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銀さちが足りない足りない足りないよ(銀さちSS)

GWだから実家に帰ってきました。
やっぱりお母さんの飯はうまい。
それで、帰ってきたら家族に「また痩せたんじゃない?」って言われて、体重計に乗ってみたら3kg痩せてたw最後に測定したのが2週間前に学校でやった健康診断の時だから、2週間で3kg痩せたってことになる。
特に激しい運動した訳じゃないし、カロリー取らないと頭が働かないから食事制限をした訳でもないんですが、ただ一人暮らしを始めてかなり規則的な生活になったことくらいしか心当たりがない。
これを『一人暮らしダイエット』と呼ぼうかw


* * *

『キスはね、』銀さちSS




先生は時々ロマンチストだ。
普段は気怠げで、退屈そうで、大雑把な物言いや態度を見せるのに。キスをする時だけは何故か繊細だ。

「さっちゃん、目、閉じて」

キスの合図は魔法の言葉から。
胸に響く甘いテノールが、私を夢の時間に導いてゆく。

先生の大きくて無骨な両手が私の頬を優しく包み込み、おでことおでこをコツンとくっ付ける。
互いの呼吸が触れ合う距離で、ただ静かに時の流れを共有する。
それはまるで、これから何か神聖な儀式をするかのように。


「さっちゃん、キス、しよっか」


そっと小さな声で囁かれた瞬間、私たちの時計の針が止まる。
切ないくらいに優しい、微かに触れるだけのキス。
たった1度だけの触れ合いなのに、涙が出そうなくらい幸せなのは何故?


先生のキスはね、私を幸せにしてくれる魔法なの。
そう言ったら、先生も「奇遇だな」って穏やかに笑った。

END.

能動的4分間であいらぶゆー

カップラーメンを作ってる時間の4分間(伸びめが好きw)が手持ち無沙汰すぎて変なものが出そうなので、カカシ先生を描いて暇を潰すことにしました。
何故カカシ先生かって、そりゃカカシ先生が私の旦那だからです(^p^)
初めてカカシ先生を見たとき先生のあまりの池面っぷりに何かが切れて、多分眠っていた女性ホルモンが目覚めたんじゃないんですかね、その2日後に初潮がきましたw私はカカシ先生に女にされたw

っつー訳で今まで落描きしたカカシ先生を晒していくお(^ω^)

4分クオリティなので、きちゃない&ラフにそのまま着色でごちゃごちゃです…


横顔苦手

背中&二の腕MOE

にょた注意
あたりとって描いたら消し忘れたw
何気におっぱいの半円が早く描けなかった

先生は細マッチョ
もはやカカシに見えんw

いつぞやの扉絵風
超きったねぇw

これは1分オーバーしてしまった(^p^)麺のびのびwこんな構図にしなきゃよかった…

多分もうお気づきかと思いますが、私は暗部カカシが大好きですw

坂田家の日常#4(SS)

「それじゃ、新八くん、神楽ちゃん、チビをよろしくね」
「はい、任せてください!これでも子守は得意なんです」
「新八はともかく、ワタシが居るから心配ないヨ」


今日は銀時とあやめの3度目の結婚記念日だ。
毎年この日ばかりはお登勢に息子を任せ、夫婦水入らずで偶の2人っきりの時間を過ごしている。しかし今年は頼りのお登勢が町内会の慰安旅行で留守にしている為、2人っきりのデートは叶わないと諦めていた。
そんな時、やれやれ仕方ないですねと新八と神楽がその役を買って出てくれたのだ。

「銀さんがさっちゃんさんに素直になれる数少ない日ですからね」

とは新八談である。
そんなこんなで、あやめはもうすぐ2歳になる息子を新八の腕に預けるのだった。


「夕方になる前には帰るようにするわ」
「はい」
「あと、着替えと…替えのパンツもここに出しておくわね」
「着替えと、パンツですね。分かりました」
「ごめんなさいね、気を使わせちゃって」
「いえいえ、気にしないでください」
「それにこの子泣き虫だから…大変だと思うの。二人なら大丈夫だと思うけど…」

すると、あやめの脇から神楽が顔を覗かせた。

「安心しなヨ。この“かぶき町の母”が居れば大丈夫ネ。貸してよ」

言いながら神楽は新八の腕から子供を抱き上げた。

「よーしよし。マミーと呼んでもいいのだヨ〜」

子供が幼児を抱く姿は傍目に可愛いものである。思わずあやめの頬も緩む。
その時、不意にチビが自分を抱く神楽の胸元から顔を上げ、じっと胸を見つめた。

「ないないよ…」
「オイコラくそガキ。おめーの天パもないないすっぞコラ」

ビシッと神楽のこめかみに青筋が立ったが、放り投げるのを寸でで抑えて床に下ろしたのは流石である。
すると今まで他人事のようにソファーで鷹揚に構えていた銀時が、ニヤニヤ笑いながら呑気にいちご牛乳を含んだ。

「そりゃお前毎日さっちゃんのおっぱい枕だからね。あの巨乳が枕代わりだからね。ボリュームがないないなのは仕方ねぇよ。まったく羨ましい限りだよ、この齢(よわい)にしてS級の乳の味知ってるたァ世も末だね。俺もさっちゃんみてぇなでっけぇ乳で育てられたかったよチクショー」
「…今更何言ってんですか」

冷ややかな新八の呟きが出た所で、銀時はよっこらせと腰を上げた。

「さて…じゃあそろそろ俺もさっちゃんのデカ乳に舌鼓でもうってくるかな」
「オィィィ!このほのぼの小説を卑猥な展開にもってくつもりかアンタは!R18指定してねぇんだよ!ちったァ気ィ使えよ!」
「今のでその先にあるR18展開妄想したアルか?そっちの方がよっぽどキモいアル」
「道が反れないようにしただけなのに何この仕打ち!」

怒る新八を余所に、銀時は玄関に向かい普段のブーツに足を突っ込んだ。あやめも急いでそれに続いた。

「じゃ、あとはよろしく頼まァ」
「新八くん、神楽ちゃん、よろしくお願いします。チビ、良い子にね。それじゃ行ってきます」
「「行ってらっしゃーい」」


背中に明るい見送りを受けながら、にこやかに手を振って二人は玄関を抜けた。



 * * *


外はすっかり冬の景色だ。最近は外に出でも子供の事ばかりが気にかかって、景色を楽しむ余裕もなかった、と。いつの間にか変わっていた景色に苦笑を零す。
久しぶりの二人きりの時間。あやめは少し緊張して、家を出たときのまま銀時の一歩半後ろを歩いていた。
無言で歩を進める広い背中越しに彼の顔を見上げるも、あやめの位置からでは銀時の表情が窺えない。


「…………ん、」

すると不意に一歩半先の足が止まり、体の向きはそのままにあやめの方へと後ろ手に左手が伸びてきた。突然の事に両目をぱちくりしていると、チラリと銀時の横目が向きぶっきらぼうに彼女の右手を取った。

「寒ィからな、うん」

言い訳するように言いながら、着込んでいた自分のジャケットのポケットに繋いだ手を入れた。

「ふふ、そうね。でも、もう寒くないわ…とても温かくなった」
「…よかったね」

頬を染めたり、ぶっきらぼうな優しさだったり、夫婦になっても、二人きりになった時は恋人だった時のような表情を見せてくれる。
こうして何年先も、ずっと二人の歩幅で歩いて行きたい――銀時とあやめの気持ちは同じだった。

それから馴染みの店に行って食事をとり、映画を見たり、ショッピングをしたり、あやめの好きなデートコースを巡った。銀時は「ほんと女ってこういうの好きな」などと言いながらも、ピンクやらオレンジやらの選択に逐一付き合った。


「ね、銀さん」

2軒目の店に入ったとき、奥の棚を見ていた銀時の上着の裾が不意にツンツンと引かれた。

「チビにはどっち?」

目をやると、あやめの手には可愛いらしいクマを象ったニット帽と、ギンガムチェックのキャスケットが乗っていた。

「アイツにオサレ帽なんざ似合わねぇよ。こっちの方が子供らしくていいだろ」

あやめの手からクマのニット帽を取りカゴに入れた。

「あ。あとさっちゃん、手袋ここにあった」
「わぁっ可愛いのがいっぱい!」
「今見てたんだけどよ、俺的にはコレかコレが良いと思うんだけど。あんまこういうの選ぶセンスねぇからさっちゃん決めて」
「あら、どっちも素敵。銀さんだってセンスあるじゃない。ここはパパのチョイスでお願いします」
「…じゃ、両方」
「ふふ、もう!」


そうして子供服を買ったり、気になった店を見終わる頃には、町にオレンジ色の日が差し込んでいた。


「お土産も買ったし、そろそろ帰らないとみんな心配しちゃうわよね」
「うん」
「今日は久しぶりに銀さんと二人っきりでデートできて楽しかったわ」
「うん」
「ありがとう、銀さん」
「…うん」

再び繋いだ手を銀時のポケットに入れて歩き出す帰りの道すがら、不意に銀時の足の向きが帰り道から逸れた。

「ちょっと、寄り道するから」


着いた先は、初めて二人が出会った日に行った神社だった。
ここは二人にとって特別な場所でもあった。恋人になって初めてデートした場所。銀時があやめにプロポーズをした場所。二人が結婚式を挙げた場所。そして、二人の大切な子供の健やかな成長を願った場所―
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あなたはだれ?(お題SS)

『お題バトン』
●指定した三つの単語を使って小説を書くお題バトンです。
●小説ではなく詩でもOK
●表現できるならイラストでもOK
●一次でも二次でもNLでもBLでもOK
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…………………




B隠し事/本/距離(土さち)





図書館を入って、向かって左奥の壁沿いにある本棚。その下から二段目の左端に古びた本があった。マイナーな西洋歌人の詩集らしく、古いながらも傷の少ないハードカバーから暫く誰にも読まれていないことが窺える。背表紙の裏側に付けられた貸し出しカードにも、誰一人の名前も書かれていなかった。
自分でも何故そんな本を手に取ったのか分からないが、何となく目について、気になって、気付けば腕を伸ばしていた。
その場で体を反転させ、本棚に背をもたれながら本をパラパラと捲る。するとあるページから何かが滑り落ちた。
腰を折って足元の落下物を拾い上げると、それは藤色の折り紙で折られた可愛らしいネコだった。黒のボールペンでクリッとした目と猫口が描かれている。紙質からしてごく最近挟まれたもののようだ。
そのネコの背中側を見ると、そこには女の小さな字で一言――




“あなたはだれ?”











それから一週間後の放課後、委員会もないので再びぶらりと図書館を訪れた。
適当に本棚を巡り、気になった本を手に取っては元の場所に戻していた。要は読書意欲を駆られるような本がなかったのだ。
そんな折り、ふと先週手にした詩集の事を思い出した。例の本棚がある場所に行き、左端の下から二段目を覗き見る。

――あった。

やはり誰にも貸し出されることなく、先週自分が戻したのと同じ格好で収まっていた。
ハードカバーの本を手に取り、この間のページを開いてみる。

実は先週、『あなたはだれ?』のネコに対し、面白半分で返事を書いておいたのだ。普段ならそんな面倒なことは絶対しないし、気にもかけず無視してしまうのだが、この本を手に取ったのと同様、本当にただの気紛れからくる行動だったのだろう。
ルーズリーフの切れ端にペンで『3-Z』とだけ走り書きしておいた。

開いたページの間には、自分が挟んだ切れ端がそのままの状態で残っていた。一瞬どこぞの生徒のおふざけに踊らされたかと思ったが、紙をよく見ると『3-Z』の文字の下に同じ女の文字で『私も』と書き添えてあった。

それから俺と名前も知らない誰かとの、奇妙なやり取りが始まった。

最初は一言他愛ない言葉の交換をしているだけで、放課後の単なる暇潰し感覚でやっていた。しかし頻度が一週間から5日おき、更に3日おきになる頃には、次第に自分の中で「相手が誰なのか知りたい」という気持ちが芽生えてきた。
分かっているのは自分と同じ3Zの生徒だという事だけ。性別も――文字から推し量って勝手に女だと決め付けているが――今の所確証はない。
だが一応自分も男なので、もし相手が女っぽい字体の男だったら正直に言ってかなり凹む。場合によっては数週間も男同士でこんなやり取りをしていた事になり、とてつもなく気色悪い展開になる。
そんなこともあって、最近クラスメートの放課後の動きが気になっていた。
最後に自分が向こうからの手紙を確認したのは3日前。しかしまだ俺からの返事は挟んでいなかった。恐らく今日明日には誰かがあの本に近付き、俺からの返事を確認するに違いない。そう踏んで、授業が終わると早々に図書館へと向かった。


この学校では、言っちゃ悪いが放課後まで図書館に籠もって読書や勉強をしようなどと考える真面目な生徒は稀だ。だからいつも4時半を過ぎると室内は閑散としている。
俺はズボンのポケットに紙切れを入れ、人の気配がない図書館の例の本棚に向かった。
すると、誰もいないと思っていたが、本棚の影に人が動いたのが見えた。先を進んでいたそれは、自分が向かっていたのと同じ本棚の前で止まる。
藤色の真っ直ぐな長い髪と、セーラー服の後ろ姿。それは自分が記憶しているある人物の姿に合致していた。

――ネコの主が分かって、不覚にも俺は胸を高鳴らせていた。普段あまり感じる事のないドクドクと期待で脈打つ鼓動に、無意識の内に表情も緩んでしまう。

その理由は、自分自身でよく理解していた。

女は本棚の前で身を屈めると、下から二段目の左端に収まっていたあの本を手に取った。そしてページをパラパラと捲り、本を静かに閉じて溜め息をついた。恐らく返事が挟まれていなかったことに気落ちしたのだろう。
俺は思わずその背中に声をかけた。


「手紙、待ってるのか?」

瞬間、女の肩がピクリと震えた。
その背に更に続けた。

「俺からの返事、待ってたのか?」

すると今度は驚きとは違う――恐らく笑っているのであろう、肩が小刻みに震え始めた。そして徐にこちらへと振り返った。
振り返った女は詩集を両手で持ち、それで顔を隠していた。


「…“あなたはだれ?”」

ふふ、っと言葉遊びを楽しむように言う女に、俺も釣られて返した。


「“3-Z”」
「“私も”」
「“この本が好きか?”」
「“ただ気になって見てみただけ”」

言葉を交わす内に、一歩、また一歩、と二人の距離は近付いてゆく。

「“こんな事に付き合ってくれるなんて暇なのね”」
「“それはお前も同じだろ”」
「“でも楽しいわ”」


そこで会話が途切れる。俺は制服のポケットから、今日挟むつもりだった紙切れを出した。

「俺も」

言いながら女の顔を隠している本に手をかけ、ゆっくりとそれを下ろした。

「猿飛あやめ」

次いで猿飛の手にあった本を取り、いつものページに紙切れを挟んで返した。


「この本を手に取る人が居るとは思わなかったわ。しかもネコに答えてくれる人がまさかいるなんて。それも相手が土方くん」

くすくす笑うと、薄紫の髪が流水のように揺れる。夕焼けの光に反射するそれを、とても綺麗だと思った。
こうして改めて向き合ってみても、まだ少し現実に戸惑っている自分がいる。まさか手紙の主が、猿飛あやめ――実は前から少し気になっていた相手だったとは。
でも、戸惑いながらもそれに勝る嬉しさを感じているのが正直な所だった。


「…相手がお前でよかった」

思わず口をついて出てきた無意識の本音に、言った自分でもハッと焦ってしまった。それは猿飛も同様で、すぐに反応して「え?」と顔を上げた。
近距離で目が合うと何だか無性に気恥ずかしくて、咄嗟に顔を逸らしてしまった。もしかしたら顔が赤いかもしれないが、夕焼けのせいにならないだろうか。


「…私は、あなたの事を好きにはならないけど、とても愛しいと感じるわ」


その時、ポツリと小さな声が耳に届いた。
ドキリとして振り向いた俺に、猿飛は「ううん」と首を振って詩集の中の一節――手紙のやり取りをしていたページだ――を示してみせた。


「一度言ってみたかったの」


そう言って悪戯に舌を出してみせた彼女は、普段の玲瓏で利発なイメージとは異なり、まるで純粋無垢な少女のようで。
じんわりと甘い痛みが胸に広がってゆき、柔らかく心を締め付けた。

(あぁ…こりゃ、やべぇな…)

猿飛の言動一つ一つが俺の気持ちを確信へ
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特別な日にしよう(お題SS)

『お題バトン』
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D髪/腕の中/合鍵(銀さち)





行為の後、恥ずかしがるさっちゃんに何を今更と言いながら一緒に風呂に入って。体洗ってる姿が色っぽくて、つい手を伸ばして胸を弄んだら「お風呂出てからね」とお預け食らい。じゃあ風呂出たからそのまま脱衣場で一発シケ込もうとしたら「髪乾かしてからね」と再びお預け食らい。
あーあー、いつ俺はお前ェを抱けるんだよと、タオルで髪を拭くさっちゃんを背後から抱き込んで、苦し紛れに服ン中に手ェ突っ込んで胸揉み始めて。多分すげぇ拭き辛いだろうに、さっちゃん何にも咎めねぇから調子に乗って乳首摘んだら流石に手を叩かれた。
それからドライヤーするから、って。離れないと銀さん火傷しちゃうわ、なんて言って俺の腕ン中から抜け出そうとしやがって。
あのね、俺ァ今とりあえずオメェの何かに触ってたいの。何か触って弄ってねぇとマジ息子が暴れ出しちまいそうなの。
だからさっちゃんの手からドライヤー取り上げて「俺が乾かす」って、半ば強制的に髪を乾かし始めた。今ここね。


「さっちゃんの髪はキレーだなァ。それだけは羨ましいわ」

指を通せばさらりと揺れる。そのまま下方へと梳けばしなやかに流れる。


「でも長ェと乾かすのが面倒だな」
「ご、ごめんなさい銀さん、やらせてしまって…」

いや、俺がやりたくてやってんだけどね。

「じゃあ後でさっちゃんのおっぱいで労らってくれや」

悪戯に言えば髪から覗く耳が赤くなる。こういう時普通に可愛いからね、コイツ。いつもそうしてりゃいいのに――なぁんて絶対ェ言ってやるかよ。

鼻歌混じりに手早く髪を乾かしてから、しっかりブラッシングもしてやる。本当はもっとこう女が使う椿油的なやつ?あーいうのが有りゃいいと思うけど、生憎うちにそんな色気のある物はねぇ。神楽の奴はまだ色気のいの字も芽生えてねぇからな。
それにしたってやっぱ女の髪は命って言うくれぇだしよ、ちゃんと綺麗にしとかねぇと嫌じゃん。特にさっちゃんの髪は元が綺麗だかんな、うん。よーし…こんなもんか。

髪から俺と同じにおいのシャンプーがフワリと香った。同じ筈なのに、さっちゃんのがより甘い気がする。


「おー、サラサラー。いいねぇ髪が強情じゃなくてよォ。何事も素直なのが一番だよ、まったく」
「でも私、銀さんの髪の毛好きよ。フワフワしてて、銀色も光に透けてとても綺麗」

何ともまぁいじらしい事を言ってくれる。俺は櫛を傍らに置くと、そのまま背後からさっちゃんを抱き締めた。

「さっちゃん、可愛い」
「えっ!?」
「カワイイ」
「っ……」
「バーカ、嘘に決まってんだろ」
「あ…そ、そうよね」
「の、反対の反対の反対の反対の反対」
「え、え!?」

ふふ、と笑いながらさっちゃんの頬に何度もチューしてやった。すると恥ずかしいのか、身を縮めて両手で顔を隠してしまった。
そういう事をされると余計に虐めたくなっちまうのがS心だ。抱き締めていた両手を寝間着の帯にかけ、それを無言で外す。次いで肩から着物を落とし、さっちゃんの上半身を露わにした。

「頑張って乾かした銀さんの手、労ってくれる?」

両手をゆっくり豊かな胸に添える。あったかい体温と、トクトク脈打つ鼓動が伝わってくる。
両手に力を込めれば目の前の肩がピクリと震えた。それに気を良くして、更に焦らすようにやわやわ揉みしだく。
すぐに手の中でさっちゃんの乳首が立ち上がっていくのが分かった。固くなったそれは控えめに俺の手の平を押し返す。可愛いそれを摘んで弄くってやれば、押し殺した喘ぎが漏れ聞こえた。
ふうふう肩で息しながら必死に声を耐える背中が可愛くて、なんかこう無性にさっちゃんをめちゃくちゃにしてやりたくなった。理性で抑えてんのにドSの声がやっちまえ・やっちまえと駆り立ててくる。応じるように俺の息子も臨戦体勢な訳だ。

(いただきまーす)

サラサラに乾いた髪を掻き上げて、いざ白い項に噛み付こうとした――その瞬間だった。
突然電話が鳴った。
完全に二人の世界に入ってたから、互いに体がビクッと跳ねた。うちの電話の音じゃないから多分さっちゃんの携帯だ。


「あ…」
「…いいよ、仕事のかもしんねぇし」
「ごめんなさい」

体から手を離せば、さっちゃんは身なりを直しつつ、部屋の端に畳んであった普段の忍服から携帯を取り出した。

「――もしもし。あぁ、なんだ、アンタか。…ええ。それはこっちで何とかするから」

口振りからして多分相手は痔持ち忍者だ。微妙に面白くなくて手持ち無沙汰にゴロリと横になった。
さっちゃんは早く切りたいのか、適当に急かすような相槌を打ちながら溜め息をついた。俺は黙ってそれに耳を傾けていた。

「あぁ…え?まだ?はぁ…まったく仕方ないわね、私の部屋に確か1つ残ってたわ。それ持ってっていいから」

じゃあね、と手短に通話を切って携帯を元の場所へしまった。

…なんか最後に聞き捨てならねぇ言葉が聞こえてきたんだけど。
え、何ソレ、どういう事。「私の部屋に」って「それ持ってっていい」って、つまりさっちゃんの持ち家があって、そこにあの痔持ち忍者上げるって事だよね。つーか俺さっちゃんの家どころか部屋の存在すら知らねぇんだけど。だってコイツいつも神出鬼没じゃん。ゴリラ原作者も「さっちゃんの持ち家は無い」的な事言ってたじゃん。

「銀さん…ごめんなさい」

それは何に対しての「ごめんなさい」?電話に出たこと?痔持ち忍者を家に上げること?それとも、俺に家の存在をずっと黙ってたこと?
卑屈な考えが段々と不満に変わり、それが怒りへとエスカレートした。


「そういえば俺、さっちゃんの家知らねぇんだけど」
「え?」
「連れねぇよなァ…俺さっちゃんと遊びでこんなにセックスしてる訳じゃねぇのに、情通わした女の家すら教えられてねぇなんてよォ」
「銀さん、違――」
「しかもさ、さっきの言い方からしてアイツはお前ン家の合い鍵持ってるんだよね?なんかショックだわ」

自嘲ぎみに笑うと、さっちゃんはブンブンと首を何度も振って俺に縋った。

「違うの銀さん!」
「何が違うってんだよ」
「私、自分の持ち家なんてないわ」
「……は?」
「いつもは旅籠を転々としているし、それに“部屋”っていうのは倉庫みたいな場所の事なの」


さっちゃんの話はこうだ。
忍はその職業柄ゆえ特定の場所に家を構えることはない。その代わり元御庭番の元締めが統括している忍の拠点があり、そこに各忍又は部隊ごとに割り振られた小部屋があるという。組織から活動に必要な武器や薬物が定期的に補充され、主に倉庫として利用しているらしい。まぁ当然具体的な場所などは教えて貰えなかったが。

「紛らわしい事を言ってごめんなさい…。でももし仮にそんな家があったなら、真っ先に銀さんに教えているわ!」


懸命に説明するさっちゃんの声を聞きながら、俺はふと気付いた。

(持ち家がないってことは、帰る場所がないってことだよな…?)

さっちゃんはいつも旅籠を転々としていると言っていた。つまり任務に出る前も、帰ってきた時も、こいつはいつも一人ってことだ。
そこでようやく俺は、今まで何故さっちゃんが執拗に万事屋に侵入していたのかを理解した。


(もしかして、寂しかったのか…?)

突然屋根裏から顔を出して居間に居座ろうとするのも。必要以上に俺に絡もうとしたのも。来る度何だかんだ言いながら新八・神楽と戯れていたのも。もしかしたら、一人で寂しかったからなのかもしれない。
そういえば毎回俺に怒鳴られて帰る時、顔は笑顔なのにどこか悲しそうな様子だった気がする。その時は「怒鳴られたからだろう」くらいに考えていたが、本当は人の温もりを求めていたのかもしれない。
そう考えると、さっちゃんが無性に愛しくなってきた。


「――家が無ェなんてよく言えたもんだよ。万事屋の屋根裏やら壁裏やらを勝手にリフォームしといてよォ。まるでお前の家じゃねぇか」
「ご、ごめんなさい…」
「リフォームしたからには、ちゃんと責任とって有効利用して貰わねぇとなァ」
「…え?」
「だァから!もうここがお前ン家でいいっつってんの!」

言いながら脇の箪笥からスペアキーを取り出し、それをさっちゃんに投げ渡した。

「帰る場所が無いなんて寂しいじゃねぇか」

驚きながら鍵を見詰めるさっちゃんを、有無を言わさずに抱き締めた。

「…っ!」
「本当はずっと寂しかったんだろ?」
「銀、さん…」
「辛ェ仕事やりながら、その辛さを独りで耐えるなんざ女にゃ荷が勝ちすぎるよ」

さっちゃんを抱く腕に力を込める。

「もう十分逃げた。十分回り道した。それに…十分ヤることもやったしな。そしたらいい加減答え出さねぇと…男として」

そして合い鍵を握るさっちゃんの両手を、その上からそっと包み込んだ。


「坂田家のお嫁さんにならねぇか、さっちゃん」


言い終わってめちゃくちゃ恥ずかしくなった。勢いで言葉を零しちまったが、冷静に考えたら俺さっちゃんに普通にプロポーズしちまったじゃん。何でこういう一番遠回しにしたい時だけ素直になってんだよ俺。

「っつー訳で、明日から、いや今日から?いや明日?あ"ーもうどっちでもいいわ、猿飛のさっちゃんから坂田のさっちゃんに変更だから!はい返事!」
「はっ、はい!」
「よし、寝る!」

照れ隠しもいいとこだ。勝手に言い置いて頭から布団を被った。暫くしてゴソゴソ布団の背後が動き、さっちゃんも寝る体勢になったのが分かった。


「銀さん」
「…………」
「銀さん」
「…………」
「ありがとう、私、全力で銀さんを幸せにするわ」

ぴったりと背中にくっ付いてきた温もりに寝たフリを決め込みながら、寝言のように呟いた。


「…俺のセリフ取らないで」


FIN.
 
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