昨年の秋からSNSをあまり更新しなくなった。
きっかけはアプリの調子が悪くなったことだが、いろいろ思うところもあり今もアクセス改善のためのアップロードはしていない。
私がネットに触れはじめたとき、その海は発信と受信の世界だった。
日常を覗きたいなら個人のブログへ、作品を読んだり書いたりするならサイトへ、レビューを知りたいならAmazonへ。
気持ちを伝えたいときはメールを送って、見えない相手の反応に葛藤したり送信したという取り返しのつかなさに苛まれたり。
ひらかれてはいるもののどこかパーソナルな、それぞれに分かれた部屋のドアを開けるような感覚で海を泳いでいた。
のだけど。
今はどちらかといえば、海は共有の場になっているように感じる。
簡単に評価ができるし、みんなでひとつのコミュニティを使う。反応もすぐわかる。
みんなで同じものを見ているから、集団で反応しあう。
知らないあいだに共通の流れや不文律が生まれている。
毎日、みんなと海という名の鍋を囲んでいるみたいな気分になる。
とても便利ではあるけれどそれって平常と言えるのかな、とか。
とにかく、これを機会にちょっと休んでみようかと思ったのだ。
(たまには更新してるんですけどね)
そんなこんなで年が明けた。
ふらふらしてると、ふいにブログを始めてみたくなった。
そもそも去年は文章そのものから離れぎみで、本も読まなければ何かを書くこともなく、記録をつけるでもなく、ちょっとゾンビのように暮らしていた。
年号も変わったし、ちょっと何かしたいという気分になる。
とりあえずその日はこれを買って帰った。
今年はじめての本のお買いもの。
「小説家になりたいの?」と聞かれて何ともふくざつな心地になった。