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ほろ苦いのがお好き

〈今度逢うときはコートも要らないと/そんなに普通に云えちゃうのが理解らない〉

ともさかりえ『カプチーノ』より引用
(作詞作曲:椎名林檎)


ある人があるSNSでここの歌詞を紹介していて、へーそんな歌だったのかあと聴いてみる。
梅の花が咲き始める季節の歌。

〈あなたが此処に居る約束など/1つも交わして居ない〉

ここの歌詞、林檎ちゃんの「茜さす 帰路照らされど…」を思い出す。あの歌のなかの、
〈また約束も無く今日が海の彼方に沈む〉
〈今の二人には確かなものなど何も無い/偶には怖がらず明日を迎えてみたいのに〉
などの歌詞と同じあじわい。

今日は朝、職場に行くと昨日は来なかった人がぼんやり床をながめていて、なんとなしに言葉を交わして、
「他人は簡単に信じられない」ということで意気投合した。
近づいてきても離れていく人はいて、目的はあるけれどその本意は自分と本質的に関係のないところにあって、目的が終わったらさっと消えてしまう。そんなこともあるから簡単に信じてしまうことは危険だよね……というような会話をしました。ごく簡単に。
夜は髪を少しだけ切りに行きました。なんとも言わないけれど、なんとなく異動の予感。それだけ長く同じところに通っている。

確約もないのに未来を思ったり信頼するというのは簡単なことではないと思うんだけど、それをしないと動き始めない。でもなかなかできない。

『ほんのきもち』

贈りもの、をテーマにしたアンソロジー。小説も随筆もイラストもあります。読みやすくカラーページもとてもきれいなので、これ自体が贈り物に適しているかも。リボンでくるんでほんのきもちです、と渡したい。
文月悠光がエッセイ書いているんだなあ。でも彼女もいわゆる大人の年齢に突入するのかあ。同い年という事実が(彼女のありあまる才能に対して)私には絶望なのだけど、それによって励まされる部分もあるような。

『うかたま 1月号』

こちらも贈りもの特集。この表紙かわいいよね。うかたまは写真がすてきなのがよいです。
おつけものを紅白で贈るというページが印象的。


新田章『恋のツキ(6)』

川谷絵音が書いているオビの文句をみて、「恋のツキって、尽きるの意味もあるのか…」と気付く。〈もしかして あたしがハズレだった…?〉みたいなモノローグ(うろ覚えです)が刺さるのだー。
好きって長続きしないなあ。だからいや。

〈梅の散る午後にもちゃんと二人は今日と同じ様に人混みを擦り抜けられるかしら〉
(『カプチーノ』より)


今日の音楽

春となりむめももあんずさくらシフォン

春隣【はるとなり】
……春がそこまで来ていること。

白井明大
『一日の言葉、一生の言葉』


ぽかぽかしてましたね。
一月から菜の花がひっそりと咲いていたのを知りながら、知らないふりをしていた私ですが。
夕焼けもゆっくりやってくるし、風がぬるいし、もうごまかしようがなく春ですね。
「四月は残酷な月」とあたたかい車の中でつぶやいていました。(※まだ二月)

今日は職場の人とランチに行ったんですよ。途中で梅の花が咲いていて、立派な木を前に梅なのか桃なのかわからなくなって(国文学科失格)、一瞬「うめ……もも、いや梅……?桃。やっぱり梅!」と言っていたらその人におおいに笑われました。
ランチに行った先で、べつの同僚たちと遭遇して離れて座って、あーだこうだいいながらご飯を食べていて、急に疑問が心にうかぶ。
なぜこの人は私なんかとご飯に行ってくれるんだろう。他の誰かとも出かけているかも知れなくても、どうしてときどきは、私なのか。なにかの配慮なのか……。
なによりもなぜ、私がこんなふうにしか考えられないのか?
疑問をいだかなければ何事もただ楽しいだけなのに。

春の花の咲く陽気……さくらの花の咲く容器。スターバックスのさくらフレーバーを今年も頼んで飲んでいる。シフォンケーキも食べている。思えば進学で地元を離れることが決まった春にはじめて飲んでから、毎年なにかの儀式のようにさくらフレーバーを身体にいれる。
さくらラテ(もしくはさくらフラペチーノ)を飲むと春が来て、新しい生活が幕を開けていく。私の中でさくらフレーバーが、春の暦となっている。

春の訪れを知るとさみしくなるんですよね。
秋も冬もさみしさはあるけど、はじめからさみしい顔でやって来るから逆に謎の安心感がある。
でも、あたたかい顔をしながらやって来る春のほうがずっと恐ろしいような気持ちがします。
秋や冬みたいに季節のせいにできない感じもあるからかなあ。春という季節はどこにも逃げ場のないようなざわめきがあります。
何かが終わっていくことの多い季節だし、始まってしまうことがすぐそこで待ちかまえている。そういうことが、春の花や空気からはっきりわかってしまうから、春が憂鬱なのかもしれない。


メランコリーって言う言葉のひびきも春っぽいね。みんな幸せだったらいいのに。

『飛ぶ教室 第56号 転校生』

このテーマこの表紙、すてきすぎませんか?

『Maybe! Vol.6 学生時代』

著名人の学生時代を特集したムック。
これもいいですねえ。何となく懐かしい気持ちになる構成でつくられているような。90年代とか00年代初頭みたいな。雑誌そのものがアナログだからそんな思いがするのかな。


『Hanako 3月号』

この実物のピンクがとてもかわいい。

『一生困らない女子のための「手に職」図鑑』

こういうタイトルの本は無くなっていくんですかねえ。それとも女子、は永遠のムーブメントなんですかね?中身はたいへんよいとおもいます。

夢のなかの失われた手

※グロテスクな表現があるため苦手な人は読まないでください。


今日の遠征はたくさん人数がいて楽しかったけど、いつものメンバーとはうまくコミュニケーションがとれなかった。
そのあと一人きりになって、お風呂でからだを洗っていたら急に左の手首がちぎれた。
痛みはなくて、できものが治ってとれるように手首からむこうはごく自然にちぎれ、ひっぱるとからだから離れていった。
右手にとれた手を持っている。
シャワーの湯はずっと出ていて、そのお湯でちぎれた左手を洗った。とれた左手はしだいに温度がなくなっていき、水分を吸ってぶよぶよとふくらみを持っていた。
これ「猿の手」に似ているなあ。猿の手とは三回願いを叶えてくれるというものだ。この手首どうしたらいいんだろう、とりあえず浴槽のへりにちぎれた左手を置いて風呂場を出た。
髪を拭いてまだ温かいタオルで、手首から先のなくなった左腕をくるんだ。ようやく断面が少し痛み始めた。けれど擦り傷のような痛みにすぎない。
体が切断されたとき、指とかなら、生理食塩水につけておいて病院に持っていけばくっつけてくれるんだっけ。
そう考えながら、とりあえず人のいるところに向かって、手首がとれたんです。あ、痛みはそんなにないので大丈夫です。とれた手首はお風呂に置いてきてしまいました。と説明しながら、だんだん焦ってきた自分に気づく。
手はまた生えてくるものだと思っていた。でもそうじゃなかったらどうしよう。左手が二度と元に戻らなかったら?
不安と共に、傷口の痛みも増してくる。気絶するほどでもないし出血もない。けれどはやくこの痛みをとりたい。手首をとりもどしたい。


そんな夢を見た。
起きたときに手首を探したけどきちんとありました。
すごくよく覚えているけど、もうこれ以上時間がたつと忘れてしまうと思うので、書き留めておきました。

手首から先を失う妄想にとらわれてガストにずっといるみたいな短歌があって、学生のときすごく好きだったのに誰の歌なのか思い出せない。

あと、学生のときに片手を奪う話を書いたら「川端康成の『片腕』読んだことないんですか?」って言われた。

夢の中の、温度を失っていく左手の感触が忘れられないんだなあ。

ユキノヤネ

〈太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。/次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。〉
(三好達治「雪」より)

私を眠らせ、私のなかに風呂わきゆく。
最近お風呂たいてると、たきあがるまえに寝てしまうんです。とにかくよく寝る。つかれた。

車に乗るとき、すきま時間に地図(ナビ)の地名を見るのが好きなのですが、今日用事をすませて帰っていると「主基斎田の碑」という場所がありました。
帰宅して調べてみると

・主基斎田の碑【すきさいでんのひ】
〈天皇即位式典の大嘗祭に供奉する新穀を栽培する田を斎田といいます。(略)/1914年(大正3年)2月、宮内大臣から、「来ル11月13日行ハセラレルベキ大嘗祭ノ斎田ハ香川県ヲ主基ノ地方ニ勅定相成候・・・」の通知が知事にあり、 これに基づき知事は斎田及び斎田奉耕者を決定しました。(略)/主基斎田を記念し、1915年(大正4年)には、群立主基農林学校が滝宮村(現在の、県立農業経営高等学校・綾川町北)に設立されました。〉

(綾川町商工会HP「主基斎田のあらまし」より一部抜粋)

なるほどー。だから農経高校(農業経営高校の略称)はこのへんにあるのかー。
と納得しました。たまにはこんなローカルトークもします。

藤末さくら『さんかく屋根街アパート』

あらすじ
仕事を辞め、彼氏と別れ、身ひとつで生まれ育った街に帰ってきた美月。彼女にはある目的があった。それは亡き父のような、一人前の瓦職人になること。
弟子入りをお願いした工房は、幼なじみの旭の家で……。

「さんかく屋根」とは伝統的な瓦屋根のことで、その瓦を作る職人を目指す女性のものがたり。ときめきありありの、ジャポニズムお仕事漫画。

しかし真の正体は、藤末さくらに王道少女漫画を描かせるとこうなるぜ!!!な漫画。屋根より何より(すみません)これが藤末さくらなのか!?という衝撃がつよい。
ほぼ長屋なアパートでイケメンとひとつ屋根のした。優しいヒーロー。ひたむきでしゃきっとした主人公。そして主人公をとりまくヒーローの兄・弟との微妙な関係性。
……と、キラキラてんこもりなのですが、ヒーローと主人公のどうこうより、お兄ちゃんが野心をもってプロポーズしてくるところが一番好きです。


LOVE PSYCHEDELICO
『THE GREATEST HITS』

久しぶりに聴いてます。
以前と変わらず「Your Song」が一番好きですが、いまになって聴く「Last Smile」も沁みます。ラブサイケデリコのうたきいてると藤末さくらの漫画を読みたくなるんだなあ。(むかし聴きながら読んでいたから)


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