひとりでは生きられないけど、どこかで必ず、ひとりきりで考える時間が欲しい。そう思って、ひとりで考えたい、ひとりで気持ちをまとめたい、と最近ずーーっと思っていたのでやっとそれができてよかった。

マキアートを飲みました。

メニュー帳に、〈マキアートは「しるし」という意味〉と書かれていたからじゃあこれにしようと。人生は文学なので。

あとで調べると「染みをつける」というニュアンスのようです。

『早く家へ帰りたい』も『ホームシック』も、私がしたハグも、すべて〈染み〉のようなものなのかもしれません。生きていくうえで残っていく感情や、落ちていく記憶の染みがやがて言葉になって、いつか誰かに見つけられる。



新川直司『四月は君の嘘』


読んでいて、『いちご同盟』の物語がひとつのモチーフにされていると気づいたのですが、わかりづらいからもっとそれと書いていてほしい。『いちご同盟』もみんなに読んでほしいし。そういえば『いちご同盟』には、落書きを見つける場面がありますね。あれもいわばマキアート。



桂明日香『スロウハイツの神様(コミック)』


辻村深月つながりで(新川さんは『冷たい校舎の時は止まる』の漫画版を描いています)。
桂明日香さんをもってくるところが、なかなかわかってるなあと思いました。


Mr.Children「Drawing」

高階さんの詩を読んで、この歌と『アンティーク』というドラマの大島優子さんがでてるときの回を思い出しました。



話題:本の感想

早希


今日は本屋さんに行ってもほしい本がありませんでした。
人間の心のなかには必ず欠けたところがあって、それを埋めるものが物語だよって教えてくれたのは大学の先生です。
でも本棚を何度まわっても、今日はいっこうにほしいと思う本が見つからない。
めくってもめくっても、どの本も物足りない。
くやしくて別の本屋さんに行ってもだめ。

いつもと違うことは、心のなかの埋めたい部分がなんなのか、今回はわかっているんです。
願いが具体的になればなるほど、本で心を満たすのって難しくなるんだなって思いました。だって何を読んでも結局、欠けているところのかたちはハッキリしていて、本そのものがそこにはまるわけがないから。
本のなかに近い答えがあってもそれでは安心できない。でも本が見つからないとこれまた安心できない。

今日は雨でした。朝から頭もおなかも痛かった。
土曜日に、完璧にシミュレートしていたはずの飾りつけはまったくよい感じにならなくて、まとまりのないちぐはぐなものができてしまった。
職場での会話もあんまり心が通わない。
気の重い仕事を終えたごほうびに行こうと思っていたお店は臨時休業。そして本屋に行ったところで本も見つからない。

こういう日なんだね。
明日からだんだん噛み合ってくるよ。

そういえばシャンプーをさくらの香りのものに変えました。好きなのに春しか手に入れられない(当たり前だけど)。
あるところでは「早春」「希望」と並べられた文字を見ました。

もうすぐ春ですね。


さて、この日記もやっと三百頁目になりました。
こんなにも時間がかかってしまった。



〈うまく言葉にできないということは、誰にも共有されないということでもあるのだから。つまりそのよさは今のところ、わたしだけのものということだ。〉
(川上未映子「アイスクリーム熱」より)

川上未映子『愛の夢とか』

短編集。
最初に収められている「アイスクリーム熱」は、アイスクリーム屋さんで働く女の子と、アイスクリームを買いにくる男の人のお話。
これは〈埋めようとして埋められなかった〉物語かなと私は感じました。
短いけど、ひとつの気持ちがだめになる瞬間がわかる。読んでいて、この子たちの気持ちはきっとだめになる。っていうのを進行形で感じることができる、すぐれた短編だと思います。
どこへも行けないお話の「日曜日はどこへ」も好きです。思い描いて願うほど、何も叶わなくなるよね。


スケートの本田真凜ちゃんが、負けたあとのインタビューで
「自分が描いていたスケート人生とは今日から変わっていく」
と泣いていましたが、いいコメントするなあと思いました。
昨日は大会がありました。
負けたから、自分の描いていた競技人生とはこれからどんどんかけ離れていくんだろうなあ。
こうなりたい、っていう姿があって、そこにたどり着けない自分であることを知るのはこわいことですね。予感として知ってはいても、実感するとすぱっと痛い。


〈単純にいかない未来がときめきの住処〉
ねごと『シンクロマニカ』

じつはシングル版よりも、Mizuki Masuda Remix版のほうが好きです。
サビの〈君は彼方〉をずっと〈君は変わった〉だと勘違いしてました。君は変わったって、なんてせつない歌なのかと。

私はこれから赤ちゃんで

歯がないからがんばってボーロをたべるの

って言われて、なんのことだろう?
って疑問符をうかべていたら、どうやら赤ちゃんの気持ちで離乳食を食べるのよという意味だったようです。人生は最高の文学だねえ。

いちごの香りのお風呂に入りました。クリスマスのあまりもの〜すごくいい匂いだったなー

なんかねえ……疲れました。
もうつかれました。
人生って文学ですよね。人の気持ちがいちばんミステリーだわ。相手が子どもでも大人でも、関わろうとすればするほど、なんだか自分の判断は間違っているんじゃないかと思えます。
こっちがぐらつくと、相手のバランスもだめになるんですよね。でもわからないんです。でも、顔を見るとお互いなんか違うなって思っているのであろうとか、今は大丈夫とか、わかるんですけど。表面にあらわれるものでしか判断していないことがはがいましい(いまいましい)です。

そういえば今日、心理テストをしてくれました。おうちに届いたプレゼントを四択のなかから選ぶテストで、おすすめのデートスポットがわかるらしいんですが私は「図書館」でした。やったねー

もうこういうのどうでもいいでしょ。っていちいち思うことにつかれました。みんなもいちいち予防線はられたくないよね。私だってつかれたわ。


『かもとりごんべえ』

意外とメアリー・ポピンズみたいな話なんだと驚きました。和製ファンタジーや!
でも終わり方はとってもこわいです。

Cyndi Lauper
「Unconditional Love」


椎名林檎さんのアンコンディショナル・ラブをきいてからききました。
かわいいけどエモい、そして色あせないすてきなうたですね。
〈But I'm not sure I know how
I lose faith and I lose ground〉
あーわかる〜わかる〜
ここからの
〈Unconditional Love〉
のUnconditional Loveをどう訳すかが勝負ですよね! ひと昔まえに流行った〈はあ、好き。〉みたいなニュアンスだと思っています。
無条件のというより、反射的に、いろいろ考えるまえにとても好き。そんな好き。なに書いているんですかね私は……。

林檎さんがカバーしているのはスザンヌ版のほうでは? という記述をみてスザンヌちゃんのも聴きましたが私はシンディさんの原曲が一番いいなーと思います。あの声がね……。音源化されていないものでは、林檎さんが座禅エクスタシーで披露してくれたバージョンがもっとも好きです。

はい。
かもとりごんべえとシンディ・ローパーを並べるブログはそうないですよ!我ながら!

すこしつかれました。
月曜日は職場の模様替えするんだー。バレンタインっぽくします。そのためにピンクのものやかわいいものをたくさんそろえたのだ。




燐そして青のこと、生きていくための甘さのこと。

★先週UFOをみました。
夜の六時過ぎに、空に星でも飛行機でもない大きな光の塊が飛んでいて、見た瞬間に「これはUFO」と思ったんです。だって他に何とも表すことができなかったから。
その前の晩にも謎の大きな光を見たんですけど、それはたぶん飛行機で、まだヒトが作ったおもかげがありました。でも、そのつぎの日の光はそれとはまた違うもの。

なんだろう? と思っていると、こんなニュースが。
どうやら「火の玉」だったみたいです。

日本各地で「火球」目撃か

みなさんも見ましたか?

人が死んだあとに人魂を見た。と言ったら、少年が「燐だよ。人魂じゃない」って言う漫画か小説を読んだことがあるんですが、なんていう作品だったのか思い出せない。お墓でたまに光ってる。


★「なにか青いの」
とお願いして、つくってもらったカクテルが最初の写真です。これを飲んだ日は夜の二時まで飲んで、ラーメンをたべて、三時半くらいに寝て、朝の九時から練習に行きました。かたく積もった新雪の上を、きらきらと歩きました。わかったことは、犬は深夜でもすぐ起きる(夜の三時に吠えられた)ことと、すぐれた人でも生活のなかに孤独な部分はあるということ。そして自分を守るためには、それぞれの方法があるということ。うまくいかない話をたくさんききました。


★「ほんのすこしの甘さが大事」
と書かれた紙を見ていたら、後ろから「甘いだけじゃだめなんやで」と声をかけられました。私はその人のことけっこう好きなんですけど、その人にも「私が男だったらあなたのことけっこう好き」と言ってもらえて嬉しかったです。
急に言ってくれたのも面白かったし、そういうところでの嘘はつかない人だから余計に。
全然、ふたりとも似てないんですけど、感覚はそんなにかけ離れていないなって思っています。楽です。
お互い「好き」ではなく「けっこう好き」っていうところにその近さがあらわれている気がしました。好きすぎないんです。
たぶん、私の肯定力のなさもわかって言ってくれたんだと思います。


ポパイ 1月号

昨年に引き続き「ガールフレンド」特集。かわいいものです。


装苑 2・3月合併号

音楽特集は今月だったのかー。今回はパラパラと読んだだけ。

『ママレード・ボーイ 完全版(1)』

先日なんとなく読んだのですが、中学生のときに失恋した記憶のところ、けっこう辛いですよね。


星新一「ボッコちゃん」

「殺してやろうか」
「殺してちょうだい」
のやり取りが好きなのですが、そう言ってくれる割には殺し方がつめたいなと不満です。そこがこの話のミソなんですけどね。
この話を知ったのは『ミステリーボニータ』という雑誌に載っていたコミカライズ版を読んだからでした。まだ小学生だったのかなー。ぜいたくな時代でした。先日、文章であらためて読みました。そもそも、殺してちょうだい。がつめたいから、殺し方もつめたくなるよね。

『ブルーバレンタイン』

かなしい。青がきれい。

角田光代・堀江敏幸
『私的読食録』

『異人たちとの夏』をあげているところが最高です。『異人たちとの夏』はもうほんとにだめ。書評だけで泣いてしまうのに原作を読んでいない(!)
映画はまた再チャレンジできるかなあ。途中で泣きすぎてだめだったの。



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