「大都社って知ってる?」
「大都社って…………」
「?」
「……いえ、知らないです」
「だよね」
うそです本当は知ってます
ファンロード出してたとこでしょ
編集部は銀英社というところにあるけど発行は大都社……
(今はもうちがうらしい)
初めてファンロード買ったとき私は高校生でした。思春期のまっただなかですね。
ファンロード(FRと略す)はたんなるおたく雑誌のように思われているかもしれない
が!
その実たんなるおたく雑誌です。
でもね、いまたくさん出ているアニメ雑誌たちとはまた違う世界を持っていたんだよ……(ばばくさい言い方
一頁にこめられた情報量がすごくて、一冊でずーーーっと読んでいられるし何度も読み返して楽しむことができる。
最近は雑誌を買ってもあまり繰り返し読んだりしていないな……
長く続いた雑誌で、読者主体のつくりをしているため積み重ねられた身内ネタがこれでもかと当たり前のように掲載されているのも特徴。
新規の読者を完全に置いていく投稿の数々。
頁の端に、「ハシラ」と呼ばれていた投稿欄があって、読者から送られてきた一行ほどのなんでもネタを掲載していたのですがそこにも「何号のだれそれさんの××××(コメントやネタの内容が入る)〜」というふうにただの感想文が入ったり、ツッコミが入ったり。でもそのせいでまた(手元にある場合は)該当号を読み直してしまったり。ハシラ、正式名称は「エンサイクロペディア・ファンタニカ」というらしい。なんだそれかっけぇ。
まだそこまでSNSも普及していないころだからぜーーーんぶハガキによる投書で、だからこそできたんだろーなっていう部分も多々あります。
今の時代にみんながSNSでかわしているダベりを、SNSがない時代から同じようにしていたのがFRなんでしょう。
私は好きでちょくちょく買ってたんだけど、それこそSNS等が発展するにしたがっていつからかFRは店頭に並ばなくなってしまった。幾度かの休刊と移籍をへて、今では電子版として発行されている……のかな? いまも?
「エンドルフィン症候群」って八年間も連載してたのかすげーなハノイさん
さてさてFRには毎号のメインとなるコーナー「シュミの特集」(略・シュミ特)というものがありました。
これは読者からの人気作品(アニメや漫画だけではなく実写や小説、お笑いなど幅広い)を毎号ひとつ決め、読者がその作品のキャラクターや用語などの項にコメントをつけて、大事典をつくるというコーナーです。
わかりにくいですね。
例えばアンパンマンで特集をするとしたら
アンパンマン
・顔が汚れるとパワーが弱まる主人公。
・ちぎれたときに見えるアンコが怖い。
・古い顔はどこに飛んでゆくのか。
カレーパンマン
・口からカレーを出すのはやめてほしい
・ばいきんまんから攻撃を受けて転落した際、アンパンマンにお姫さまだっこされていた。
しょくぱんまん
・イケメン
みたいな感じです。箇条書きの部分が読者の投稿ですね。自分で書いといてもよくわからないんです。
話はとつぜん遡ってFR買ってたころからさらに五年くらい前、ありなっち(種村有菜せんせー)が当時の連載作品『満月をさがして』で同じような大事典をつくっていました。(満月の最終巻に掲載されてる)
そのころはへー面白いことしてんなーくらいしか思わなかったけどもしかしてありなっちもFR買ってたのかな……
今でも古本屋などで見つけるとつい買ってしまうのです。
説明があんまり傷んだビワみたいだったのでくわしくはぐぐってください(投げ
出掛けたくないないないない衣替え