「おとなしい顔しておしゃれですね」
と言われた。
からかわれているのかほめられているのかわからない。おとなしい顔して、と言う部分は、納得できる。おとなしい顔しておとなしくなりたくない私。
同じ人から
「私のこと、おぼえてますか?」
と尋ねられる。
「ごめん、覚えてない」と言うと、
彼女は名前を教えてくれる。
「おぼえてくださいね」
そう言って去っていく。美しい後ろ髪。
若い子にはとてもかなわない。

去年と同じメンバーで、お祭りのしたくをしている。去年よりも仲良しになっている。
ときどき不安な夢を見る。獏が私の夢をたべることはないだろう。
カーテンを閉めようとしたときに話しかけてきたあの人がまたからかってくる。やはりあなたのことは心のなかではとても好き。

お祭りの日がくるまで、落ち着かない。
アドレナリンが出ている。
間に合わないかもしれない。
でも周りの人は、私は絶対最後には間に合わせるからと言う。
「絶対絶命に強い」と言う。

絶対絶命はきらい。
絶対絶命という言葉は好き。
追い込まれる自分も。

「私も小説家になりたかったよ」と、告白する。意外とドキドキする。
バッドエンドばかり書いてしまう話をする。
ハッピーエンドは苦手というと、その人はこう答えてくる。
「ハッピーエンド好きですよ。これから不幸になるんだろうなって思うから」
その言葉になにも思わない。
そんな言葉のわりに、あなたは優しい人だということを私は知っているつもりなので。

なかなか眠りにつけない。
でも楽しい。今週がずっと続けばいいのにと少し思っている。



WASABROU WATANABE
『CYCLING』

今日聞いていたアルバム

『フリーダ・カーロ』

最近気になる画家