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俺ァこのカスみたいなやつが気に食わねぇんだ

最近涼しくなってきたから、うちのおばあちゃんが甘酒作ってくれた。ちなみにうちのおばあちゃんは淫乱な方のおばあちゃんじゃないです。前回の記事でおばあちゃんが淫乱だって書いたけど、うちのおばあちゃんじゃないです念の為。淫乱なおばあちゃんは93の齢にして自分の処女喪失の話を延々と説いたおばあちゃんです。70年近く前の処女喪失の話ですからね。これがまぁめっちゃくそ面白いんだ。90年生きて人生最大の事件が「アタシが女になった晩の出来事」ですから。マッカーサーもエジソンも眼中にナシだから。まったくとんだ淫乱おばあちゃんです。
あれ、何の話してたっけ。気に食わねぇカスの話でしたっけ。とにかく以上の点を以ちまして私は甘酒の底に沈殿してるカスが嫌いなわけです。 つぶあんの「つぶ」然り、お汁粉の沈殿物然り、とにかく私はやる気なく底に沈んでいる不届きな輩が気に食わねぇんだな。「つぶ」も沈殿物もね、君達やる気ないんだったら帰ってくんない。「俺達は汁にもこしあんにも混ざらねぇんだよ」みたいな。そんなあからさまに喉越し悪そうな態度を取られたらね、こっちも黙ってないから。その「つぶ」のフォルムをひたすら舌の上で弄んでやろうかァ!ってなるよ。沈殿物を口の中で右往左往してやろうかァ!ってなるよ。あれ、これ私しかダメージ食らってなくね?とにかく「つぶ」にも沈殿物にも謙虚さが足りないよ。
それに比べてコーンスープのコーンさんの紳士っぷりときたら。まぁコーンの芯を煎じて飲ませてやりたいね。見てみなさい、コーンさんの姿を。
『失礼、僭越ながらこの身をスープに浮かべさせて頂いております。ささ、遠慮はいりませんよマドモアゼル。どうぞ冷めない内にご賞味ください』
とでも言いたげな威風。同じつぶつぶでもただの「つぶ」とは大違いです。
「つぶ」及び沈殿物よ。とんがってばかりが全てではないのだよ。人生というこし器に漉され、滑らかに舌触りよく生きてゆくのが大人になるということなのだよ。若い頃はね、人の歯の隙間に挟まってみたり、喉に張り付いてイガイガしてみたり、そういった喉越し悪い生き方をしてしまいがちだけれども。コーンさんのように他に混じらず、かと言ってイガイガ主張もせず、缶の底で控え目に『いえ、わたくしなどスープの据え物ですので』と言って底をコンコンされ、それでやっと『おっと失敬』などと一つ二つ、また三つ四つなど、転がり落つるもいとをかし。右の頬肉に口内炎あれば左に、左の頬肉に口内炎あれば右に、歯の間に挟まりもせず、貼り付きもせず、ただ静かに『おっと失敬』――そういうコーンに私はなりたい。

いや、甘酒は旨いよ、実際。
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