*Attention*
追記にず〜っと放置していた神アレSSを載せてみました。
(消しちゃうのが、何と無く勿体なくて)
因みに神田もアレンもかなり別人で、内容も支離滅裂です。
それでも構わないという方は、下記から覗いてみて下さい。
*
覗いてみる?*
僕は左へ。
君は右へ。
僕らは違う道を進んでいく。
二人で決めたことだった。
何度も相談して、導いた答えだった。
「手紙、神田宛てに書くから」
「…んなモン、書かなくていい」
「電話もするから」
「かけてくるな」
最後の最後まで、相変わらずな君。
「本当、こんな時まで優しくないんだから」
だから僕も精一杯、笑顔を作る。作ろうとする。
「僕だって、君に会えなくても全然平気ですから。淋しくなんかないし、哀しくなんかないし、それに君がいなくて、清々する…」
嘘…。
嘘っぱちだ。
本当は会えなくなることが淋しい。
無愛想なその瞳がもう見れなくなることが、こんなにも哀しい。
溢れ出しそうになる想いを、僕は必死に堰止めようとする。
だけど、涙だけは言うことを聞いてくれなくて。
はらり…、と。
一筋の雫が頬を伝い落ちた。
視界に広がったのは、目を瞠ったような神田の表情。
慌てて顔を背けて、手の甲で涙を拭う。
なんで涙なんか…。
泣かないって決めていたのに。
神田とはいつもの僕で、笑顔で別れるって、決めたのに。
「…モヤシ」
「なんでもないです…っ」
「お前、泣いて…」
神田の台詞を掻っ攫うが如く、声を張り上げる。
「僕は泣いてませんから。泣く訳ないでしょ。何で君なんかの為に、僕が泣かなきゃならないんですか。さっき言ったでしょ?僕は、全然淋しくなんか…っ!?」
思わず言葉を無くしてしまったのは、背中に温かみを感じたから。
気がついたら、神田の腕が、背後から包み込むように僕の身体を抱きしめていた。
「最後の最後まで、無理して強がってんじゃねェよ」
どきん。
神田の声が耳元で聞こえてきて、心臓が大きく鳴る。
「眼をそんなに潤ませて…。嘘が見え見えなんだよ、お前は」
狡い。本当、狡いよ、神田。
こんな時にそんなことをするなんて。
そんなことされたら、直ぐに止まるはずのものが、留めどなく溢れてきてしまう。
泣きながら神田のシャツの袖を縋るように掴むと、彼は自分の手の平をそっと重ねてきた。
大きな手が、指が、僕を包んでいる。神田の体温が、僕の身体に伝わる。
このまま、時間が止まって欲しいと思うのは、僕の我が儘だ。
だけど、もう少しだけ。あと少しだけ、今のままで…。
俯いたまま、なかなか顔を上げられずにいると、神田が徐に口を開いた。
「…モヤシ。確かに俺達はそれぞれ違う道を歩むことを決めた。だが、一生会えないって訳じゃない」
「………」
「やらなきゃならねぇこと、しなきゃならねぇことが全て終わったら、俺の方からお前に逢いに行ってやる」
「神田…」
するり、身体から離れると、神田は僕の正面に立つ。
「…約束だ」
「約束?」
「俺の生まれた国では互いの小指を絡めて、誓い合うんだ。…ったく、こんなこと、俺の性には合わないんだがな。ほら…」
そう言って小指を立てた右手を、僕の前に差し出した。
僕は泣き腫らした顔で神田を見上げ、躊躇いがちに自分の小指を絡める。
「ゆびきりげんまん…――」
「約束…ですからね?」
「あぁ、約束だ…」
それから、僕らはこれから違う道を進む為に別れた。
これは哀しい別れじゃない。
互いに成長するための別れだ。
…神田。
僕も君のいない場所で頑張るから。
君のように強くなってみせるから。
君が驚くくらいに。
だから、それまで。
君と次に逢うその日まで、ひと時の、さようなら――。
now for END...
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神田はゆびきりとかしないんでしょうね。
でもそこを敢えてさせてみました。
約束は人によって束縛にもなり、希望にもなると思います。
この二人には希望であって欲しい。
ではでは。
此処まで読んでくださり、ありがとうございました。
2009-2-21 15:31
SS拝読いたしました。
やっぱり聖さんのお話素敵です。隠も好きなので通わせていただきます^^
聖さんの文は本当に暖かくて大好きな神アレです(●´∀`人)
それではまた、寄らせてもらいます☆乱文失礼でした。