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夢、ハムレットの〜陽炎篇〜 感想

注意
お芝居のネタバレがあります。
上手くまとまってないかもしれません。
私的解釈もあります。
それでもOKな方は↓



「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」
「空は青いか?」
「同じように青く見えるのか?」
時代の流れと人生観を改めて考えるような話でした。
割り切れないことと割り切ることの間で揺れている感じです。
ハムレットを知っていた方が人間関係などよりわかりやすいので全く知らないと難しいかなと思いました。
小田島訳で、読んでおいて後で読み返しても。
第一幕第五場の亡霊の台詞(最初原爆を連想させるという理由になった台詞)や第三幕第一場「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」以降の台詞「眠る、おそらくは夢を見る」などやオリーフィアとの場面や第四幕、第五幕かな。結構メインのシーンにリンクしているかなと。
ラストのやり取りの違いも見所かと。
あと、戦後から現在までの時代背景、歴史のことももう少し予習しておけばなと。
なので年齢によって見方も変わってくるのかなと思いました。
精神関係のことは専門的なことが言えないのですが、お芝居とはいえ対応はちょっと…とも思うところも。時代的にも理解不充分な分野だから?
すべてがそういう対応ではないですよとも付け足したくなった。でも一般的理解には…うむむ。自傷行為のシーンはどこか腑に落ちないんですよねー。傷跡があまりリアルではないので。どうせなら赤で…。
理由は思い当たる部分もあるんですが、それを持ってくるかーと。
離人感…うつ病なのかな? 躁うつ病のイメージも少しあるのですが…。神経症かな…。精神的な病気を扱う話だとついつい考えてしまう。あまりふわっとしたイメージだけで捉えてもいけないような気がしてしまうんです。
あと幽霊のエコーは聞き取りにくかった。

とまあ考えつつ内容。

回想と現実が混ざるような感じのストーリーなので場面転換多いです。舞台は主に戦後。主人公は役者で、ハムレットのお芝居と主人公の人生をリンクさせながら物語が進んでいます。
関係も似ていて、戦争で父死亡、父もまた芝居をやっていた。母はおじと再婚。おじは座長。
それが腑に落ちない主人公。
妹もいた。彼らも空襲で逃げている中、生き別れ一年後再開。
従兄妹などと再び芝居を始める。
軍に一度止められたりするもののまた演じる機会が…。
妹→主人公や主人公→母、従妹→主人公など登場人物の気持ちも混ざり合う。
父の幽霊が見えその言葉にも翻弄される。
現実が受け入れられない感じでした。
母との関係を見られてしまい、恋人の父を殴り捕まる。
時代や気持ちの狭間でうつになったのかな…。
主人公は戦後すぐの感覚でしかないのに、実は時間は過ぎていた。
バックの映像が時代を表してました。戦争やケネディ暗殺のシリアスな映像も。あとベルリンの壁崩壊。
あとハーレーっぽいバイクも乗ってた。
最終的にハムレットとは違い、母と叔父の関係を許してた。恋人は別の人と結婚。
主人公は芝居好きで、ハムレットの芝居はやりたかったんだろうな。自分の境遇と重ねていたんだろうな。
やはり父の跡継ぎとして座長もやりたいのかな。

平田さんはまず中学生で登場。考え方が大人なので今時の中学生イメージとは違いました。本を読みながら歩き、資本主義や理想やらを語る真面目な中学生。
レアティーズ役なんだけれど、主人公の代役をやったりもしたのかな…。
主人公の記憶中でズレが生じていたので主人公がハムレットではなかった時もあったのだろうなと。
平田さん演じる従弟、ハムレットの台詞一人で言ってたし。第四幕第三場の死体はどこだのシーン、上を指差しそして下を指差した動きも。

見所も多いです。
一幕でのダンスや全体のコーラス、二幕のオリーフィアなど、ミュージカル風な部分。
ダンスは苦手だし詳しくないので細かいところはわからないですが、上手くて思わず小さく拍手してました。 登場人物がほぼ出てすごく見せ場です。炎の舞というのかな?
オリーフィアの最後の踊りは本当に彼女だけが切り取られたかのように感じました。
コーラスは本当に綺麗でした。それぞれの場面で違う曲をアカペラもで女性三人の声が綺麗にハモってました。直に効果を高めてます。衣装も間でドンドン変わるので早着替え大変だろうなと。
コーラスの方々はメイクも変わっていて裏は大変そうだなと。
着物だったり洋服だったりスーツだったり…登場人物全員で衣装チェンジはすごかったです。
林さんと平田さんのハムレットの芝居の重なるシーン。
インパクト大きくて、声で空気が揺れる感覚がよく伝わりました。絵で線で描かれるようなあの感じ。

あ、お嫁さんと持て囃されてたのに、通訳さんからもらった指輪を売ろう、芝居小屋を建て直そうとする妹に笑った。
その気ないんだなーってのがよくわかった。
だから妹→主人公のシーンがより印象的になった。

彼と母のやり取り、母でも女なんだなと思う。けれども、だからといって子どものことを思わない訳ではないんだよなと。
お母さんの服に顔をうずめながら話す彼のとこも好き。

平田さん前の舞台でも思っていたけれど、すらっとしていてスタイルいいなあと。剣舞の衣装は特にそう感じました。すらっと剣を抜くとこかっこよかったです。
剣舞は最初シャレから入って(アドリブ?)和やかな空気が…と思いきや二時間半近くやってきてラストスパート、最後の直線を猛ダッシュしている感じがしました。本当に倒れたかと少し心配に。
「カモン、カモンってな流行っただろ?」
「…シャレは罪ですよ」
というようなやり取りの後に、(実際笑いこらえているようだった)剣を振り回して動き回って舞台全体で切っ先が交じり合い斬る斬られるの中の攻防戦…ハードそうだなと。
「お互い若くないですね」の台詞の通り時間の経過を感じます。座長も同じ王の役だけど衣装やメイクが違う。従妹はアメリカの人と結婚して上手くやってる。
主人公は一応レアティーズ役の従弟と剣舞をしているのですが、何か斬ってるものは別にあるような気がしてなりません。
戦後すぐと現在の自分の間にある時間とか迷っていた思いとか…。
「空が青いか?」って聞くけれども、今までどこか靄や薄雲があるような感じだったのが…空がはっきり青くなったように。
最後彼は死んでしまうんですが…。
妹には真意がわかったのかなと。
院長が彫ってたのは仏像ですか…。本当に死ぬのわかってたみたいだとつい…。彼が着ていた軍服をあげたのは院長。最初から彼がその時の子どもだとわかっていたのかなー…。
それを教えたのは女医なんですが、まず彼の物語を理解しようとしたの別の医師。そこの理解がまだ疑問の残るところ。
more..!
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