最近買ったのでさっくり書こうかなぁ、と。
数カ月前にデュラにハマってからずっとリアタイでデュラの感想書きたいって言ってたけど、いざ書こうとすると言葉が出てこないので作者繋がりの別小説で…
よく考えたら前ブログでマンキン完全版感想書いてた頃もラスト数話はすごく書きにくかったので大団円の感想書くの苦手なのかも(?)


まず、これの表紙見た時男女の体格差というかスケール感おかしくないか?って思ったけど男のほうが巨漢設定なのね…
そんでタイトルから察せそうな感じするけど宮沢賢治さんの『オツベルと象』が作中でもモチーフになってる
どんな話だっけ?と思って青空文庫に読みに行ったら見覚えあったので教科書で読んだのかも
私は教科書以外で宮沢賢治読む趣味ない子どもだったし
※参考(本文URL直通)→オツベルと象(青空文庫)

小説のジャンルとして文庫公式では「ミステリー」「サスペンス」「ハードボイルド」と分類されてる上にあとがきで作者は「ボーイミーツガールだけど年齢的にボーイでもガールでもない」と称しているのだが、実際そんな感じだった
でもごちゃごちゃしてるわけでもなくてすごく読みやすかった
デュラ大人買いして一気読みした時、キャラが増えれば増えるほど場面転換や視点変更細かくなってて疲れたけどこれは登場人物少なめで視点の動きもそんなに激しくなかったのでさらっと読める
それと帯とかでデュラと同じ世界ってアピールしてるだけあってデュラ小ネタ多いなぁって印象を受けた
登場人物の職業(記者)上仕方ないけど贄川さんがそこそこ出番あるのがなんか面白かった
というか乙野辺さんに記者仲間への毒舌スイッチ入ったらこっそり逃げるあたりが静雄がキレたとき即避難するトムさんみたいでなんか面白い距離感…
それと越佐大橋シリーズっぽいネタも散見したのでいつかそっちも読んでみたいなーと思った


んで読みながら一番思ったのは話が進めば進むほど乙野辺さんと喜佐さんの関係に萌えた…
「もしオツベルと象が上手くいったら?」という作者のIFネタにのっとってるので乙野辺さんがオツベルで喜佐さんは象なんだけどさ
悪人を自称するような支配者タイプの女上司とやや世間知らずだけど有能で従順な男部下ってなんかおいしいよね
というか悪役レベルにキツイ性格の人が純粋な人に絆されて丸くなるのって良い…
そもそも乙野辺さんは生い立ち考慮すると正義感こじらせて悪人になったようなもんだから根っからの下衆外道とは違うんだけど
なんだろう、個人的に悪役キャラは嫌いになる傾向あるんだが、こういうそれなりの筋通した結果悪人になってしまったキャラは逆に好感持てるんだよな
喜佐さんのいうところの『貴い悪人』というかなんというか…
そして喜佐さんはほんとにいい人すぎて…っていうか礼儀正しくて大抵の仕事こなせる程度に器用で格闘技に精通してるって巨漢強面設定なければ少女漫画かなんかの万能執事キャラにいそうだよな
誰かを護るために強くなったのに肝心の護る相手がいなかったところに身内経由で勝手に「娘を護ってあげて」と女性のもとに託されるってのが少女漫画シチュすぎて萌えるまじ萌える
そういや顔の傷の件思わせぶりに振っといて謎のままだったな
自分語りになるが、私は友人から真剣な顔で(考えようによっては)馬鹿らしい秘密暴露された時にああやって許可取って爆笑した過去があるのでそのことを思い出してしまった
か、会話の流れが…あまりにも似ていたんだ……
きっと喜佐さんの傷の理由も相当馬鹿らしいに違いない(確信)

他のキャラだと樫井さんと狐崎さんがいい味出てて好き
あとこれ話の主軸としては乙野辺さんと喜佐さんが記者として複数の事件を調べるうちに巻き込まれていく感じだけど、事件の推理解決らへんがさらっと流されてるのが個人的には好きだな
人によっては物足りないかもしれないけど
犯人同士潰し合わせて片付けたのにデュラ9巻の臨也を思い出してああ乙野辺さんは本当に悪人だなって思わされたよ
乙野辺さん新宿住みだしとある事件調べるのに情報屋使ったみたいだし臨也と関わり持ってて悪知恵仕込まれててもおかしくはないんだけどさ


↓表紙絵に触れたので参考リンク