スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

一緒に不幸になろうよ

そんな言葉を目にして、久しぶりに、自分よりも暗めの深淵を他人のなかに見た気がしました。それでいてとっさに〈一緒にあの部屋に棲んでお互いを傷つけあおうよ〉という穂村弘の本の一節が出てくる自分もだいぶ闇が深いなと思いました。
最果タヒさんの本とか読んだらいいのかもしれない。世界中の愛してるがわたしを殺していくみたいなやつ。

宇多田ヒカル
『First Love』


この歌が入っているCDを長らく無くしていたのですが先日発見したのでウォークマン(私はいまだ"ウォークマンNW-S14"ですよ!使いよい)に入れました。
この歌って良すぎて逆にそんなに聴かないというか、秀作ゆえに忘れてしまうときもあるんです。でもいろいろ、最近の「初恋」とかも聴いてからはじめのアルバムに戻ってくると、原点の良さというか、てらいのないストレートな歌声が秋の夜長にしみるというか、まあ天才っすね。いい歌です本当に。
いろいろモヤモヤしていたこともこれを聴いているうちになんか天才の前にはなにもかなわない、ただの人の子というか……どうでもよくなってきました。日本語乱れすぎですが。

アルバムのなかだと「In My Room」が好きです。うちの母親も好きと言っていました。〈泣いて笑ってきずつくのもいいけど/夢も現実も目を閉じれば同じ〉とかね、十代の女の子に教えられる哲学が満載。

夢を見て、ひとつは大学のときの友人たちと車に乗ってどこかへ行く夢、もうひとつは自転車が勝手に速度を上げて、人目のない道を選んで走っていく夢。でした。



灰色の窓口

「私はあの人の窓口じゃないよ」

と、電話のむこうに言ってしまうそんな夜。
私だって心配してるんですよ、でも少し疲れた。

実は昨日髪を切りにいっていて、前髪をとても短くしてしまいました。
今朝は仕事だったのですが前髪やばいし目が腫れてるからさらに前髪が短くみえるし雨だし……いま外はすごく静かだけど嵐は本当にくるのかなあ。

昨日泣いたからか今日はなんとなく落ち着いていました。手相占い行きたいなあ。(全然落ち着いてない)

でも自分にとって、ストレスなんだろうなあと思った。だからそれはどうにかしないとなと。
泣いてる理由とはじめに書いた電話のことはまったく別件なのだけれど、どちらもどちらかといえば好きなことなのに悩ましいというか、悩ましいというしかない。

ハルノ晴
『あなたがしてくれなくても(1)』


『あなたがしてくれなくても(2)』


一巻はけっこう前に読んでました。
今回思ったのは、わりと写実的(生々しい)なということと、さみしくなって電話をしてしまうというのがすごくあれだなって思いました。人の弱い部分だなって。
こう、夫婦仲が悪いわけではないというのがあれだなとも思う。人間関係ってむずかしい。



秋は雑誌がかわいくなるのでいいですね。


UVERworld
『ALL ALONE』


このうた好きなんです。夏休みのころにはじめて聴いたから流すと海辺の風景を思い出す。

涙をひろう感情線がぬれる

〈いれものがない両手でうける〉
(尾崎放哉)



落ちてくる涙を両手で受け止めようとすることを詠んだ句だと思っていた。

でも実際は人から恵んでもらったものを両手で受け取るよろこびの一句らしい。
〈咳をしても一人〉の印象が強すぎるからなのだろうか、まっさきに浮かんできたのは、てのひらの器にたまる孤独な涙だった。

この〈咳をしても一人〉という言葉が最近の私を呪っていて、何かをしたいと思うたびに私が私に〈咳をしても一人〉だとささやいてくる。
私の肉体はそこで動きを止めて、布団の中から出てこない。

「このごろ尾崎放哉なんですよ」
「尾崎放哉?」
「せきをしてもひとり」
「種田山頭火ですね」
「種田山頭火ではなく尾崎放哉です」
「そこまで落ち込んでいるようには見えないですよ」

そう。みんなそう思っている。
この前だって。
「るんるんですか」
「なぜ?」
「爪を塗っているから。なにかいいことありましたか?」

悲しくて気分転換に塗りました。


〈いつも元気だなんて決して思ったりしないでね〉
(aiko「September」より)



aikoの「嘆きのキス」っていう歌に
〈繰り返し涙が落ちる音を静かに聞いていた〉
という歌詞があるんですが
尾崎放哉ぽくない?

インタビュー(私の記憶では)によると、aikoはベッドの上に落ちる涙の音を、ひとりでずっと聞いていたんだって。みんな病んでる。







くるり
『琥珀色の街、上海蟹の朝』

いまこのうたを聴きながら無限に泣いているんですけど私つかれてるの……?MVを観ていると犬がでてくるところから涙がとまらなくなるんですけど



話題:どうでもいい話

雨の中を走れば

〈夏ゆけばいつさい棄てよ忘れよといきなり花になる曼珠沙華〉
(今野寿美)

『短歌タイムカプセル』


ばっと開いたらこの歌があった。
これだよ。この気持ちなの。
曼珠沙華の花言葉は〈また会う日を楽しみに〉らしいですよ。毒があるからね。

〈いつまで生きる 曼珠沙華が咲きだした〉
〈なかなか死ねない 彼岸花さく〉
(種田山頭火)


雨の降る中を走って、追い抜かれた。遅いよと言われながら。他のみんなも走っているがそれを追い抜く気力が私にはない。
途中から帰りたかった。
あと、本当のあなたがわからない。本当のあなたはたくさんいそうだと言われた。本当の私も偽物の私もなくてただつまらない人間がいるだけだと思う。私は自分のことが好きではない。
大きな声で話している人もお酒に身を任せて自制が効かなくなっている人も、他人を評価することでコミュニケーションを取ろうとしている人もみんなつまらない。そんなことを思って黙ってしまう私が最もつまらない。
「"お酒を飲んでも変わらない"をどう言い換えるかわかりますか?」
「わかりません」
「それは"お酒に強い"わけではなく、"飲みが足りない"と言う」

大学生でもないのに。







湯川秀樹『詩と科学』

自分のなかにいる自分がよいものかわるいものかどんなものかはわからないものだ、

執着はそれを捨てられないで抱えていることが、自分をつくる原動力になっていることもある。

というようなことを書いていて(原文ママではないですよ)なるほどなあと思った。京極夏彦の作品のなかで、人間関係は鞄のようなもので重くても古くても捨てるのをためらうと書いていたのを思い出した。



〈けっきょくのところ君はさ/どうしたいの?/まじで僕に愛される気あんの?〉

あいみょん
『愛を伝えたいだとか』


つまらないと思っていたところに流れてきた歌。

薔薇の色は青

「死にたいと言ってきた人に、じゃあ一緒に死のっかって答えたら引かれました」
「僕は、死にたくなったら死ぬまで俺のところでこき使ってやるって言ったら引かれました」

骨の髄まで使ってくれよ。


またこんなやりとりも

「伊勢物語で男は女をさらっておんぶしてるときに、こういうやりとりをするじゃん。
〈あの玉みたいなのなんですか〉
〈あれは白露〉
〈しらつゆ、ってなんですか?〉
〈えっ? (……かわいい)〉
世間知らずなところに不意をつかれキュン。
つまり伊勢物語は過保護のカホコなの」

私つかれていたのかな……


なんかもう終わってるんですよ。薔薇の色は青なんですよ。わかっているけど私のなかではまだ燃えていて私のなかだけで燻っている。
文章もちぐはぐだしだめだめだ。私は人のことが嫌い。


メアリー・アン・カウズ
『名画の中の料理』


たべものの絵だけではなく、食器のように詩や物語が添えられています。思いがけず詩的な一冊で素敵でした。
とくに苺のところが好きです。たべものを表現する文章はやっぱり甘美なものがおおい。

ひとりごと

前の記事へ 次の記事へ