1980年末期…アメリカ連合公国は、先進国群として東の大国であるロシア帝国に対する軍備のために周辺国を吸収し強大化、従わなくば力ずくでの施政により、日本もアメリカ連合公国の力に屈し国土の70%を占領される、この時、初めてアメリカ連合公国は最初期の有人人型兵器AG【M1スチュアート】が投入され…日本の自衛隊は、ほとんどなすすべなく、圧倒されてしまう。
しかし、日本は、当時のAGをもとに極秘裏に無人人型兵器pacel(パセリ) を開発…国土南西の主要兵器開発地域と首都圏を解放する多大なる戦果を上げた…それから…数年…。
pacelを消失したもの日本は、独自で開発した第一世代型汎用AG【流月:ルゲツ】の投入によってアメリカ連合公国との戦闘を拮抗させ今に至る


90年中期…雪の降る。
トーキョーシティの旧自衛隊施設ネリマベース…。

長身で容姿の整った一人の女性が門前で衛兵と話をしていた。

女『新設される部隊の召集がここでと聞いたのだけど…?』

手元の黒いファイルの中身を衛兵に見せるが明らかに衛兵より10cm近く大きく圧倒していた。

衛兵は、大柄な女性を前に少々戸惑いつつファイルの内容に目を通す、中身は単純に【隊員通過許可証】と書かれて居たので衛兵はその点は、承諾した…。

衛兵『新設の部隊?いや、聞いた事が無い…申し訳ないが、こちらで無く、そこの事務棟館内
の受付で聞いてくれ…。』

どうやら、新設される部隊の内容は極一部の人間だけにしか伝わっていないようで、女は、上層部クラスの秘匿度で有るのではないかと予想すると、にっこり笑い寒空の中、衛護をする衛兵にねぎらいと礼をするとベースの事務棟に足を運んだ…。


受付に立ち寄ると窓口では疲れた表情を見せる女性士官が事務処理をしているのが、受付窓から伺える…。
女は、着ていたコートを脱ぎ、積もった雪を払い一段落つくと、受付の窓を軽くノックした、それに、気が付いたのか事務官は、こちらに体を向けるが顔がまだ書類に向いていた。
事務官『あぁ〜ごめんなさいね〜立て続けの処理業務があってね〜。』
事務官は、書類を引き出しにしまい、女の方へ顔を向けて窓口から見上げるように彼女を覗くと、少々驚いた顔を浮かべながらに笑った。
事務官『はいはいはい…ごめんなさいね、大きな女性だったもので…小さい頃にバレーボールでもしていたのかしらん?』
おばちゃん笑いをする事務官に笑いながらにバレーボールは良くやっていてとても楽しかった思い出を返し、本題に入るとおばちゃん笑いをしていた事務官も仕事の顔に切り替わった。
女『今日付けでここ配属になりましてね…総理大臣直令の…。』
途中まで言いかけると事務
官は、一枚の用紙を取り出した…。

【配属届出書】
簡単な書類だったことに女は、驚きつつ配属届出書に記入をすませ事務官に渡すと一通り目を通した事務官は、特設の会議室があるのでそちらに行くようにと女に伝えた。
女『分かりました、ありがとうございます、では、そちらに向かってみますね。』
女は、事務官に礼を言うと軽く手を振り指定された部屋に向かう、すれ違う士官は皆、珍しそうに女をみる
凛とした出で立ちにスラリとし制服を着こなした姿はさながら外国人のモデルのようだった。
時々、女性士官が通り過ぎるが士官の制服は鶯色、しかし、女の制服は白く右腕には細い一本の赤いラインが一周しており異質な感じがっていた。

女は、目的の会議室につくと、ドアをノックして、入室する…。

部屋は、意外と中規模の広さがあり中央にはブリーフィングコンソールが設置されていたが、誰もいなかった…

誰も居ない会議室を一通り見回して本当に誰も居ないのを確認すると女は眉間にシワを寄せてぶすっとした顔をした
(-"-;)

椅子に座って待つ…5分…10分…。
女は、苛立ちを隠せないようで腕を組み人差し指で拍子をうつ…。

15分…。
ヒールの足音が入り口で止まる気配がするとノックの音がして誰かが入ってくる…

入って来た人は、女を見るなりに少しうなずき一言ぼやいた
人『…一人…か…05…大丈夫…一人しか居ない。』

05を呼ぶ金髪の女に対して女は、立ち上がると、金髪の後ろに目を向けた
05と呼ばれた少女は金髪の女の後ろをついて歩くように女を冷たく冷めた目で見られた…女は、その冷めた目に動じず金髪の二人にあいさつをする…。
女『はじめまして、私は、RA04、巴弐式…新設される部隊へ配属される者です、あなた達も同様で?』
巴弐式と名乗る女は、大体の質問を投げかけながら握手を求めるが金髪二人は、表情を変えずに女性側が少しうなずきかげんに問答に応える。

金髪女『えぇ…配属される者でして、私は、RA005ルーンナイツですわ…こちらが、妹の…05…ホワイトナイツ…ですわ。』
軽く自己紹介を済ませたナイツ姉妹は、巴の掛けた席から、少し離れた位置で腰を下ろした。

巴と名乗る女は、どことなく二人から受ける、冷めた目線になんとなくだが不安を覚える、その答えは簡単だった、姉のルーンナイツと自分を比べた時の体付き…明らかに軍人としては、華奢に見える、おまけにその妹は、年端も行かない幼さが顔から伺え戦闘経験は、ほとんどなさそうなのである…。
巴は、非常に不快に思った…。
軍には彼女等のように間に合わせのような人間がいるのだろうと、自らの存在も間に合わせのような物なのかもと…。


しばらくして入ってきたのは、ようやく正規軍の制服姿それも白と黒のモノクロのデザインの制服の黒人である、巴はすぐさまにモノクロ制服の人を見ると…立ち上がり気をつけをする…。
それを、見てナイツ姉妹もゆっくりと様子を伺うように席を立った。

制服は、書類に目を通し、そこにいる人間の顔を確認すると口を開いた。
制服『着ているのは、巴弐式、ルーンナイツ、ホワイトナイツか…ランは…どうした?。』

制服は全員の顔を確認し腕時計を見るとため息を付いたところで
巴が話すことの許可を求めると制服は承諾した。

巴『申し訳ありません、ランと呼ばれる者を存じ上げかねますが、そのような者がこちらの新設部隊の一員で?』

その問いに制服は、少し驚いた、詳細の情報が個々に行き渡って、おらず新設部隊の召集だけが個々に行き渡ってしまった…手違いと語る。
制服は、少し考えて居ると…召集時間ギリギリになって、茶髪の少女が乗り込んで来た…。

ドアを、開けて入ると少女はすぐさまに敬礼をして自ら名乗る
茶髪『遅刻、申し訳ごさいません、RA03:ラン、只今、出向いたしましたっ!』

蘭は、少々肩で息をしていたようで走った事が伺えた…。
制服は、腕時計を確認しうなずくと蘭を見て笑う
制服『さすがは、月産工業だ…狼の毛皮を着た羊にだけは、なるなよ。』

皮肉たっぷりに時間のことを注意すると…。
入室一番手の確認を始める…その問いにすぐ、巴が自ら挙手をすると制服は、書類に何かを記入した…。
制服『ふむ…八菱重工は堅実だなぁ…時間的に余裕を持ってここに来たか…よし、八菱重工の04、巴弐式…貴官が隊長を勤めよ。』

新設の部隊、隊長にざっくりと任命された巴は、制服に今回の件に関しての全ての問いを突き付けるとそれは、予想通りの質問とばかりにあっさり返す
そして、巴がとある質問を投げると制服からは、驚くべき答えが返ってきた…。

巴『この新設の部隊の司令官はどなたですか?この部隊の創設意図は?運営管轄部署はどちらに?』
複数の質問であるが制服は笑って応える、あまりにもシンプルすぎる質問に、制服は大笑いをした。
制服『はっはっは!…部隊の司令は私だ…外国人だろうと日本の心を知らない人間がいないわけが無かろう、改めて自己紹介だ、私は、柿崎・チャールズ・ダグラス…階級は中将だ…この部隊の創設意図は、簡単だ…一つは貴官等は、日本軍、最新戦闘AIでありながら人型汎用機動兵器レディアーマーのコアである…のは自分達で理解しているものとし…そのRAのみで構成された実験部隊として、日本をアメリカ連合公国からの全土解放も兼ねての新設である…ただ、機密レヴェルは高い…故に管轄部署としては…政府直轄の小規模中隊ではあるが…直轄の機動中隊だ…。』

ダグラスは雄弁に語る…。最新兵器である巴達は、自身が兵器であり戦うために作られた事はすでに、開発メーカーから伝えられていた。
だが初めて、最新鋭兵器として日本軍へ、召集され軍部隊として立ち上げられ、日本解放の希望を託された、この部隊は、占領された国土や人々を解放するための作戦の始まりの第一歩となり…日本解放作戦はゆっくりと着々と動き始めたのである…。