落書き:目玉


生きていない目玉は何も映さない




シン・ゴジラ


話題:映画感想


※ネタバレ含む


昨日のレイトショーでシン・ゴジラを観に行ってきた。
ゴジラは子供の頃に特撮好きな叔父さんにビデオを見せてもらったりしていたので、懐かしさ半分トラウマ半分な気持ちで観たのだが、なかなか見応えのある映画だった。

取り敢えず、見ていて真っ先に思ったのは昔のやつってこんなに絶望度高かったかな?である。

東京は滅茶苦茶。
作戦は悉く失敗し、政府の総理含めた重要人物達は死体も残らないような死に方をし、ゴジラは次々と形態を変え、攻撃性を増していく。
頼みのアメリカの攻撃も効いてはいたものの完璧な駆逐は出来ず、逆にやられる始末。

ヤバイね。これは。
そう思いながら見ていた。



最終的には主人公の考案した作戦でゴジラの動きを凍結し、無事に解決する事が出来たが最後にゴジラの尻尾から生まれかけていた人のなり損ないのようなものに若干の後味の悪さを感じた。
ネットではこれが巨神兵となり、後にナウシカの世界になると噂になっているので尚更だ。
日本はこの化け物を今後どうしていくつもりなのだろうか。



偖、この映画を見ていて日本の政治の在り方について色々と考えさせられる事があった。

まず、どんな有事があっても形式上会議を行わなければ動けない事や、法律に無いことに関しては事が重大になるまでロクに動けない事だ。
ゴジラの進行も、あれが幼体の時にどうにか出来ればもしかしたら早くに解決出来たのかもしれない。
また戦争や防衛の面などでも多分そうだが、国の運命を左右する事は総理一人の決定権で全て決まる事に、国の上に立つ人物の苦悩や大変さが垣間見えた。
人命を優先するか、または国防を優先するか、なかなか難しい判断だろう。

現実とリンクして考えたが、国のトップに立つ人物も重要ではあるが、それよりもどんな人物がその人物を支えていくのかはもっと重要なのだなと痛感した。

『十年後に総理になるよりも、十年後にこの国が残っているようにする』

主人公の劇中のこの言葉が印象に残った。今の日本に彼のような人材は居るのだろうか。



ところで、劇中に野村萬斎が出ていると聞いて必死に探したものの全く見付けられなかったのだが、どうやら彼は政治家や自衛官やその他犠牲者の役ではなくゴジラを演じていたらしい(正しくは彼の動きにゴジラのCGを重ねている)。友達から聞いて結構驚いた。
そっちだったのか。
どおりで出演者のクレジットの最後にデカデカと一人だけ名前があったわけだ。
云われてみれば、幼体ゴジラの動きがそれっぽかったような…。


関係無いが、ゴジラを凍結する為のヤシオリ作戦で使用された在来線爆弾と新幹線爆弾のインパクトが強すぎて暫く頭から抜けそうにない。





夢日誌:怪獣と方舟


話題:今日見た夢



世界中に不明巨大生物と、その所謂怪獣から生まれた巨人が溢れ、人類は滅亡の危機に瀕していた。

彼らは都市部を徹底的に焼き尽くし破壊して回った為、生き残った人類は地下や山間部へと逃げるしかなかった。

私が暮らしている町にも怪獣達は現れた。
彼らは見慣れた景色を次々と破壊し、瓦礫の山を作っては火の海を広げていた。
防災サイレンが鳴り響く中、私はその光景だけを黙って見ているほか出来なかった。



奇跡的に生き残った私はかつて町だった場所を歩いていた。
様々な瓦礫を掻き分け、時々見付けてしまう犠牲者の亡骸を越えながらただ無心に進んでいた。

軈て山積みになっていた瓦礫が途切れ、赤土が広がる土地へと辿り着いた。
此処は私の記憶が確かならば、自身が生まれ育った土地だった。
所々に人の営みがあった形跡を見る度にやるせない気持ちになり、泣きたくなったが足を休める事はなかった。

暫く進むと赤い大地に白い箱形の巨大な物体が幾つも並んでいた。
それを目にするや否や、私はそれへと駆けていった。



方舟。



それは人々からそう呼ばれていた。
これに乗り、人類は地上を一時的に離れるそうだ。
そして、その間に各国が協力し、核を使い世界を焼き払うらしい。
ただし、この方舟に乗れる人数は国ごとに決まっており、それも先着順だそうだ。
何ともふざけた話だが、現在の地球の人口を考えれば仕方無いのかも知れない。
ただ、乗れなかった人間はどうなるのかと考えれば納得も出来なかった。


方舟には何とか乗る事が出来た。
分厚い硝子の壁越しに、遠くの町を破壊する怪獣達が見える。
椅子に座り暫くすると、出発を告げるアナウンスが流れた。

最後に、方舟は故郷の大地を飛び回った。
瓦礫になる前のこの町は友人が越していった町だ。
初夏の緑が繁る山間部の集落にある小学校のグラウンドに集う人々の中に知り合いでも見付けたのか、隣に座っていた人が外に向かい手を振って泣いている。
残された人々は地下に潜るらしいが、だからといって安全なのかは分からない。
何せ全てを焼くのだから。



やがて方舟は空高くへと舞い上がった。

故郷が離れていく。
国から離れていく。
そして、地球から離れていった。


暫くして、肉眼でも分かるほどに地球の大地が赤く燃えていくのが見えた。



それは長い時間続いた。
事を方舟から見守る人々は沈痛な面持ちで、または啜り泣きながら大地を焼く炎が静まるまで見守っていた。


それからまた長い時間が経ち、方舟は地球へと帰還した。

自身の故郷は跡形もなくなっていた。
怪獣達も人工物も自然のものも残っていない其処は荒涼とした大地が広がるばかりだった。
それにまた人々は涙していたが、暫く方舟が地上を這うようにして飛ぶと遠くに緑が見えてきた。
どうやら怪獣達の進行がなかった限界集落のような農村や山間部は無事に残っていたらしい。

降り立つ方舟に集まった人々と、これから再建に向けて頑張ろうと手を取り合ったところで目が覚めた。








やたら臨場感溢れる夢だった。
前日に見た某怪獣映画に影響されたのは間違いない。






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