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果てある海


を見ていると死ぬことが怖くなる。
綺麗じゃないしなまぐさいし深いし暗いしあたりに人もいなくて落ちたら絶対誰も助けてくれないだろう。
別に私も常日頃から死にたいと思っているわけではなくて、直前まで能天気なことを考えていたのに海に近づいた途端、とっさに死にたくないと防衛反応のように心の中で呟いていた。

そんな海辺でもつい水際まで寄っていってしまう。写真に納めて引き返したら、そばにいた知らない車もUターンしてさっと向こうに帰っていった。
この海辺はこれ以上道がないから、迷いこんできただけかもしれないけれど、もしかすると私は飛び込もうとする人に見られていたのかもしれない。もっと怖い理由だろうか。
最も高いのは、すべてが私の思い込みという可能性なのだが。

高校のとき、県の端から端までを歩いて縦断するというイベントがあって、本当に山から海まで一日かけて歩いたことがある。恩田陸の小説みたいでしょう。香川県は岐阜県のなかにすっぽり入る大きさだから。そのときのゴール地点が、今日立ち寄ったこの海辺だ。
そのイベントは今はもうルールが変わり、海までは来ないらしい。もったいないと思うけどな。


実はまたずいぶん髪を切ってしまって、会う人会う人に「どうして切ったの?」と尋ねられる。知り合いの中学生がしょんぼりしていたので、切らないほうが好きだった? と聞き返すと黙って頷かれた。なんて正直なんだ。自分では今の短さがわりと好きなのだけど。
失恋ですか? とうきうきで聞いてくる子どももいる。今の子どもにも失恋=髪を切るの概念は伝わるみたい。


瀬戸内海の好きなところはやがてどこかには果て(本州)があるところ。これが太平洋や日本海だったなら私はこうして海を見に来ないかもしれない。


そういえばそろそろ眼鏡を新しくしないといけない。
『パンの行間を読む』というフレーズにひかれて買う。

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