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私だってその花が好き

「また会えそうな気がします」と、初めて会った女の子は言う。さっきまでの空間では、さめた目をした人だなとしか私は思っていなかった。でもふたりきりで話せば思っていたよりもすっと、彼女の言葉が身体のなかに入ってくる。
また会えそうな気がします。
私もそう思います。また会える人にはどうしたってまた会えるのだから。それでも彼女が教えてくれた、彼女の個展が開かれる日を予防線のように記憶にとどめようとする私がいて、彼女の名前を何度かあたまのなかで繰り返した。

そうしているうちに、別の女の子と偶然再会する。ほら、やっぱり会える人には会える。
でもそれを報告した別の人は、「彼女はどこにでもいるから」とだけ言う。夢からさめてしまったような気持ちになる。
今日は、過呼吸になる夢を見た。夢の中で過呼吸になったとき、私はとても安心していた。

あなたはそこそこドライだ。
私はつまらないことしか言えなかった。もっと突き刺さることを言ってやれば、もっと違っていたのかもしれない。でもそんなことしないのも本当の私。

〈あなたの匂いを思い出さなくなるようなつまんない女の子にはなりたくない〉

(「Do you think about me?」/aiko)


相手を責める書き出しから始まるのに、大サビに向かうにつれて元凶となった自分の罪を告白し始める衝撃の叙述トリックラブソング「Doyou think about me?」を口ずさみながら帰る。私はつまらない。
それでも私だってあなたと同じ花が好きで、それを誰も知らない。だからってどうにもならない。
そもそもが違うの。いまがおかしいの。昨日と今日だけが違ったの、明日からは普通なの。

〈とっくの昔に知ってる だけど知らないフリ演じてる/もう 疲れたよ〉
(同上)

夢で過呼吸になったときあんなにほっとしたのは、苦しくなった自分の状態を他人に知ってもらえたからだろう。

今日会った人たち、みんな黒い服を着ていたなー。また会える気がしますの彼女だけ、白だった。
こんな感じでいつもどおりです、年明けも。ごめんなさい。

原田ちあき『誰にも見つからずに泣いてる君は優しい』

このカラーリングさえ受け入れられたら、いいんじゃないでしょうか。私個人としては、眺めているとちょっとバクバクしてくる。でも書いている内容は、それな感つよい(語彙がない)。
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